はて、面妖
「はて、面妖」岩井三四二 光文社
はて、面妖をテーマに集めた短編集です。
「地いくさの星」伊予の里侍、侍と百姓の中間ですね。
土佐勢の乱暴刈り、収穫寸前に米を刈り取っていく行為、これに反撃するお話し
「善住坊の迷い」信長狙撃を命じられて、ひとつ玉でやるか、ふたつ玉でやるか、迷いに迷う。
ふたつ玉とは弾丸を半分に切って、紙で包んだもの
結局、ふたつ玉で射撃したが、信長を真ん中にして左右に玉が散って失敗するお話し。
「花落尽(みやこづくし)をあの人に」信長が上洛して仕事を得ようとするお話し、狩野永徳の若き頃のお話し。
絵のサンプルを上覧に呈するに、何を差し出すか。
室町幕府当時の注文流れの洛中洛外屏風図を差し出すことにする。
「母の覚悟」関白豊臣勢に囲まれた北条家、その傘下の由良家でのお話し
領主と精鋭は小田原城に監禁状態、豊臣勢はひたひたと攻め寄せてくる
ご隠居のお袋さまの打った手は、結論、裏切り。
「松山城を守れ」
「人を呪わば穴ひとつ」
「修理亮の本懐」
全部は解題しません。
古文書の片言隻語から着想して、お話しをひろげる岩井三四二です。
どんでん返しが愉快で、はて、面妖、面妖であればこそ面白いです。
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