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「ガイシの女」汐見薫 講談社
読み始めは、なんだなんだ、ちょっと英語の使える女のゴタゴタのお話しかい。
それは前振り、兄が自殺した。
兄は融資した融資先が倒産して、責任を取って自殺したのだ。
ヒロインは、転職して転職して、今はガイシの銀行にいる。
ぬくい職場だったが、鬼の上司がロンドンから赴任してきて、きわめて居づらくなってきた。
今の案件は、ロシアと日本を天然ガスで結ぶシンジケートローン。
エージェント・バンク、ブックランナー、金利がLIBOR+xポイント、著者は業界事情に詳しいなぁ。
手数料だけ前取りしてシンジケートローンをファンドに組んで売り渡す。
えらくえげつないハゲタカ商法じゃないか。
出てくる女がどれもこれもタフなんですよ。筋骨隆々というのじゃないよ、生き方がタフなんですよ。
男はどれもこれもあくどいね。使途不明金にして懐に入れてしまう銀行重役、ロシアと日本を仲介して賄賂を取り込む国会議員、秘書。
ヒロインの活躍で、兄は自殺ではなかった、殺されたのだ。
あくどい奴らは逮捕されました。
ガイシのハゲタカ軍団は?
合法です。儲けたものがいれば損したものもいる、単なる商行為で違法ではありません。
釈然としないところもあるが、ヒロインとヒーローが結ばれるということで、大団円ということにしましょうか。
三次三山として、高谷山、比熊山、比叡尾山があります。
いままで、比叡尾山はやぶに覆われていて登れない山という認識でした。
いえいえ、最近は、やぶを刈り払って登山路があると聞きました。
登ってみました。
驚いたなぁ、城跡が全部見えるように広範囲に伐採、草刈りしてあります。
思った以上に広い城です。
これほどの城主なのに、名前が知られていない。
抱えている軍勢が城と見合っていないのじゃなかろうか。
そんなことを思いながら山を降りました。
「ナニワ・モンスター」海堂尊 新潮社
時系列を順番に入れ替えると、第2部で浪速特捜部が厚生労働省の汚職事件を摘発します。
仕返しに、浪速を経済制裁することを思いつきます。
そこで第1部、鳥インフルエンザに似た、キャメルインフルエンザが浪速で発見されます。
ウィルスの媒体が鳥ではなくラクダなんですね。
パンデミック、エピデミックを宣言して府内への人の出入りを禁止します。
そこで立ち上がるのが浪速府知事、名前は村雨知事だが、モデルはどう見ても橋本知事だねぇ。
どのようにお話しが収束するのかは書かないでおきますね。
白鳥圭輔:ほんのちょっと出てきます、田口・白鳥コンビですよね
彦根新吾:村雨知事の参謀です、イノセント・ゲリラの祝祭、アリアドネの弾丸、ここに出ているそうなのだが、印象に残っていない
斑鳩芳正:浪速特捜部をバックアップ、イノセント・ゲリラの祝祭、アリアドネの弾丸、ここに出ている
海堂尊はAiセンター、オートプシー・イメージング(Autopsy imaging、Ai)設立を説いている。
彼の小説は、Aiセンターの意義を説くために書いているのかもしれない。
「さらば銀行の光」江上剛 新潮社
どう見ても第一勧業銀行がモデルとしか思えない銀行なんですよ。
昭和52年主人公は大洋栄和銀行に入行した。入社したときは合併後なのだが、大洋系と栄和系の旧銀行は融合することなく残っていた。
順調に銀行生活を送り、貸付先の倒産、銀行内部でも使い込み、バブルの無軌道な融資にも触れ、二つの派閥の取り込みにもあってきた。
それぞれの章は事件が起きて完結するのだが、最後の2章は違う。
総会屋への巨額の融資があり、会長頭取相談役、関係する役員も含めた大量の逮捕者を出してしまう。
平成9年、広報の次長として、すべてに立ち会い、新体制を立ち上げる原案を書きあげる。
筆者は銀行にたいして、辛い見方をしており、役職上位者のモラルを問い、役職下位者の悲哀に同情している。
「危ない中国 点撃(クリック)!」福島香織 産経新聞出版
サブタイトルに、産経新聞中国総局記者福島香織の「北京趣聞博客(ペキンこねたぶろぐ)」
福島記者が北京在任当時、ブログに書いていたものです。
わたしは熱心な読者でした。
北京から産経本社政治部へ転勤し、いつのまにか、退社してしまいました。
当時のブログが本になりました。
1、中国の食は危険がいっぱい
2、ちょっと危ない?趣聞集
1が80%、2が20%、中国の食品事情が詳しいです。
その中の、食の安全学(全体の50%)この中には
○民以何食為天(民は何の食をもって天と為すぞ)
○密造塩・ニセ塩による中毒
○豚肉の痩肉精汚染
○まさかと思うニセモノ食品
○食品の色と安全
○汚染される米
○牛乳および乳製品の危険性
○食用油のすさまじい実態
○食品の寄生虫汚染
○お茶の汚染
○まずくて安全でない飲料水
○あぶない街角の屋台もの
○野菜は洗濯機で洗う
○安全な食品もある
ブログで読んでいた当時は、日にちが飛び飛びで短文なので苦笑いで読めました。
まとまって本になると、これでもかこれでもか、耐え切れないね、かんにんしてちょうだい、とページをパスしてしまいました。
恐ろしいなぁ、数日旅行するなら食あたり程度で済むだろうが、住むとなったらよっぽど注意しなきゃならんだろうな。
これは去年知ったんですよ
終戦が確定したのは8月15日ではない、9月2日なんです
ミズーリ号の甲板でポツダム宣言受諾を署名して、そこで戦争が終わったのです
8月15日の天皇陛下の玉音放送は、あれは国際的にはネゴシエーションの提示でしかなかったのです
年表的に事件の羅列は知っていましたよ、しかし、それぞれの意味を知らなかった
去年知りました、調印がまだなのだから、ソ連は進撃してもええのです
可能ならば、北海道に侵攻し、東北地方も領土にしてもよかったのです
ええか悪いかの問題ではないのです、結局、ソ連は情勢判断してそうしなかったのです
日本では、8月15日が戦争が終わった日と思っていますが、それは日本だけのことです
池上彰のテレビ番組でそれを指摘され、日本と世界の食い違いをやっと理解しました
「黒の狩人」上下巻 大沢在昌 幻冬社
北の狩人、黒の狩人、狩人シリーズ、新宿署の組対刑事佐江警部補が主人公です。
公安の事件にマルボウ刑事が駆り出されて担当させられた。
中国人が次々と死んでいる。共通点は脇の下に入れ墨がある。○山と入れてある。
五岳聖山、中国の名山の名前が入れ墨してある。
本庁の公安、外務省、中国大使館の公安部門、入れ混じって介在してくる。
「俺の悪い癖でね。世の中を、まっとうな奴とそうでない奴にすぐ分けてしまう。中国人はその見極めが難しいんです」
「まっとうでない人間には厳しく接する、ということですか」
「そういうこととはちがいます。何というか、まっとうでない人間のほうが、まっとうな人間より接しやすい。気楽に話したりできる。同じ側の人間だと思えるんです」
「同じ側---」
「もっと簡単にいいましょう。犯罪の加害者とその予備軍がこちら側で、あとはすべて被害者かその予備軍です」
由紀はあきれた。
主要登場人物のリストが上巻では22人、下巻では27人、誰が誰やら、時々混乱します。
「公安捜査というものは、刑事捜査とは異なります。刑事捜査においては、情報の共有は原則です。しかし公安捜査においては、各人が各様のパイプ、すなわちエスをもち、独自の動きをする。そこから得た情報は、本人が必要と判断したときのみ、共有物となるのです。水森がいかなる状況にあるとしても、自己責任に負うところが大きい、と私は考えています」
「公安じゃなくてよかったですよ」
いって佐江は立ちあがった。これ以上話してると一条を殴りそうな気がし始めていた。
交渉で双方の見解が違っていても、どこかで妥協点を探さなきゃなりません。
そのポイントのことを落としどころと言います。
政界から発した用語でしょうか。見積もり価格競争から由来する言葉でしょうか。
昭和の末期のころには耳にしたように思います。
江戸時代や明治大正のころには無かった言葉だと思います。
英語では、common ground と言うようです。
ただし
「ニューロサイエンスとマーケティングの間」、ここのブログには
http://d.hatena.ne.jp/kaz_ataka/20110717
「落としどころ文化と積み上げ文化」
こういう項目があって、日本文化では落としどころは共通認識ですが
欧米文化、日本以外のアジア文化では、落としどころの概念がないのだ、そう語っています。
1981年昭和56年の曲です。
30年も前の曲ですが、ラジオで聞いて、今でもマッチする曲じゃないか。
表面と内心が同時に流れているなんて、なかなかの作りです。
シュガーが歌っていますが、その後、だれもカバーしていない、だれか歌ってくないだろうか。
「四色の藍」西條奈加 PHP
四色の藍と書いて、よしきのあいと読みます。
いつもの西條奈加ワールドじゃありません。普通の時代小説です。
藍染め屋の女房ですがね、亭主が殺された。
阿波徳島で、兄が殺された。仇を追って江戸へ妹が走ります。
四色の藍とは四人の女なんですよ。亭主の仇を求める女、兄の仇を求める女。
手助けするのが二人、亭主に二度も苦界に売られた女、洗濯女のばあさん。
この背景には、阿波藩江戸家老の賄賂まみれが絡んでいるのです。
お話しの展開ぶりは、書きおろし時代小説文庫の語り口と似たようなもんです。
いつもの西條奈加なら、どこへ話しを運んで行くの、と時代小説ファンタジーですが、そうではないよ。
山本一力さながらの、商家のありよう、市井の息遣いを味わう、ええ、味わってください。
メインじゃなくサブのPC、前々からDVDがおかしくなっていました。
CDは読むんですよ。DVDはどうしても読まない。
HELPで探ってみても、救済策はチンプンカンプンでどうにもならない。
しゃぁない、USB接続のDVDドライブを買いに行くか。
このDVD、PCにどのように接続するのですか。
これはTVにつなぐものです。PC接続のDVDはこっちです。
そうなのか、TV接続とPC接続と2種類あるとはしらなかった。
これ下さいな。
無ければ無くてもええDVDドライブ、どうしても必要とはヘンでしょ、それはね。
地域の連合自治会のHPの応援を志したんですよ。
画像ソフトが必要、わたしの使っている画像ソフトが Paint Shop Pro 7J
最新のバージョンが Paint Shop Pro X3
Jasc からの発売だったのが、会社ごと身売りして、今の会社は COREL
バージョンが進み過ぎて、どう扱えばええのかわかりません。
とりあえずは、わたしの持っている昔のバージョンで対処してね。
折角買ったんだもの、この新しいバージョン、なんとか使えるようにしなければ。
そこで自宅へ持って帰って、どうやれば使えるか、練習しようというわけなんです。
で、DVDドライブを買ってきた、ということです。
あのね、質問があるのだがね
サブのPCのDVDドライブが不調だろうと、メインのPCのDVDドライブは順調なんでしょ、どうしてそっちにインストールしないの?
メインのPCで Paint Shop Pro の環境を変えるなど、そんなことはしたくない。
テスト、冒険はサブのPCでやります。メインのPCに影響は及ぼしたくない、からです。
「グランプリ」高千穂遥 早川書房
自転車レースでもプロの競輪のお話しです。
師匠と弟子がいたり、地区別に対抗したり、レースの組み立てを仲間と相談して、ペースを作ったり、敵を妨害したりするわけです。
車券が発売されないロードレースに出場することもあるのだそうです。もちろん、アマチュアレース。
競輪場に入ったこともない、車券を買ったこともありませんが、読んで面白かった。
剣豪小説と同じノリなんです。柳生十番勝負、そんなお話しと展開は似ているなぁ。
日本選手権競輪
高松宮記念杯競輪
博仁親王牌・世界選手権記念トーナメント
読売新聞社杯全日本選抜競輪
オールスター競輪
朝日新聞社杯競輪祭
KEIRINグランプリ
各レース毎に章がわかれています。
それぞれの章で、各地の競輪選手が主人公であらわれます。
最後のKEIRINグランプリ、これは別格、出場選手が平等に登場します。
このレースで誰が勝ったのか、そこは書いてありません。
shinwaさんのブログに驚くべき記事がありました。
紹介します。
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セメント協会は毎月記者会見を開いています。
7月の記者会見の内容は
かなり前から、世界のセメントの結構なシェアを中国が占めてきたが、2009年でのセメント消費量がなんと55.4%に至った。成長著しいインドは6.2%、韓国1.6%、我が日本は韓国に次いで1.5%、それ以外のアジアは11.8%、ヨーロッパ全体では11.1%、アメリカ7.7%であった。
そして専門紙の記者から中国がセメント消費量の半分を占めていることについてどう考えるのかと質問が及んだときに、広報担当理事は、「驚異だ。こんな状態は見たことがない」と1つの国が大部分を占める状況に驚きを隠せなかったという。
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スゴイな。ビルを建て、鉄道を敷き、高速道路を延長しているのです。
中国経済が停滞したら、えらいことになる。
国内需要に依存していたセメントが一挙に世界中に流れてくることになります。
その時は、世界はどうなることやら。
これは短い紹介ですから、本人のブログで確認してみてください。
「(新)第三の隣人 中国朝鮮族」
http://shinwa2010.exblog.jp/16067035/
「禁猟区」乃南アサ 新潮社
警察官内部を対象にする監察官のお話しです。警務部人事1課が監察を所管する部署だ。
○禁猟区
ホストクラブで賄賂を取って、ホストに注ぎ込む所轄の巡査部長
ばれたきっかけはネイルの付け爪
○免疫力
癌に効くという民間療法、自分でも効果があったので、やくざの組長にも教えてやった。
彼にも効果があって、癌患者向けに商売を始めた。リベートが生まれる。
ばれたのは、留置場にいた病人がクスリを求めたから。
○秋霜
捜査能力はまるでダメなのに、新聞記者に捜査内容を漏らす刑事がいる。
時効が完成する直前で、目を付けた容疑者に、偽の物証を作り上げようとする。
○見つめないで
前の3篇は監察対象の警官がお話しの主人公。
これは、警務部所属の女性監察官がストーカー被害にあうお話し。
野球のインニングの表裏みたいなお話しだなぁ。
7月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:3330ページ
ナイス数:57ナイス天使の報酬
外交官黒田康作のシリーズです。ブライトン製薬が話の展開の端々に出てくるので、テレビドラマの原作だろうと読み始めました。違うがな、TVドラマとは別のお話しだ。サンフランシスコ、女子留学生が財布を盗んだというかどで逮捕された。釈放後、偽造パスポートを使って日本へ帰国していた。この関連で、黒田に帰国命令が出る。ボリビアのテロリストが関係しているんですよ。退職した高級官僚や引退した政治家などが絡んできます。研究センターから培養されている病原菌が盗まれます。ジェットコースターのように、展開はあっちこっちへ転がって
読了日:07月24日 著者:真保 裕一
神歌(カミウタ)
コロンビアはコカインの産地で、コカインをめぐって、政権派、反政権派の内戦にまで嵩じております。地雷で足を失って、義足の少女がダンスカンパニーを編成して、政府派遣の公演が日本であります。ここでネタバラシ、義足のなかにコカインが隠されています。某国大使館で少女たちはセックス接待に供されます。主人公はフランス外人部隊上がりの傭兵、ぼちぼちオフィス勤務を勧告されております。コロンビアから日本への飛行機のなかで少女のひとりと席が隣り合わせだったのが縁、少女救出に立ち上がります。対立軸は裏神道、七生舞の会、日本での
読了日:07月21日 著者:山下 卓
感染遊戯
さわやか誉田と血まみれ誉田がありますが、これは、どっちでもない、まんなか誉田でした。姫川玲子警部補のシリーズに脇役でちょいちょい登場する勝俣健作警部補、通称ガンテツですが、かれが主人公のお話しです。今回、姫川玲子警部補は脇役です。退職後の高級官僚が次々と殺される、大怪我を負わされる事件が続きます。ネタバレ承知で進めて行きますが、Unmask your laughing neighbors というインターネットのホームページがあります。ここに、退職官僚の個人情報が曝されている。生年月日、学歴、ポスト、顔写真
読了日:07月11日 著者:誉田哲也
トッカンvs勤労商工会
トッカンの鏡が訴えられた。滞納した税金を過剰に請求したので、滞納者が自殺した、原因を作ったのは税務署員個人だ、と指名して訴訟を起こされたのだ。勤労商工会の弁護士・税理士が訴訟に介入してくる。勤労商工会と書いてあるが、民主商工会、民商を思い出してくればよろしい。訴訟の件、反撃して無事治まりました。滞納の税金もぶじ回収できました。なぜ訴訟に勝ったのかって?そこは読んでね。語ればネタバラシになるからね。この「トッカン」のシリーズ、早川書房のミステリマガジンに連載中なんだそうです。いずれ、「トッカン」3冊目が出る
読了日:07月09日 著者:高殿 円
トッカン―特別国税徴収官―
ヒロインは特官付き、ヒーローは特官、滞納している税金を取り立てるのが仕事です。抜き書きしますね。そちらに拒否権はありません。徴収法第145条により、ただいまの時刻より滞納者、およびその第三者、同居の親族・代理人などの、この部屋からの、出入りを禁止します。これは、いよいよ差し押さえを執行するとき読み上げる宣言書、ここからは、徴収票=差押えの紙をべたべた貼って行く段取りになります。続けて、抜き書きします。国税徴収法は、日本の法律で最高の強権である。しかし、その実態は驚くものだ。なにせ、裁判所の令状などいらない
読了日:07月07日 著者:高殿 円
若者だけの林業会社、奮闘ドキュメント 今日も森にいます。東京チェンソーズ
東京都檜原村で、若者だけの林業会社を立ち上げて、経営するお話しです。青木亮輔は東京農大農学部林学科卒、ただし、大学生活の大部分は探検部で送っていた。檜原村森林組合に入れてもらった。半年間の臨時労務者、失業対策の事業での就職である。体力をアピールし、さらに半年の延長雇用を得て、欠員が出たので、常勤の日雇い労務者に採用された。待遇改善を要求しても、一部の労務者だけ優遇するわけにもいかない。会社を作って独立したほうがええ、青木を代表にした林業事業体「東京チェンソーズ」を設立した。ここからお話しは始まるのですが
読了日:07月05日 著者:青木亮輔,徳間書店取材班
依頼人―湯川史郎の事件カルテ
弁護士で病院の内科医を兼ねている、主人公はそういうキャラクターです。短編集ですが、ひとつひとつが短すぎる。一冊に八篇も詰まっています。あまりに短いので、起承転結ではなく、起承結、どんでん返しなどなく、そのまま結末に向かって行きます。編集者の角川春樹は売れると見込んで出版したのでしょうか。これでは売れないよ。弁護士で医者、ここのところをもっとふくらませて、両方のキャラが生きるように書き込んでほしいもんです。
読了日:07月04日 著者:結城 五郎
無花果の実のなるころに
西條奈加の作品は、パラレルワールドで現代と過去とが繋がっているのも含めて、時代小説が多いのですよ。これは現代版、中学生が主人公です。父と母は北海道へ転勤して、祖母とふたりで暮らしています。暮らしている場所は神楽坂、そう、祖母はむかし芸者だったのです。短編集で、六篇が連作で連なっております。表題作の「無花果の実のなるころに」無花果はいちじくと読みます。これは、なりすまし詐欺のおはなし、詐欺の手口は単純で、表題作にするほどのもんじゃないね。ある篇では中学生が、ある篇では祖母が、解決していくおはなしです。
読了日:07月03日 著者:西條 奈加
偉大なる、しゅららぼん
琵琶湖のほとり、石走の街に日出一族の本拠がある。城跡のお屋敷なのだ。そこへ一族の優れた子は集められる。石走高校に入学してみると、同じクラスに棗がいた。日出一族と棗一族は、長年対立していたのだ。もともとこの城の城主は速瀬、日出家が明治以後に城を買い取ったものなのだ。現在、速瀬家の当主は石走高校の校長をしている。その校長、速瀬が、三日以内に城から出て行け、日出一族は琵琶湖の土地から立ち退くように、と申し渡す。日出家の当主は速瀬のちからで固まってしまった。同じことが棗家でもあり、棗家の当主も固まってしまった。
読了日:07月02日 著者:万城目 学
地デジ化で、徳島県ではアナログで10局が見えたのに、地デジ化すると、NHK2波、民放1波に変わることは有名です。
県境ではどうなんでしょう。
岩国では、広島の放送を受信するのが普通でした。
地デジ化後は、広島の放送は遮断されるのでしょうか。
福山尾道の島部では、テレビ東京系列のテレビせとうちを受信できるところもありました。
地デジでは、C-CAS カードをテレビ本体に挿入しなきゃなりません。
地域指定で、郵便番号を登録することになります。
自動的に受信可能の局の一覧が出てきます。
県外の局の受信は可能でしょうか。
放送免許は県単位なので、隣県から漏れてくる電波は受信不可となるはずです。
規定に従えばこの通りですが
実際のところはどうなんでしょう。
岩国の人々や、テレビせとうちを受信できた方々が、地デジ環境下でどうなったのか、知りたいもんです。
前々から、西城・東城を周回する計画は持っていました。
峠越えがある、落差のある峠だ、なかなか踏み切れないでいました。
えい、やぁ、行かねばなるまい。行ってきました。
この炎熱のなかですもの、ラクではないですよ、でも、そこそこガマンすれば、そんなにつらいもんじゃないです。
極めてローカルなコースなんです。
どこがメダマか、わたしの中では、ここがメダマだ、というのはあるんですが、にじみ出て伝われば幸いです。
http://sherpaland.net/bike/2011/bike-110731-saijo_tojo/bike-110731-saijo_tojo.htm
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