まほろ駅前多田便利軒
「まほろ駅前多田便利軒」三浦しをん 文芸春秋
三浦しをんは、「風が強く吹いている」で発見した作家なんですがね
この「まほろ駅前多田便利軒」が直木賞受賞作とは知らなかった
便利屋のお話なんですよ
便利屋という設定は便利がええよね、弁護士や探偵社のように、依頼者が変わればその都度お話しがくりだせる
その便利屋に、高校時代の同級生が転がり込んでくる
高校時代には言葉を交わしたこともないのに、負い目があるんですね、それで、転がり込むのを拒否できない
どのお話しも、欠損家庭のお話しなんですよ
欠損家庭だから希望がないような、最後には、希望を残しているような、書きようです
もともとは、別冊文芸春秋に連載されていたものだそうだが、あそこの土俵では書きよう文体が似つかわしくないような気がする
文体が乾いているんですよ、情感を込めないように叙述してあるんです
それなのに、書いているのは欠損家庭、こんな書きようのほうが合っているからかね
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