沙門空海唐の国にて鬼と宴す
「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」夢枕獏 徳間書店
いやぁ、長い小説でした。480ページの本が4巻、一気に読みました。
空海が遣唐使船に乗って唐の国へ留学するわけです。
同じ留学生仲間の橘逸勢が、シャーロックホームズで言えば、ワトソン役、相槌を打ちながらお話しを進めて行きます。
そこころ、長安の都では、猫の怪物が皇帝の死を予言し、綿畑では、皇太子が病に臥す、と地の底からささやき声が聞こえてきます。
この異変を解明しに、空海と橘逸勢が立ち上がるのですが
原因は60年前、玄宗皇帝と楊貴妃が関係するものでした。
夢枕獏とは何者なのだい。
プロレス小説を書いたり、そのへんの凡百の作家なのだろう。
いいえ、なかなか。
空海が語ることですから、哲学・宗論がふんだんに出てきます。
玄宗皇帝と楊貴妃の時代には李白、いま、空海と橘逸勢がいる時代には白楽天
詩が歌われて、場を引き締めています。
いやぁ、単なるアドベンチャーの語り手じゃなかったのですね。
いっぺん、読み始めて、夢枕獏の凄さに恐れ入りました。
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