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2010年1月 2日 (土)

未踏峰

「未踏峰」笹本稜平 祥伝社
北八ヶ岳にビンティ・ヒュッテという名の山小屋がある。
万引きをやって職を失い、派遣の労働者として絶望の暮らしをしている若者
アスペルガー症候群、ひととの関係がうまく結べない発達障害をもつ娘
小学生程度の知能しか持たない知恵遅れの若者
これらの若者を雇って山小屋の運営が始まる。
経営者は、パウロさんと呼ばれているが、日本人でクリスチャン、ただし、深い信仰を傾けているわけではない。
もともと、パウロさんは名高いアルピニストで、ヒマラヤで同僚を見殺しにしたと悔いて登山家から引退した。
小さな山道具の店を開き、縁あって山小屋の主人に転進したのだ。
もう一度、ヒマラヤの未踏峰に登るつもりで三人に声をかけた。
冬の富士山、冬の南八ヶ岳の岩場でトレーニングを始めた。
山小屋が出火してパウロさんは焼け死んだ。
三年前にパウロさんは遺言を書いていた。
山小屋の借地権、火災保険金などの遺産は三人に贈与する。
もともとパウロさんを含めて四人でヒマラヤの六千メートル峯へ登るはずだった
故人と一緒に三人で登ることに決定した。
社会から爪弾きされた三人だが、ヒマラヤを登ることで、社会に足がかりする自信が生まれてくる。
登頂したところでお話しは終わっています。
無事下山できるだろうし、山小屋を再建するだろう、希望を匂わして終わっています。

下界でのお話なら、人物の関係性とか事件のなりたち、そんなものが重要です。
山岳小説、そんなジャンルがあるとしたら、登山道のどこどこのポイントを曲がったらどんな風景が開けているか、標識に示してあることがストレートなのか理解しにくいか、そんなことも重要です。
森村誠一、このおかたも山岳小説を書いています。
架空の山で、いかにもありそうな風景描写ですが、身を入れて読む気になれない。
実は、このヒマラヤの山も架空なんだそうです。
後書きに書いてあった。
許す、ヒマラヤの未踏峰などこれからも登れるはずがない。
かけ離れた世界なので、そこは雰囲気・味をあじわうだけでじゅうぶんです。

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