借金取りの王子
「借金取りの王子」垣根涼介 新潮文庫
サブタイトルに、君たちに明日はない2
前作の「君たちに明日はない」がすばらしかった。
文庫本で2が刊行されました。すぐに買いました。
ホテルストーリーと同様で、ゲストに味があるからええのです。
リストラを請け負う会社で、社員を次々と退職するように持って行く仕事です。
「二億円の女」デパートの外商部門の縮小
「女難の相」生保会社の総合職の退職
「借金取りの王子」サラ金会社の店長を解雇
「山里の娘」温泉旅館の人員整理
「人にやさしく」派遣の雇い入れ
最後の章だけはリストラ話しではない、ひとを雇うお話しです
30代の男、40代の女、8歳の年の差はあるが、ふたりの中はうまくいっている、結婚するのかなぁ、たぶんしないだろうなぁ。
狂言回しに二人がからむが、魅力的なのはリストラされるほの人物群像なんです。
リストラは切ないお話しだが、なんとなく先に光が見えるかたちにもっていっている。
そういうところがええのです。
どうやら、「君たちに明日はない3」は今後とも無いでしょう。
垣根涼介の作品の傾向が変わっていまったから。
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