パラレル
「パラレル」今野敏 中央公論新社
今野敏、警察ものを書いて、マル暴班のどろくさいお話しが多いので、そのシリーズと思いましたが
ちょっと毛色が違いました。
少年犯罪に怒り狂ったひとびとがいます。
少年法で保護されているので、直接、懲罰を与える、という手段をとるひとびとがいます。
そのへんの事情、動機は理解できなくもありません。
ところが
「亡者」を祓う「鬼道衆」と呼ばれるお祓い師
「外道」を祓う「奥州勢」と呼ばれるお祓い師
「役小角」が転生してきた高校生
こんな、なんでもこいのトランプのジョーカーのような助っ人が迎え撃つわけです。
犯罪者側は、強力な亡者で次々と引き込んで亡者に変えて、悪たれ少年どもを殺していきます。
こんな状況、場面設定では共感するもへちまもあったもんじゃありません。
劇画のシナリオ、アニメのシナリオのように、なんぼ荒唐無稽でもええ、繰り出す場面場面が目新しいか、目を惹くか、そこを頑張っております。
人物の書き分け、善玉と悪玉の区別はありますよ。
善玉のなかで、そのそれぞれがどうかっちゅうのははっきりしない。
ほれ込みたい人物が出てこないもの。
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