いかずち切り
「いかずち切り」山本一力 文芸春秋
先日、山本一力はもうええわ、と言ったところですが、また手を出してしまいました。
証文買いという商売、焦げ付いた借金の証文を買って取り立てる、そんな商売です。
稲妻屋が屋号だが、半纏の背中に大きな稲妻が書いてある、いかずちですね。
そうです、表の商売じゃありません、裏の世界の商売だから見るからに怖そうなカッコウでいなきゃなりません。
最初のおはなしは「しゃがみ屋」
そばやが金貸しに乗り出してきました。あこぎな取立てもします。
おらっちの町内まで出張って荒らすとは、お灸をすえてやらねばなるまい。
怖さ知らずのそば屋なので、応援を雇います。
検校で、眼も悪い、足も失っている、その検校がそば屋の店先に座り込みます。だから、しゃがみ屋。
参りました、金貸しは止めてそば屋に専念します、というめだたしのおはなし。
次は「騙り屋」
札差の大旦那が詐欺にかかります。
米の空売りで儲けるおはなしで、江戸大阪間を為替が通う、その為替を掠め取ってしまう詐欺。
詐欺にかかった為替を証文買いとして、稲妻屋が乗り出す。
詐欺一味と稲妻屋の攻防のおはなし。
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