恋する空港
「恋する空港」新野剛志 文芸春秋
「あぽやん」に続く「あぽやん2」です。
ツーリスト業界では、支店営業所で働く社員が一級社員で、空港で旅客を受け付けて送り出す社員は、あぽやんと言われて一段下に見られています。
エアポートから由来するあぽやんでしょうね。
主人公、遠藤は、前作では、ただのセンダーでした。旅客を送り出す作業をセンディングといい、センダーといいます。
今作では、スーパーバイザーで、センダーを指導してスーパーバイザーに昇格させる指導員でもあります。
いま、手を焼いているのは、センダーからスーパーバイザーにさせようと指導している社員です。
その社員は枝元、グァム支店で現地採用され、支店が閉鎖されて、ここに仮置きになった状態、近々、スーパーバイザーに昇格しないと、彼は採用不可です。
ふたりがコンビでお話しが展開していきます。
もちろん、空港のカウンターにはお客が詰めかけてきます。
ユニークな客が面白い。読んでる側では面白いが、センダーにとっては困る客です。
カウンターの中も、トラブルは絶えません。
ほとんど女の世界で、男がわずか、もめたら、しっちゃかめっちゃかになるんだぞぉ。
上司は、ずるい上司、かわす上司はいるが、悪い上司はいない。これはええよねぇ。読んでいて、読み続けたくないようなことはない。
そうそう、この会社は大航ツーリスト、親会社大航は業績不振で存亡の危機にあります。
ははぁ、ANAじゃないほう、そっちがモデルだね。
近々か、来年か、空港のセンダー業務は外部に委託されることが決定します。リストラの一環ですね。
そんなギスギス感はいやらしいが、これはしょうがない、、親会社がダメだからこうなるのだ。
業界事情、裏事情に詳しいなぁ。作者はツーリスト業界で働いていたことがあるのかしら。
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