四色の藍
「四色の藍」西條奈加 PHP
四色の藍と書いて、よしきのあいと読みます。
いつもの西條奈加ワールドじゃありません。普通の時代小説です。
藍染め屋の女房ですがね、亭主が殺された。
阿波徳島で、兄が殺された。仇を追って江戸へ妹が走ります。
四色の藍とは四人の女なんですよ。亭主の仇を求める女、兄の仇を求める女。
手助けするのが二人、亭主に二度も苦界に売られた女、洗濯女のばあさん。
この背景には、阿波藩江戸家老の賄賂まみれが絡んでいるのです。
お話しの展開ぶりは、書きおろし時代小説文庫の語り口と似たようなもんです。
いつもの西條奈加なら、どこへ話しを運んで行くの、と時代小説ファンタジーですが、そうではないよ。
山本一力さながらの、商家のありよう、市井の息遣いを味わう、ええ、味わってください。
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