罪深き海辺
「罪深き海辺」大沢在昌 毎日新聞社
さびれた猟師町の市に若者が訪ねてくる。
アメリカ在住の遺児で、母が亡くなって、親戚は、知る辺はいないかと、訪ねてきたのだ。
縁者は、この街の大地主で、お殿様とよばれ、7年まえに亡くなって、遺言書にに従って、一切を市に寄付されているのだ。
お殿様が亡くなったあとは、もうひとりの大地主の弁護士が市の黒幕になっている。
市長も弁護士の甥が就任している。
相続権の回復請求を行えば、法定相続分がおまえに手に渡るぞ。
街には、古くからのやくざがいて、広域のやくざが手を伸ばし始めている。
黒澤映画の「用心棒」を思い出してちょうだい。
あっちとこっちを手玉に取る様子は映画とそっくりだなぁ。
定年間近の刑事がいる。
ここ刑事がなかなかのもので、お殿様の死亡当時からの疑惑を段々と洗い出していく。
警察署長は女でキャリア、ちょっと出るだけのチョイ役かと思いのほか、もともと、アメリカから呼び寄せたのも署長、解決した場所も署長の住むマンション、意外な主役でびっくりするなぁ。
気分を晴らすスカッとした読み物です。
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