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2009年12月28日 (月)

下天を謀る

「下天を謀る」上下 安部龍太郎 新潮社
安部龍太郎の作品は、歴史の眼の付け所があれれというところがあるのですが
これは直球だなぁ。
藤堂高虎の一代記です。
一介の武辺の武者だったのを、豊臣秀長のもとで、為政者として教育し直された。
秀吉が、関白秀次を滅ぼし、秀長亡き後、跡継ぎ秀保も変死し、大和百万石は接収された。
以来、藤堂高虎は秀吉を見限り、徳川家康に接近する。
いや、家康が接近してくる。
その後は、外様ながら家康の幕僚として補佐する。
安部龍太郎は、歴史にとんでもない補助線を引いて、あっと驚く解釈を施すことが多いのに、この作品に限ってはそのような筋は見当たらないように思います。
大久保長安、大久保忠隣の失脚は、関ヶ原の合戦と大阪冬の陣の中間のことだった。
家康に関わる歴史小説に親しんでいたのに、そのへんの年代の前後関係を理解していなかった。
家康対豊臣の戦いの中で、大久保長安、大久保忠隣は反乱分子だったのだ。
そういう解釈で貫いて見ると、家康対豊臣の戦いはよく判ります。

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