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<【台湾ブログ】日本へワーホリ、過剰な期待は持たないように!>
これは、中国のブログへのポータルサイトに掲載されていた一項目です。
<ワーホリ>ここでの意味は<ワーキングホリデイ>を指しています。
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Wikipedia によると、ワーキング・ホリデー (Working Holiday) とは、二国間の協定に基づいて、青年(18歳~25歳または30歳)が異なった文化(相手国)の中で休暇を楽しみながら、その間の滞在資金を補うために一定の就労をすることを認める査証及び出入国管理上の特別な制度である。
日本政府とワーキング・ホリデー査証(ビザ)に関する取極又は協定を結んでいるのは発効順にオーストラリア、ニュージーランド、カナダ、韓国、フランス、ドイツ、イギリス、アイルランド、デンマーク、中華民国(台湾)、香港の11か国である。
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わたしが<ワーホリ>と聞いて、真っ先に頭に浮かぶのは<ワーカホリック>働き過ぎ中毒です。
それぞれの環境が違うのに、言葉の短縮をしたので、意味するものが違うことになってしまったのです。
わたしには<ワーキングホリデイ>などには関心がないし
【台湾ブログ】のひとは、<ワーカホリック>など聞いたことがない、まっすぐ<ワーキングホリデイ>に注目しているためです。
むやみに言葉を縮めると、ひとによっては意味を取り違えることがある例です。
「天使の報酬」真保裕一 講談社
外交官黒田康作のシリーズです。
ブライトン製薬が話の展開の端々に出てくるので、テレビドラマの原作だろうと読み始めました。
違うがな、TVドラマとは別のお話しだ。
サンフランシスコ、女子留学生が財布を盗んだというかどで逮捕された。
釈放後、偽造パスポートを使って日本へ帰国していた。
この関連で、黒田に帰国命令が出る。
ボリビアのテロリストが関係しているんですよ。
退職した高級官僚や引退した政治家などが絡んできます。
研究センターから培養されている病原菌が盗まれます。
ジェットコースターのように、展開はあっちこっちへ転がって、落ち着いてストーリーを吟味しているゆとりなどはありません。
だしぬけに、サンフランシスコへ行くように命令されます。航空会社の飛行機ではなく、プライベートジェットで。
サンフランシスコで総ては収束します。
外交官黒田康作のシリーズとしては、「アマルフィ」「天使の報酬」「アンダルシア」
「天使の報酬」はTVドラマ「外交官黒田康作」の原作ということになっていますが、一部シチュエーションは重なってはいますが、別のストーリーでした。
出雲神仏を巡拝するとき、出雲平野の南にそびえる山が見えております。
神名火山で、普通の表現では甘奈備山、かんなび山です。
尼子時代に仏経山と名前が変わったのだそうです。
短時間で登って降りられる山です。
背後から舗装路はありますが、正面から歩いて登るべき山です。
「神歌」山下卓 徳間書店
コロンビアはコカインの産地で、コカインをめぐって、マフィアの戦いにとってかわって、政権派、反政権派の内戦にまで嵩じております。
地雷で足を失って、義足の少女がダンスカンパニーを編成して、政府派遣の公演が日本であります。
ここでネタバラシ、義足のなかにコカインが隠されています。某国大使館で少女たちはセックス接待に供されます。
主人公はフランス外人部隊上がりの傭兵、ぼちぼちオフィス勤務を勧告されております。
コロンビアから日本への飛行機のなかで少女のひとりと席が隣り合わせだったのが縁、少女救出に立ち上がります。
対立軸は裏神道、七生舞の会、日本でのコカインの窓口なのだ。
傭兵仲間で、気の合うやつが、正体不明、七生舞の会の所属するのか、脱退して反乱を起こすのか、そこんところは不明です。
警視庁公安の警部で高校の同級生がいたり、傭兵仲間の未亡人と思いがかなったり、脇役もたくさん出てきます。
カテゴリーとしては、ハードボイルドであり、国際謀略であるわけです。
馴染みのない世界に読者を引き込んで、あっちこっちと連れ回すところに作者の腕が要求されます。
冒頭で一発かまして、わけが解らないまま引き摺り回されるのも、読み手として、けっこう快感です。
囲炉裏の月例会に参加して、翌朝、岡山県の児島半島を一周しました。
もともと、予定では平地を大きく周回するつもりでした。
出発して間もなく、コースを間違えていることに気が付きました。
このまま行けば由加山に登ることになる。
由加山とは児島半島で一番高い山です。
ま、ええか、ヒルクライミングもそれはそれで面白い。
由加神社と蓮台寺は参拝したことがありますが、自動車で横づけしたわけです。
それなりの石段を登って参拝するのが本来の参拝というものでしょう。
あとは海岸に降りて、ゆるゆると自転車を漕いで行けばええのです。
今回、トンネルが多かった。産業道路のトンネルは気味が悪いね。
ちゃんとランプを効かせましたよ。
山と海、変化が多くて、なかなか面白かったです。
http://sherpaland.net/bike/2011/bike-110714-kojima_hanto/bike-110714-kojima_hanto.htm
近畿の山に登ってきました。
囲炉裏の月例会があって、それは夜、昼間に登ってきました。
白旗山は白旗山城跡として有名です。
専守防衛の城で、小人数で防御する、ということでしたが、それにしては異様に広いよ。
山頂の広場に数千人の軍勢が収容できるぞ。
登山対象の山としてどうか、じゅうぶん堪能できます。
登山口と下山口を別にして、自転車で繋ぎました。
自転車のコースとしても面白い。
なかなかの山で、お勧めです。
ポータブルのポンプ、自転車ショップで買ったり、ホームセンターで買ったり、これっちゅうものがありませんねぇ。
「かめとのろのろ」という名前の自転車ブログで、
http://tyakka.blog53.fc2.com/
これが一押しとポンプを推薦していました。
LEZYNE(レザイン) PRESSURE DRIVE M BLACK 57-4304000502
価格: ¥ 4,200
すぐさま、アマゾンに発注しました。これが日曜日。
今日、月曜日、配達されました。早いねぇ。
ええと、効き目、評価、これなんですがね
もっと劇的に効き目が出るのだろうと期待していました。
やっぱり手押しポンプは手押しポンプだ、シコシコと押し続けるしか方法がないようです。
テストでは判定できませんね、パンクの現場で値打ちを出すか、どうか、その場まで判定待ちです。
連合自治会のHPのメンテナンスを助けてほしい、とSOSがありました。
理事会で提案がありましたが、だぁれも応じるひとがいません。
それでは、わたしが乗り出すしかないだろう。
わたしがやります。
HPは、契約があるので、来年3月までは外注先がメンテを続行することになりました。
それでは、ブログのほうを手伝おう。
ブログはアメブロで運営しております。
アメブロでのやりかたは知らないなぁ。
わたしもアメブロの会員になって、ブログのアップや記事の編集について稽古しました。
さて、それでは指導、ここはこうして、こうしたほうが見栄えがするよ、テキストはこのように入れて。
ちゃんと事務局のちからでブログのアップができました。
スキルの伝授をするつもりですが、難なく、伝授は成功することでしょう。
どんなURL?
そこは内緒、地域住民が見るだけのものなんです。
「感染遊戯」誉田哲也 光文社
さわやか誉田と血まみれ誉田がありますが、これは、どっちでもない、まんなか誉田でした。
姫川玲子警部補のシリーズに脇役でちょいちょい登場する勝俣健作警部補、通称ガンテツですが、かれが主人公のお話しです。
今回、姫川玲子警部補は脇役にまわっています。
退職後の高級官僚が次々と殺される、大怪我を負わされる事件が続きます。
ネタバレ承知で進めて行きますが、Unmask your laughing neighbors というインターネットのホームページがあります。
ここに、退職官僚の個人情報が曝されている。生年月日、学歴、省内のポスト、居住地の遍歴、顔写真。
このサイトに、情報提供重要人物として指名されると、たちまち情報が集まって丸裸になる。
これ以上粗筋を語るのは止めにします。
最初の3篇は独立した短編集なんだなと思って読んでいきました。
最後の1篇は本の半分以上なので、長い中編なんだろうな、と思って読んでいきました。
最初の3篇は伏線でした。最後の篇で集中して全部が明らかになる、そういうものでした。
いつ、血まみれ誉田に展開するのかとビクビクしながら読み進めました。
着想、事件は血まみれですよ。描写は血まみれを避けている。
光文社の編集者も、血まみれの評判が悪いので、そこは誉田哲也に伝えたみたい。
そう、それが編集者の仕事です。正しい方向へ誘導しております。
「トッカンVS勤労商工会」高殿円 早川書房
トッカンの鏡が訴えられた。滞納した税金を過剰に請求したので、滞納者が自殺した、原因を作ったのは税務署員個人だ、と指名して訴訟を起こされたのだ。
勤労商工会の弁護士・税理士が訴訟に介入してくる。
勤労商工会と書いてあるが、民主商工会、民商を思い出してくればよろしい。
トッカンが裁判に手を取られているうちに、自己破産しそうな会社が裁判所に申請しそうな気配がある。かろうじて食い止めて、滞納している税金を回収する。
これはトッカン付きのぐー子のお手柄。いつも、やりこめられて、ぐー、と声を出してしまうので、トッカンからぐー子とあだ名をつけられてしまった。
別の滞納者に差し押さえをかける、意外なところに隠し金庫があります。
ここは読んでね。ネタバラシはしませんよ。
そうそう、訴訟の件、反撃して無事治まりました。滞納の税金もぶじ回収できました。
なぜ訴訟に勝ったのかって?そこも読んでね。語ればネタバラシになるからね。
この「トッカン」のシリーズ、早川書房のミステリマガジンに連載中なんだそうです。
いずれ、「トッカン」3冊目が出るだろうね。ひいきにしよう。
「トッカン 特別国税徴収官」高殿円 早川書房
現役の当時、経理でしたから税務署との縁はなんぼでもあります。
幸いなことに、期間利益を争う程度の傷で、翌期認容、当期と翌期を通算すると、、行って来い、税金の早払い程度の指摘でした。
それでも、税務署国税局から来るのは調査官、ここの主人公の徴収官とは接点がありませんでした。
ヒロインは特官付き、ヒーローは特官、滞納している税金を取り立てるのが仕事です。
抜き書きしますね。
そちらに拒否権はありません。徴収法第145条により、ただいまの時刻より滞納者、およびその第三者、同居の親族・代理人などの、この部屋からの、出入りを禁止します。
これは、いよいよ差し押さえを執行するとき読み上げる宣言書、ここからは、徴収票=差押えの紙をべたべた貼って行く段取りになります。
続けて、抜き書きします。
国税徴収法は、日本の法律で最高の強権であることを知っている人間は少ない。しかし、その実態は驚くものだ。なにせ、裁判所の令状などいらないのだから。問答無用でおしかけていって、金を強奪しても(もちろん、滞納者相手にである)なんの手出しもできない。滞納者を守る権利は、なにひとつない。滞納したら最後、彼らはわたしたちにただやりたいほうだいにもっていかれるのみなのだ。
恐ろしいお話しだね。
いえいえ、コメディーなんです。見開き2ページ、かならずどこかにくすぐりがあります。
そのくすぐりの的確なこと、税金を取るおはなしなのに、徴収官のほうに感情移入してしまいます。
がんばれよ、税金の滞納者にがつんとやってくれ。
出雲神仏で出雲を駆け回っていましたが、日御碕神社で全部終わりました。
出雲大社から日御碕まで自転車で走りました。
単純な往復に終りました。
島根半島を山越えして北の海岸に出て、ふたたび出雲大社まで山越えする予定でした。
その県道を見上げると、ループ橋になっています。
やめじゃ、そんなにキツイ坂道は登る気がしない。
止めて、平凡な往復にしてよかったです。
天気予報の通り、雨が降り出しました。
早めに切り上げたので、雨にも遭わず無事帰れました。
http://sherpaland.net/bike/2011/bike-110706-hinomisaki/bike-110706-hinomisaki.htm
出雲大社から始まって、出雲神仏を全部巡りました。
信仰の情熱から、というのではなく
風土を味わいたい、というのが動機です。
経巡ってみて、出雲は、素盞嗚尊と大国主命の国だなぁ、と感じ入ります。
スサノオが外来神、オオクニヌシが内在神、今では両方とも土着の神さまですよねぇ。
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
覚えていますか、一世を風靡したサラダ記念日です。
ふと思い出しました。
ちょうどよく七月六日に思いだすとは、あまりにもピッタリで、思いだした偶然に驚いています。
<万智の一人百首>
http://www.gtpweb.net/twr/sakuhin.htm
「今日も森にいます。東京チェンソーズ」青木亮輔+徳間書店取材班 徳間書店
サブタイトルに、若者だけの林業会社、奮闘ドキュメント
東京都檜原村で、若者だけの林業会社を立ち上げて、経営するお話しです。
青木亮輔は東京農大農学部林学科卒、ただし、大学生活の大部分は探検部で送っていた。
林業なら若者の競争相手も少ないし、生きる世界はそこにある、と檜原村森林組合に入れてもらった。
半年間の臨時労務者、失業対策の事業での就職である。
体力をアピールし、さらに半年の延長雇用を得て、欠員が出たので、常勤の日雇い労務者に採用された。
待遇改善を要求しても、一部の労務者だけ優遇するわけにもいかない。
会社を作って独立したほうがええ、青木を代表にした林業事業体「東京チェンソーズ」を設立した。
ここからお話しは始まるのですが、ほぼ順調に成長していくお話しです。
「無花果の実のなるころに」西條奈加 東京創元社
西條奈加の作品は、時代小説が多いのですよ。
パラレルワールドで現代と過去とがイケイケで繋がっているのも含めてですがね。
これは現代版、うんと違って中学生が主人公です。
父と母は北海道へ転勤して、祖母とふたりで暮らしています。
暮らしている場所は神楽坂、そう、祖母はむかし芸者だったのです。
短編集で、六篇が連作で連なっております。
表題作の「無花果の実のなるころに」無花果はいちじくと読みます。
これは、なりすまし詐欺のおはなし、詐欺の手口は単純で、表題作にするほどのもんじゃないね。
犯人をかばって自分が犯人だと名乗るおはなし。
学園祭で絵が破られるおはなし。
なりすまし詐欺。
遺産相続のおはなし。
ともだちの出生の秘密。
イケメンであるがゆえの副作用のおはなし。
ある篇では中学生が、ある篇では祖母が、解決していくおはなしです。
日本語版で中国のポータルを探るなら
■サーチナ、Searchina
トップページからではなく、ミドルメディアから入ったほうが有益です
■レコードチャイナ、レコチャイ、レコチャ、RecordChina
レコードチャイナオリジナルは利用しにくい
リライト版があります、そっちのほうが把握しやすい
レコードチャイナの記事一覧 - エキサイトニュース
http://www.excite.co.jp/News/source/Recordchina/
サーチナ、レコードチャイナ、URLは紹介しません
自分で検索して、入って下さい
ただし、これは前提条件ですが、中華民族の感情で、中国国家の利害得失で、ニュース編集してあります
安易に丸呑みしないように
一部分はピックアップしながら、大部分は読み捨てていく、という批判的な読み方が重要です
国民感情、民族感情を探るのが目的だと思ってください
市井雑談、コネタなどに、思いがけない拾いものがあります
「偉大なるしゅららぼん」万城目学 集英社
しゅららぼんはしゅららぼん、シュランボンではないし、モランボンとはなんの関係もない。
琵琶湖のほとり、石走の街に日出一族の本拠がある。城跡のお屋敷なのだ。そこへ一族の優れた子は集められる。
石走高校に入学してみると、同じクラスに棗がいた。
日出一族と棗一族は、長年対立していたのだ。
もともとこの城の城主は速瀬、日出家が明治以後に城を買い取ったものなのだ。
現在、速瀬家の当主は石走高校の校長をしている。
その校長、速瀬が、三日以内に城から出て行け、日出一族は琵琶湖の土地から立ち退くように、と申し渡す。
日出家の当主は速瀬のちからで固まってしまった。
同じことが棗家でもあり、棗家の当主も固まってしまった。
さぁて、これからは、ということですが、ここからは粗筋は公開しません。
万城目学は、ストーリーテラーで、この先のお話しはどうなるの、読み手の先読みの裏を行って、ページをめくるたびに驚きです。
「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」「プリンセス・トヨトミ」どれも驚きビックリの作品で、気に入っております。
6月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2952ページ刑事さん、さようなら
警察小説に、正義の警察官と悪い警察官の二種類がありますよね。これは悪い方の警察小説です。刑事が自殺したのが一件、身元不明の殺人事件が一件。埼玉県警田舎町の警察です。なにが悪い警察官か、捜査しているうち、殺人事件の犯人は自殺した警官とわかってきます。ここは隠さなきゃ、署長、課長、ホンチョウも絡めて、なかったことに、伏せることにします。悪い警察小説でも、そのまま終わるわけじゃない。意外な反撃があって、警官は復讐されることになります。陰湿な警官たちと思うでしょ。悪い警官なんですが、おもわず、応援してしまうのです
読了日:06月30日 著者:樋口 有介
お順 下 勝海舟の妹と五人の男
幕末の京都は攘夷攘夷で、象山は幕名により開国を説きに京都に行く。攘夷浪士に襲撃されて象山は亡くなってしまう。そのとき、お順は母親の病気見舞いで江戸にいた。そのまま佐久間家に帰る時機を逸してしまう。官軍の江戸攻撃、勝海舟の斡旋で無血開城となるが、反乱軍が上野にたてこもる。そのとき、屋敷を守ってくれたのが、村上俊五郎、俊五郎に島田虎之助の面影を見てイチコロとなる。俊五郎の嫁のような、情婦のような、ちゅうぶらりんの状態が続いて行く。大酒のみで女にだらしない生活能力のない人間だった。最後は海舟が離縁状を付
読了日:06月28日 著者:諸田 玲子
お順 上 勝海舟の妹と五人の男
勝麟太郎には年の離れた妹がいる、名前が順。父が勝小吉、小普請組の御家人で、小普請組とは出仕する仕事がない状態です。そこで放蕩な暮らしで過ごしております。麟太郎が通っていたのは島田虎之助道場で、お順は島田虎之助に心を奪われてしまう。それは、お順、八歳、島田虎之助、三十歳のころのお話し。お順十六、島田虎之助四十のころ、ふたりの心は通うようになっている。虎之助は結核を患い、祝言を前にして、死んでしまう。佐久間象山が麟太郎の塾をたずね、佐久間家と勝家は知り合いになる。麟太郎のすすめで、お順は佐久間象山に嫁入りする
読了日:06月24日 著者:諸田 玲子
やさぐれ
やくざの三下、使いっぱしり、まだ杯をもらっていない若者が主人公です。読み始めは、毎度おなじみのやくざ話し、ちょっと違うな、短編それぞれにゲストがいるのだ。ゲストにおかしみがあるのですよ。ゲストの毛色が変わっているから、お話しの色合いが様々で、そこがええところです。三下がいて、兄いがいて、セットでお話しが進んで行く。品川新町と品川北宿にそれぞれやくざの親分がいて、抗争を重ねている。老舗のやくざが北宿、新興のやくざが新町、三下は新町のやくざの世話になっている。やくざ立身出世物語だと思うでしょ、最終篇で堅気に戻
読了日:06月18日 著者:犬飼 六岐
蛻
尾張徳川家の江戸屋敷に町人の町があります。東海道の宿場町を模して、ざっと一町(110M)の長さで、70人の住人が住んでおります。無理に掻き集めた住人で、三年経てば、褒美の50両が貰える約束です。目的は、殿様の座興のため、将軍家や大名を接待するため。客が見物にさしかかると、立ち退きぃ、と声がかかって、全員家を空っぽにして隠れなきゃならない。蛻(もぬけ)の殻(から)、この状態から題名を思いついたのでしょうね。客は、店先や座敷を掻き回して、下々の暮らし様、商売の有り様を手に取って、バーチャル下々を堪能するわけで
読了日:06月17日 著者:犬飼 六岐
書店員の恋
書店員を題材にした小説なら、惨めな結末を迎えたり、不倫不幸になることは、ゼッタイにないとだろうと確信して手に取りました。書店員を弄ぶお話しなら、書店で邪険にされて、そもそも売ってもらえないだろう、そりゃそうですよね。書店員、不安定なコック志望の青年と恋しています。書店のセールスで、ケータイ小説の作家と知り合いました。さて、これからどうなるか、という展開ですが、これがテーマなんですね。ともだちは、結婚は愛よりも金、という立場、ヒロインは結婚は愛、という立場、結局、ともだちも愛のほうを選ぶのですね。で、どっち
読了日:06月12日 著者:梅田 みか
古道具屋 皆塵堂
古道具屋で修行を積むお話しです。主人公、古道具屋の長男は幽霊が見えるのです。次男が稼業を継いでいたが、亡くなったので、戻されてきました。ただし、他人の古道具屋で修行を積んでこい。その修業先が皆塵堂、小店で売るものは汚いものばかりで、こんなところで修行になるのか。曰くのある店で、幽霊が見えてきます。「道具屋には向かない男」「鰻の住み処」「鈍刀が切る縁」「その娘はやめておけ」「猫屋敷に棲むもの」幽霊はなしで、気味が悪いのは「鰻の住み処」夜なかに読んだのでぞっとしますね。怖いお話しだけではないのですよ
読了日:06月11日 著者:輪渡 颯介
囲碁小町 嫁入り七番勝負
薬種問屋の娘で、碁が強く、囲碁小町と呼ばれております。御典医の隠居と碁を打って、容赦ない勝ち方をしました。孫の嫁にきてほしい、囲碁の七番勝負をして、負ければ嫁に来てほしい。御典医と薬種問屋、断れば角が立つ、勝てば嫁入りの話しは流れるのだ、受けて立とう。中編小説が7本です。対戦相手はどれも段位にして上位者です。そこを互先、平手で打つのが条件です。3勝3敗、最後の章で勝負が決まります。勝ったか負けたかは語らないでおきます。囲碁の打ち方を知らないでも読めますが、そりゃぁ、知っていればより深くお話しが納得できます
読了日:06月09日 著者:犬飼 六岐
下町ロケット
ビジネス小説には、悪いやつはとことん悪くて、気の毒で読み続けられなくなるものもたくさんあります。その点、これはどこまでも希望の持てるお話し、予定調和で大団円に向かって行きますが、予定調和でなにが悪い、こういうものを求めているのです。ロケット発射が失敗して、責任を負わされて、退職して、研究者から父の町工場へ転職します。あれから十何年、町工場は高い品質で知られる会社に育っています。いやぁ、面白い。上場企業がきりきり舞いする、銀行が高姿勢から一転卑屈になる、天下の帝国重工がロケットを飛ばせなくなる。爽快なお話し
読了日:06月08日 著者:池井戸 潤
爆破屋
父親が死んで借金がしこたま残っていた。逃げ出して、アメリカへ渡った。ボブ爺と知り合った。ビルを爆破解体するプロだった。頼み込んで弟子入りした。一緒にアメリカのあちこちでビルを爆破してまわった。ほんのちょっとのスピード違反をした。無免許、速度違反、不法滞在、国外退去処分で日本へ追い返された。日本で爆破の腕を売り込んで、地上げしたビルを爆破解体する仕事にありついた。これ以上、お話しの筋書きをなぞるのは止めておきますね。おまけ、ダイナマイトは威力が強い順に「松」「桜」「榎」「梅」などの優雅なネーミングの等級に分
読了日:06月07日 著者:原 宏一
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