火群のごとく
「火群のごとく」あさのあつこ 文芸春秋
火群(ほむら)のごとく、このように振り仮名が振ってあります。
「バッテリー」で有名な、あの、あさのあつこ です。
とある藩の道場、元服前の少年三人が稽古に精進しています。
そこへ、他流試合を申し込んで、すでに元服をすませた少年が乗り込んできます。
あとでわかったこと、四人とも同年齢なのだ。
三人は軽輩の子だが、四人目の子は筆頭家老の子なのだ。妾腹の子で、正嫡の子が病気なので江戸から呼び寄せたのだ。
どこの藩にも派閥はある。この藩でも、筆頭家老の派閥と、反目する派閥は存在する。
元服前の子供なのに、刀を抜いて応戦することになる。
このあたりは
宮本昌孝の「藩校早春賦」とよく似たシチュエーションで、派閥の戦いになると、似てしまうのはやむを得ない。
似ていないようにするには、四人の少年に肉付けすることで、これは成功してます、ひとりひとり、実に魅力的だ。
宮本昌孝の「藩校早春賦」は「夏雲あがれ」で青年時代に続いています。
「火群のごとく」の青年篇を書いてほしいもんです。
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