バスジャック
「バスジャック」三崎亜記 集英社
短編集です。
○二階扉をつけてください
誰もが二階に扉をつけているんですね。
なぜあんたのとこではつけないの、近所から苦情がきて、二階扉をつけることにしました。
○しあわせな光
丘の上から自分の家が見えます。
日が暮れて、そこから自分の家をみてみたら
○二人の記憶
二人は恋人どうしなんだが、会話がかみ合わないことがある。
同じ日に一緒に行動を行動をしているはずなのに、それぞれの相手が別と思っている。
○バスジャック
バスジャックが流行になってくる。バスジャックするのに様式美が求められるようになる。
ルーティンが定められてはいるが、新しい手順の開発も求められている。
○雨降る夜に
我が家を図書館と間違えて訪問者がやってくる。
訪問者があるのは、決まって雨の降る夜です。
○動物園
檻の中で動物に扮する、そんなビジネスがある。
ただ檻の中にいるだけなのに、観客には動物が見えている。
檻の中の人間が観客をだましている=幻を見させているのだ。
○送りの夏
ごめん、どのように要約してええものやら、不思議感、ゾワゾワ感は伝えられません。
「となり町戦争」「失われた町」で発見した三崎亜記です。
女だろうと思っていましたが、男でした。
このひと、普通では思いつかないところから話を繰り出します。
あるはずのない状況なんですね。不条理の世界です。
こんなことばかり考えていると、頭がはじけて別世界に行ってしまうのではないかと気がかりです。
福岡県の地方公務員を兼職しているのだそうです。
現実の些細なことにこまごまと取り組んでいるから、ありえない別世界に浸っていても、バランスが取れるのかもしれません。
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