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2010年12月29日 (水)

ゼフィラム

「ゼフィラム」楡周平 朝日新聞出版
企業小説ですが、派閥抗争や産業スパイとは無縁のお話しです。
企業の進む道を説いているお話しで、週刊朝日連載なんですが、ダイヤモンド社や東洋経済出版から出版されていたら似合うようなお話しです。
サブプライムローンの破綻で、世界的に自動車は売れなくなりました。
新車を開発しようにも、他社とは違う圧倒的に斬新な車など、そうそう開発できるもんじゃありません。
この難局を打開するには
自動車に付加価値をつけるのではなく、会社に付加価値をつけることだ。
カーボンフリー、低炭素社会を目指して、日工(小説の会社)は他社に真似のできないサポートをすれば、消費者は買ってくれる。
エタノール燃料の自動車にする。ブラジルでサトウキビ農園を経営して、バイオ燃料を精製する。
ま、こんなお話しです。もちろん、お話しに、押したり引いたりのデコボコがあるのは当然です。
ここでの日工(小説の会社)とは、国内4位ということなので、マツダあたりが相当するお話しかな。
抜き書きします。
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絵里香はあらかじめ用意してきた資料を手渡しながらすぐに答えた。
2005年度ベースのデータでは、全世界で排出される二酸化炭素の総量は、おおそ271億トン。
その内訳は、発電が46%、製造業などの産業部門が19%、自動車や船、飛行機の運航によるものが23%とあります。
そこから推定して、日工の排出量は運輸部門の2%、世界全体では約0.5%といったところでしょうか。
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電気自動車がカーボンフリーとは言っても、発電で、火力なら炭素を出す、水力、原子力で大部分をカバーするわけにもいかない。
なるほどねぇ、バイオ燃料の価値は光るものがあるのですねぇ。
題名の「ゼフィラム」とは、ゼファーのそよ風から来ているのかいなと思っていました。
ラテン語で、ゼロを意味するのだそうです。そうなのか、カーボン・ゼロという意味だったのか。

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