荷抜け
「荷抜け」岡崎ひでたか 新日本出版社
牛方26人が連帯して、運ぶ荷物を荷抜けして、それを元手に専売品の塩などを安く売ることにしました。
問屋側にしたら、横領であり泥棒であるわけです。
牛方としては、押し借りであり、年賦返済を約定にした売買行為であるわけです。
他方、百姓仲間では一揆が盛り上がり、何万もの百姓が一揆に集まります。
時は幕末、場所は糸魚川から松本へかけても塩街道の沿線です。
ヒーローには、牛方の少年を配したり、死んだはずのお父が一揆のアジテーターだったり、それが主要人物です。
松本藩が塩を専売にしていて、魚津の問屋が藩の役人と結託して、売値を左右していた。
そんな無茶苦茶な、新日本出版社の本だから、イデオロギーに沿った状況設定はしょうがないとしても
ほんまに専売制はそれほど強固なものなのかしら。
状況設定はともかくも、牛方の群像は気持ちのええ描き方で共感が持てます。
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