漁師志願!
「漁師志願!」山下篤 新潮社
漁師が年取ったので、アルバイト募集をスポーツ新聞に掲載したんですよ。
反応はけっこうあって、若者ふたりが選考されました。
かたっぽ、アルバイトを転々として、競艇に入れ込んでいる若者
もうかたっぽ、寿司屋の職人だが、先輩のいじめで気分を変えるため魚を取るほうに回りたい若者
あまりやる気のないようにみえるが、けっこう、人生を見つめる転機に来ているのですね。
途中で、30台半ばで入り婿状態、家庭から袖にされそうなおっさんも転がり込んでくる
漁師といっても、仕事は養殖、鯛の養殖ですね。
頼りない若者、おっさんと馬鹿にしたもんでもないよ。
競艇狂いの若者は船舶免許を取ろうと志し
すし職人は、魚は天然ものが一番という職業上の信念がゆらいできて、養殖ものをなんとか寿司で扱えないものだろうかと考える。
漁師の親方は、あと3年で漁業権を漁業組合に売ろうと考えている。
ヨットマリーナを経営したい連中が、ヤクザを使って、漁業権を横取りしようとたくらんでいる。
そりゃぁヤクザが出るようなお話しだから、あれやこれやと怖い場面もあります。
基本的には、前向きなお話しですね。
3年後には、ひとりは船舶免許も取っているでしょう。
すし職人は寿司屋に帰っているでしょう。
あぁ、忘れていた、おっさんは家族から頼られて、戻ってくるよう願われて、だいぶ前に引き払っていました。
3年後、まだ養殖の筏がここにあるのか、それはわからないが、それぞれ、未来へのええ線を得ている、という明るいお話しです。
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