好かれようとしない
「好かれようとしない」朝倉かすみ 講談社
二宮風吹(ふぶき)、エジプト旅行から帰って、鞄の鍵が開かなくなった。
やってきた鍵屋がイケメンで、好感を持ってしまった。
気を引こうと、壊れてもいない鍵の直しを頼んだり、店の近所をうろうろしたり、いじらしいなぁ。
これはラブストーリーだ、ちょっとわたしには苦手の部類だ、となかなか読み進められない。
大家さんは70歳くらいのおばあちゃんで、気に入られようとしないことね、好かれようとしないことよ、このアドバイスは的を射ている。
もともと風吹(ふぶき)はあがり症で顔がまっかになる癖がある。
引っ込み思案で臆病で、そうよね、無理して好かれようとしないことね。
風吹(ふぶき)の周辺の女は、そりゃもう、真っ直ぐ、恋に狂えばとことん突き進むひとばかり。
鍵屋の青年に抱きしめられるところまでいったのだが、わたしのしたいことはそんなことじゃない、どういうことかな、わたしを欲しいと思ってほしいの、思っているよ、思ってないよ、まじめなんだね。
こんなことではこの二人はうまくいかないとおもうでしょ。
ところが、うまく行くのです。
もてた経験のない女の子が必死にあがいているのは、かわいくて、いじらしくて、応援したくなるなあ。
感情移入できるラブストーリーなんです。
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