華日記
「華日記」早坂暁 勉誠出版
サブタイトルに「昭和生け花戦国史」
戦争が終わって、そこから生け花の歴史が再開します。
草月流・勅使河原蒼風、小原流・小原豊雲、安達式挿花・安達潮花、池坊・山本忠男
それぞれの流派を背負う家元ですが、最後の池坊だけはちょっと違う、番頭の役割で仕切るのが山本忠男です。
生け花は池坊から始まって、門人が独立して、自分の流派を立てて、それぞれの流儀を競うものです。
初代であったり、中興の祖であるそれぞれが継承者を迎えます。
勅使河原蒼風→霞、安達潮花→瞳子、山本忠男→池坊専永
子が先に亡くなったり、家元に背いて家出したり、継承もなかなかスムーズにはいきません。
池坊では、番頭役が亡くなって、家元専永の権威が確立します。
小原流については記述がないのですよ、争いがなかったのでしょうかね。
早坂暁はシナリオ作家ですが、生け花業界紙では富田二郎という名前で、名高い存在だったようです。
富田二郎は生け花業界が統一提携するのをアレンジしたり、あの派とこの派を取り持ったり、かなり暗躍しております。
そんなことで、早坂暁がこの本を書いたのは、文献だけで書いたのではない、感覚も共有しながら書いたのだ、といえます。
敗戦からマッカーサー解任までが第一期、安保改定までが第二期、このあたりまでが生け花業界風雲怒涛の時代です。
その先は、継承の時代、勃興期から安定期へと次の家元を求める時代です。
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