あの夏、風の街に消えた
「あの夏、風の街に消えた」香納諒一 角川書店
奥付のプロフィールに、正統派の冒険小説・ハードボイルドの旗手である、とあったのでソソラレました。
前に読んだ「血の冠」では感心しなかった。
精神異常が動機であり、犯行の展開なのです。
精神異常をネタにすれば、どんな飛び越えたお話しでも展開できる。
今度のは
なるほど、ハードボイルド
父親が怪しげな不動産ブローカーで、巻き添えになるかも、ということで、姿を隠すようにいわれます。
言われた通り、新宿の古いホテルに身を隠します。
ハードボイルドの真骨頂は、狙いを付けて動くことじゃない、なすがまま、展開に沿って対応しながら泳いでいくことです。
そりゃもう、いろんな材料があって面白い。
新宿の下水道にはワニが棲息しています。
天安門事件のアジテーターが潜んでいます。
地下に広い空間があって、ホームレスが暮らしています。
この作家、面白そう、これからは目をかけておくことにします。
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