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2010年12月18日 (土)

スリーピング・ブッダ

「スリーピング・ブッダ」早見和真 角川書店
これは青春小説です。
広也、寺の次男坊、長男が死んで寺を継ぐのを意識する。
隆春、バンドをやっていたが諦めて、安定した仕事として坊主を考える。
岩岡、大本山の長陰寺での先輩の僧。
この三人が主人公群像です。
敬千宗長陰寺、どうしても曹洞宗永平寺を想像してしまう、そこでの修行が始まる。
ここでの修業は並の修行ではないのですよ。
いじめは普通、先輩僧が偉くて上下関係は絶対の世界です。
いじめに耐えかねて脱走したり、自殺未遂にまで追い込まれるものもいる。
ここでの修業時代は苛烈で、いやぁ、たいへんだ、坊さんになるのも簡単なことではないのですね。
修行があけて、三人はそれぞれ娑婆へ戻ってきます。
広也の寺は地震で倒壊して、父も亡くなり、別の寺で修行を続ける。
隆春は師匠寺での居場所がなくなった。
もともと、婿入りさせるために僧になる、その手筈だった。修業中に寺の娘は別の相手を見つけていた。
岩岡も本山を下りて寺に戻った。父と衝突して寺を出た。
岩岡の叔父が開いた寺が東北地方の山奥にある、そこで三人で寺の経営にあたることにした。
荒れ寺で檀家もなく、経営は火の車です。
飛び込んできた女の愚痴・身の上話を聞いてやることで道が開けてきた。
道が開けたのは広也の場合、岩岡は体をこわし癌で亡くなり、広也と隆春とは考え方が違い、隆春は寺を出る。
飛び込んできた女が信者を呼び込み、教団を作る。
新興宗教の誕生です。
最後は、えらく衝撃的な結末になるが、青春小説として真っ直ぐなもので、読み始めると一気に最後まで読み通してしまいます。
そうそう、スリーピング・ブッダとは、その山の中の寺には、釈迦の涅槃像がある、それが本尊、スリーピング・ブッダなんですね。

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