ナイチンゲールの沈黙
「ナイチンゲールの沈黙」海堂尊 宝島社
「チーム・バチスタの栄光」からの2作目です。
前と同様、ワトソンとホームズは、愚痴外来の医師と厚生労働省の技官です。
かき混ぜ役に、警察庁キャリアの警視正殿も加わっています。
なんたって凄いのは、人が死ぬのは本の半ばになってからです。
ミステリーで殺人が起きなきゃ話しが始まらないはずでしょうが。
それまでは何やっているか
お仕事、お仕事、手術の段取りがあったり、術前カンファレンスがあったり
ルーティン、むだ話でずっと引っ張っているわけです。
神は細部に宿り給う、病院のあれやこれや、知らないこと、知りたいこと、これはもうむだ話ではないですね、ページを次々とめくりたくなるもんです。
ミステリーの中身?
ナイチンゲールと題名にあるように、看護師が対象です。
トリックに無理があるの、ないの、と言ってもしょうがない。
ストーリー・テリングの名手というべきか、内輪話のはめ込みが上手というべきか、後者のほうが、情報の量・質とも上等なので、光っております。
作者は本職が医者なので、そうそう、本の執筆に時間を割くことが難しいのが残念です。
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