プロトンの中の孤独
「Story Seller」新潮文庫 編集部
雑誌小説新潮の中から選んだ、7人の小説家のアンソロジーです。
「プロトンの中の孤独」は近藤史恵の一篇
「サクリファイス」で白石誓はチームのエース石尾豪と対決する。
「プロトンの中の孤独」は、その石尾豪がチームのエースから座を奪うお話しです。
そう、白石誓より前の時代のお話しです。
自転車競技は、エースがいて、大勢のアシストがいて、いつかはエースが衰えて交代していく、そういうことになっています。
「石尾は、正面を向くとギヤをインナーに入れた。俺は息を呑んだ。まだ足に余裕があるらしい」
こんな文章があります。
自転車乗りなら、これだけで状況がスパッとわかる、んでしょうね。
わたしにはまだ、スパッとはわからない。
後輪のギヤは大径が内側、小径が外側にある。
インナーが大径では、トルクは小、スピードも小
インナーが小径なら、トルクは大、スピードも大
ペダル・クランクの位置にギヤがあるとしているのだろうか
わたしの自転車にはペダル・クランクの位置にギヤはないが
ロードバイクでは、大径が外側、小径が内側にある、ということなのであろう。
アマチュァには、いちいち説明しないよ。読み手は想像を膨らませながらついておいで。
こういう姿勢を貫いているところがカッコええのです。
「Story Seller」7人の中では、近藤史恵、有川浩が好みです。
他の作者のは好みがあわないので、まだ読んでおりません。
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