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2010年7月19日 (月)

フリーター、家を買う

「フリーター、家を買う」有川浩 幻冬社
入社3ヶ月で嫌になって会社を止めてしまいます。
なんぼでも次の就職先はあるわい、と思いのほか、3ヶ月で止めたことがネックになって、どこでも断られてしまいます。
いつまでもぶらぶらするわけにもいかず、土木の作業現場でアルバイトを始めます。
仕事はきついのだが、半年以上、その仕事は続けています。
意欲があるということで、事務所に本採用になります。
経理総務はおまえが仕切れ、業務を拡張するからおまえの目で選んでみろ。
そう、フリーターがちゃんと会社の芯になるお話しです。
もう一本、お話しの芯があって、母が町内から苛められています。村八分の状態です。
それが原因で、うつ病になり、精神を病んで日常生活にも障害が出てきます。
夫は、その状態に目をつぶり、事態を変える努力をしません。
原因はこの環境にある、病気を治すのは引越しするほかはない。
数年後、郊外へ家を買って引越ししました。
ふたつめの芯のうつ病のお話し、ずいぶん、唐突だと思うでしょ。
新潮文庫に Story Seller という中篇集があります。
7人の作家の中篇を集めたものです。
そのなかに、有川浩の「Story Seller」が収録されています。
これも心を病むお話し、脳が崩壊していくお話しです。
唐突な感じはあっても、有川浩の周辺でその種の病気があって、書かずにはいられない衝動があったのでしょう。
痛ましい内容なのに、有川浩ワールドです、明るく突き進んでいくお話しになっていて、読後感さわやかなお話しです。

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