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2009年12月30日 (水)

恋細工

「恋細工」西條奈加 新潮社
金春屋ゴメスで出会った以来、西條奈加はSF作家、ファンタジー作家だと思い込んでいました。
そうではなかった。
錺(かざり)職人、細工師の世界を描いています。
職人の世界と言うと、山本一力が出てきますが、西條奈加のはちょっと違うなぁ。
もっとからっとしているんですよ。
錺職、椋屋の元締めの五代目春仙を決めなければならない。
四代目は五代目を指名する前に病気で亡くなった。
弟子に加えて、ほかから職人を引っ張ってきた。
その中から三年をかけて五代目を選ぶことになる、それが四代目の遺言だった。
ほかから来た職人は、人交じりができない、よくいえば名人気質、別の言い方ではわがままし放題のやつだった。
四代目の妹、凛は、その職人の技に魅了され、ひそかに自分でも技を再現するようやってみる。
錺職、細工師の世界では、技術・技法とは別に、意匠のセンスが問われる。
凛は意匠のセンスが抜きん出ていた。
時は水野忠邦が老中、徹底的な奢侈禁止令が行き渡っていた。
南町奉行が鳥居耀蔵で、取り締まりは容赦がなかった。
神田祭に銀細工を施した神輿を繰り出して、世間の胸をすかせる。
水野忠邦の失脚を見越してのこと、お咎めはなし。
錺職、細工師の修行のかずかず、意匠、プロデユーサーとしての役割、このへんのところが丹念に書き込まれていて、ほほうほほうの連続です。
題名が恋細工、まぁ恋もあります。
主力は恋より細工のほうにあります。
からっとしたお話しで、気持ちよく読めます。

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