若冲の目
「若冲の目」黒川創 講談社
てっきり、若冲の史伝かだろうと手に取りましたが
心象風景のような作品で、面食らいました。
鶏の目、猫の目、文芸誌群像で発表された作品でした。
純文学かぁ。
歯が立たない対象と取り組んだらしい、そりゃ理解できんわ。
若冲とは、幕末手前の頃の京都の画家です。
奇怪な画風で有名です。
鶏の目のほうでは、若冲の家系図が問題にされます。
裕福な商家の旦那なのに、弟に店を譲って画業に専念します。
ふんふん、これは史伝だ、若冲の生涯を探るお話しかいなと思ったら
後年、若冲の生涯、家の過去帳を探ったひとがいたんですね。
興味は、その探ったひとのほうへ移って行きます。
飲み込みにくい話しなんだが、二つの家系があります。
養子に入って二つの家系が融合してしまいます。
それで、そのひとが先祖の若冲を探り始める、とこういうお話しの展開です。
で、猫の目、若冲について夏目漱石が触れているのだそうです。
我輩は猫であるの猫、若冲は鶏の絵はたくさん残してあるが、猫を画材にはしなかったようです。
で、ここに出る猫とは、漱石の猫なんですね。
漱石の日記などが挟み込まれているが、なんのことやら、ページをめくって読み飛ばしてしまいました。
もっと真っ直ぐに若冲を描いているだろう、いいえ、全然。
若冲を使って心象風景を書いているらしいのですが、何だろう、伝わってきません。
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