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2008年7月20日 (日)

辰巳屋疑獄

「辰巳屋疑獄」松井今朝子 筑摩書房
松井今朝子にしては珍しく芝居に関係しないお話しです。
大阪の豪商のお話なんですがね
婿入りして、一代で商家の世帯を豪商にまで押し上げた。
相続の段取りが未済のまま大旦那はなくなったので、問題を残しました。
息子が二人いて、相続争いのお話です。
長男が病弱で子供は女の子しか残さずに死んだ。
婿入りしたが、大旦那の実家はある。そこへ次男を養子に入れてちゃんとしたつもり。
お話しの背景は、丁稚が手代になり、番頭に昇格し、押しも押されぬ大番頭に出世する縦糸があります。
相続の争いに割り込んで、出世の思惑も絡んで、どっちの筋を引っ張るかで、この先の未来は違ってきます。
役人に賄賂を贈り、付け届けをこんなふうにする、その細々した段取りは、よく知った段取りです。
読みながら、どこが疑惑なんだろ、商家の相続に疑獄もへったくれもないもんだ。
ところが、大阪奉行所の中だけの賄賂、付け届けが江戸にまで注進されました。
ここで、もう老年の大岡越前守の出番です。
商家の賄賂のやりくちで、武家の緊張がゆるんでしまう、これが根回しの根本です。
賄賂を撒いた一方が相続に負けた、そういう裁決になりました。

後世の田沼の時代はもうすぐですよ。
賄賂は当たり前の世界になるじゃないか。
「越後屋、おぬしもワルよのぉ」
こんなせりふが当たり前の世界がやってきます。
へぇぇ、このような綱紀粛正の時代もあったみたいです。

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