世界でいちばん長い写真
「世界でいちばん長い写真」誉田哲也 光文社
ぼくは写真部にいて、3年生でも平部員で、女の部長に尻をたたかれている。
(当然、高3だろうと読んでいたが、途中で中学3年だと気がついた。)
(高3にしてはナマな表現だなぁ、そうか、中3なら身丈にあった表現なのだ。)
(高1の女生徒と中1の女生徒では、ぜんぜん違うものなぁ。)
おじいさんの家でスリットカメラを発見する。よそからの預かりものなのだ。
カメラが回転して、360度の写真が撮れる仕組みになっているのだ。
試しに、ひまわり畑で写真を撮ってみた。すばらしい出来栄えだった。
なんとなく内緒にしていたかったが、女の部長にばれてしまった。
卒業記念のイベントに、卒業生全員参加で円周写真を撮ろう、と提案する。
ちょろっと言ってみたら、女の部長が広めてしまって、どんどん案は固まって、実行委員長になってしまう。
ブローニー版の長尺フィルム、150メートルもの長さで、カメラは13回転する。
クラブ活動の部単位、部に所属していなのは帰宅部、それぞれ部別に並んで円を組む。
カメラが回転するたびに、ポーズを変えて13変化、どんな写真になることだろうね。
当日、見事に成功しました。
完成した写真は、運動場から学校の外の道路にはみ出して、引き返してまた運動場へ。
イベントの名前が、世界でいちばん長い写真。
ギネスに申請するぞ。
誉田哲也には2種類あるんですよ。
さわやか誉田哲也と血まみれ誉田哲也、これはどっちかな、と危ぶみながら手に取ったわけです。
さわやかな路線のほうだった。
もともと、出版社のPR誌に連載したものです。この種の雑誌なら、実験もできる。
誉田哲也よ、実験は成功したよ。血まみれ路線は捨てて、こっち側に主力を置きたまえ。
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