悪果
「悪果」黒川博行 角川書店
黒川博行の作品はどれも好きですねぇ。
とりわけ、建設コンサルタントの二宮とやくざの桑原のコンビ、このシリーズが好きですねぇ。
この作品のコンビは刑事なんです。
B級警察署の今里署、このようにありそうななさそうな名前を警察署につけるところがええですね。
マル暴の刑事なんですよ。腕はええ。臭いを嗅ぎつけて獲物にする腕は達者なもんです。
捜査費用は自前なんですね。警察暮らしが長くなると、伝票請求するより、自前で調達するのが普通の感覚になってくる。
ヤクザと酒を飲んで情報を取っているうち、酒は上等のものになり、おねぇちゃんとねんごろになってくる、金を調達するのにシノギをかけるのが普通の状態になってくる。
これは刑事のシノギのお話しです。
結果だけ言うときましょうか。
コンビのかたっぽはシノギがばれて、監察に呼ばれて依願退職に追い込まれます。
もうかたっぽのほうは、ホステスの前のひもと揉めて、刃物で腹を刺されます。退職に追い込まれるでしょうね。
勧善懲悪なんですが、シノギで追い込んでいく過程では、こっちも入れ込んでしまって、なかなか途中で本を置くことができません。
明日は山に行くというのに、二時過ぎまでとっぷりと「悪果」に浸り込んでしまいました。
悪党のやることは、なんでこう爽快なんでしょうね。
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