粗茶を一服
「粗茶を一服」山本一力 文芸春秋
損料屋喜八郎始末控え
損料屋とは、いまでいうレンタル屋ですね。貸し道具屋。
シリーズ三冊目、シリーズというのはお馴染みだから読みやすくてよろしい。
損料屋とは表の姿、裏では、札差の周辺で、サポートしたり、難問を解決しています。
というのも、もともとは奉行所の同心で、札差を取り締まる立場にいたからです。
この本では、喜三郎は主役ではない、札差の伊勢屋が主人公です。
数年前の棄捐令で札差に痛手を負わせてから、世間は不景気、札差はもう武士に追い貸しはしなくなりました。
打開するため、お上から救助米を施し、札差はもともと米が商売、儲けさせて、棄捐令の損失をカバーさせてやろうという政策です。
これを巡って、札差仲間の暗闘があり、陥れたり、仕掛けたり、伊勢屋がそれをはねかえす、こんなお話しです。
「粗茶を一服」この題名を解きほぐすと
伊勢屋が仕掛けた側の札差を茶席に招待して、茶席の献立で、宣戦布告する、暗示する、こんな意味合いです。
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