10 ten
「10 ten」堂場瞬一 PHP
サブタイトルに、俺たちのキックオフ
これはもう、すっきりと全部ラグビーのお話しです。
背番号10のスタンドオフの物語という意味もあるし
フォワード8人、スクラムハーフ、スタンドオフも加えて、10人で試合を仕切ってしまうテンマンラグビーの意味もある。
ラグビーは、いったんゲームが始まると、監督が何かをするということができない。
監督もベンチ内に入られる野球やサッカーとは大きく違う。
ゲームが始まると、キャプテンがコントロールする、そこが他のスポーツと大きく違う。
急死した前監督の方針は、フォワードを中心にしてゴリゴリに突進するテンマンラグビー
コーチから監督にピックアップされたが、前監督の方針を守り立てるのが、はたしてそれでええのか。
前監督は、大学監督の前に高校の監督もやっていた。
その時代には、バックスを使ってパスしてパスして走り回るラグビーをやっていた。
大学の監督に就任すると、勝つためにフォワード中心のゴリゴリラグビーに変わってしまった。
日記を読んでみると、勝つためのフォワードラグビーは本意ではなかったのがわかる。
いつかテンマンラグビーは破綻する時が来る。
シーズン最後のゲームは天聖大学、天聖大学にはテンマンラグビーは通用しなかった。
監督はサジェスチョンを与えること、ハーフタイムに一声かけた。
大阪在住のころには、長年花園ラグビー場に通ったもんです。
大学ラグビーはともかくも、社会人ラグビーには通ったもんです。
神戸製鋼の最強の時代で、大八木・平尾の黄金時代をスタンドから見ていました。
おかげでゲームの展開がよくわかる。
まったくラグビーを知らないひとが読んだら面白いかどうかはわからないが
少々かじったひとにはとてもよくわかる。
OBが監督人事に介入したりして、いやらしい場面があるが、基本的には爽やかで、明るく読み終える本です。
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