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この山を発見したのは自転車を走らせていて見つけたんですよ。
美波羅川に沿って水源地まで自転車を走らせた。そのとき、海渡町(うとちょう)で地元の登山案内を見つけました。
美波羅川の左岸に昔からの国道があったのですよ。旧国道は山と川に挟まれた左岸の崖地にあるので、右岸に国道バイパスを建設した。旧国道は市道に格下げになりました。
わざわざこんな道路を車で走らせるわけもない。自転車だから、交通の激しい道を避けて静かな道を行く気になったのです。
海渡町公会堂という建物がある。地図の看板が架かっている。背後の山は屏風山とあって、登山路の案内があります。
へぇ、こんな道があるのかい。いつかは屏風山に登りたいもんだね。
あのね、三次中央病院にしばらく入院していたんですよ。病室の窓から山の山稜が見えている。方角としては屏風山に違いない。
毎日眺めていると、次はあの山に登ろうとその気が湧き上がってくるもんだね。
その、いつか、が今なんですよ。
海渡町公会堂の前まで自動車を寄せる。うまい具合に畑で働いているひとがいます。
屏風山に登りたいのですがね、どこから取り付けばええのでしょうか。
屏風山はのぅ、今見える稜線から登るんじゃないんよの。稜線の向こうに谷がありましょうが。その谷から登り直すんじゃけぇの。
取り付きはのぅ、すぐ先にグレーチングがありましょうが、そのグレーチングのところから道を登って行きんさい。
グレーチングとは鉄格子のことだよ。溝に蓋する鉄格子のことだよ。このグレーチングから道を登って行くのだね。公会堂の真後ろに屏風山がそびえている。
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これは出だしの部分、山の様子がどうのこうの、それよりも、珍しい山を見つける糸口に着目してほしいもんです。
この山に登る登山者は、まず無いだろうと思います。
でもね、数ヶ月すると、フォロワーが何人か出て、そこそこ名前の知れた山になるだろうと思いますよ。
あっちの病院、こっちの病院、転院して、そこでのトイレのお話しなんですがね
あっちの病院、こっちの病院、どこでも、先客が使用中なら、ほかのトイレを探さなきゃならない。
洋式便器に座ってみると、便器の高さがマチマチなんですよ。
かかとが上がるほど座高の高い便器もあるし
思ったより深く座り込む便器もあります。
メーカーが違うんじゃないの? いいえ、TOTOの製品です。
数年経てばユーザーが要求する高さが違うのですかねぇ。
流行があるのですかねぇ。
そんなことないやろ。水量の節約はあっても、高さが違う流行はないだろう。
あれには製造年次は表示してありませんねぇ。探りようがない。
標準的な便器の座高というのはないのですかねぇ。
あるいは、これでやって、という病院ごとのオーダーに応じるから違いが出るのですかねぇ。
さらに疑問が湧いてくる。
ここの病棟、この部屋番号群なら、便器の高さはこれが望ましい。
このように、病院はきめ細かい管理をしているのだ。
そうなのかなぁ。とても信じられないがなぁ。
この言葉、以前に話題にしたかもしれないが、もういっぺんリピートします
基本的には、健康です、頑丈です、熱はありません、こういう内容のはずですが
意外に含みがあって、大丈夫の内容を、あなた、汲み取って斟酌して、ええように取り計らってちょうだい、こういう意味もあるようです
レシートもお付けしますか、大丈夫です、この場合は、レシートを渡してもええし、渡さなくてもええ
取るに足りない金額だから、きちんとした返事はしない
多額の支払いなら、そもそも、レシートはどうしましょう、なんて聞かない
次回の会合には参加しますか、大丈夫です、たいていはほぼ参加OKと判断されます
ほんとは行きたくないが、断れば角が立つので、とりあえず、大丈夫です、と言っておく<その場しのぎ>の人がいます
本気かどうか判断して、○のところを△にしておいたほうがええ場合があります
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このところ週末に旅行が多いので気を紛らわせるために軽い読み物をということで、○○○○を買った。
ようやく読み終わったが、誤算だったのはなんと長い小説だったということ。
電子書籍の長所はたくさんあるが、欠点があるとすれば本の厚さは見てわからないこと。
800ページを超える大作だった。
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だれかのブログから一部分をコピーして抜書きしました。
ネットで本をダウンロードして購入したことがないので、こういうことが解らないのですよ。
そうなのかい、ネットでの小説は買う前に分量がわからないのか。
そんなに長かったら、どこまで読んだか、シオリの機能は備えているのだろうな。
シオリがなければ、続きを読むたびに最初からページめくりしながら追いかけるのでは面倒でかなわない。
ほんとのことを言うと
本は紙の本のほうが好きだね。
モニターで読むのは読みづらい、込み入った文章はモニターでは頭に入らないのですよ。
「うなドン 南の楽園にょろり旅」青山潤 講談社
以前に「アフリカにょろり旅」を読んだことがあります。
これは第二作なんですが、時系列ではこっちのほうが昔になります。
インドネシアのバリ島からスマトラ島へ、うなぎを求めて、現地のひとへ頼めばカーバッテリーを使って電気ショックで魚を総取りにする。
うなぎはいなかったね。青酸化合物を撒こうとする。
タヒチに転戦する。
うなぎにも種類があって、タヒチにいるうなぎで、オブスキュラやマルモラータは既に標本を得ている。
タヒチで探しているのは、メガストマと言う種類なのだ。
マルはなんぼでも捕れるが、メガは全然捕れない。
この旅ではどんなに頑張ってもどうにもならなかった。
のちに再来したときにはメガはなんぼでも捕れた。
うなぎ養殖業のお話しではないのです。東大海洋研究所の仕事で、日本のうなぎの産卵場所はマリアナ諸島の西にあることを発見しています。
「高校生レストランの奇跡」岸川政之 伊勢新聞社
三重県多気町で相可高校というと、高校生レストランで有名です。
テレビドラマにもなりました。
その高校生レストランの立ち上げに役場の職員が関わっていたのです。
店の名前が「まごの店」五桂池ふるさと村に間借りして立ち上げたものです。
五桂池ふるさと村とは老人福祉施設、若者が出入りして、お客もいっぱい来るので、年寄にも喜ばれています。
実は、この本、高校生レストランのことばっかり書いてあるのではないのです。
五章の構成になっていますが、高校生レストランのことが書いてあるのは第一章にあります。
残りは、役場の職員岸川政之が役場の中で、役場の勤めちゅうのは面白くもないな、から、その中で面白さを探し出す過程が書いてあるのです。
「高校生レストランの奇跡」という題名より「役場職員の右往左往」こっちの題名の方がふさわしいかもしれません。
五章で、成人し、子育てしながら「まごの店」と同じような店ができないか。
「せんぱいの店」として、スーパーのテナントで店を立ち上げるのにも協力します。
「あめりかなう。」小国綾子@ワシントンDC 小学館
ここんとこ、中国事情、韓国事情に首を突っ込んでおります。
アメリカのことなんかほとんど知り尽くしている、改めて探るなんぞ必要ない。
ところが、読んでみると、実は知らないことだらけ、民草の事情、下々のことなど、びっくりすることばっかりだなぁ。
もちろん、小国綾子さんの切り口が新鮮なんです。ピックアップする対象がユニークなんです。
第1章[おかしなアメリカ人]"フシギの国"の見えないルール
第2章[文化徹底比較]日米"B級カルチャー"バトル
第3章[学校教育の現場から]子どもだってつらいよ
第4章[少年野球の世界]憧れのベースボールの国で
第5章[にっぽんあ・ちゃ・ちゃ]やっぱりおかしな日本人
どこが一番面白いか、やっぱり第5章かな。
トイレにショパンが流れる国
マンガとアニメと鼻血ブー
逆カルチャーショック
日本人は危険人物だらけ
「ハクション」か「アチュウ」か
生のナマコはクレイジー
「サスケ」を笑うな
「MBA」と「負け犬の会」
日本式宴会テクは通用しない
「キャバクラ接待」の意外な評判
日本の首相はジョークネタ
「中国 この腹立たしい隣人」辛坊治郎 孔健 実業之日本社
これはどういうことなの?と辛坊治郎が問いかけ、孔健がそれはこういうことなんだよ、と答え、さらに、辛坊治郎が突っ込みを入れるか、納得するか、コメントを述べる。
そういう段取りになっております。
序章世界中にケンカを売りまくる暴走大国の本音
第1章中国の「人」★金と色恋、かくもたくましき民族性!?
第2章中国の社会★格差・無秩序が理解のキーワード
第3章中国の政治★国内外どこもかしこももめ事だらけ
第4章中国の経済★どこまでもKY国家の自分ルール!?
どの章が一番面白かったか、目からウロコが落ちたのはどの章か、それは第1章
「海の中国」は親日派、「山の中国」は反日派
アニメ・日本文化は大好き!でも、日本人は嫌い
「出身はどこ?」地縁・血縁がすべてを決める
「人は見た目が一番」出世耳の謎
一人っ子政策が一人っ子国家を作った
ハニートラップで弱みを握る
ワイロ天国で広がる恐怖の「人肉捜索」
「拒絶空港」内田幹樹 原書房
パリのドゴール空港に着陸する時、タイヤがパンクした。
回収された破片から、二つのタイヤがバーストしたと推定される。
タイヤは全部で18個あるから、そのまま折り返し便で成田へ飛ぶことにした。
離陸後、ドゴール空港のカウンターで放射能の反応があるとわかった。
成田便に放射能物質が積まれていることが危惧される。
タイヤも怪しいし、核物質も怪しいし、対策本部は途方に暮れる。
乗客に退職した理科の教員がいて、手作りでガイガーカウンターを組み立てた。
ワインに反応があった。
核物質を積んでいるということで、どこの空港でも着陸を拒否される。
ハイジャックの可能性も考慮して、自衛隊の戦闘機が撃墜する準備をしている。
ハイジャックとはハイジャック信号を発した場合、管制を無視して着陸を図ろうとした場合、どこの空港も着陸許可は拒否されたのだ。
さて、これからどうなることやら。
「査察機長」内田幹樹 新潮社
成田NYライン、そこで機長の定期審査が行われる。
名だたる厳しいチェッカーと、教官もやったことのある老ベテラン三人で操縦する。
NYJFK空港は猛吹雪、そこへ着陸を敢行する。
審査するチェッカーがコーパイの席に座って、コーパイの職務を担当する。
チェッカーにコーパイとしての段取りを命令してやらせなければならない。
試験官は指図を受けながら、機長を観察しているのだ。
指図のひとつひとつを吟味されているのだ。
ラインのパイロットになり機長として飛ぶには、定期運送用操縦士免許を必要とする。
身体検査も年二回受けねばならない。
脳波から精神科医の問診まであらゆる検査が半日かけて行われる。
操縦技術については、操縦審査が年二回、同時に、悪天候下における計器着陸のカテゴリー別技量が審査される。
同時に、口述審査もあり、法令、規則、規定、技術についての知識も問われる。
機長路線別審査は年一回、関連空港に関する筆記試験と口述試験がある。
「パイロット・イン・コマンド」内田幹樹 新潮文庫
ロンドンからシベリア上空経由で成田行きの旅客機です。
機長がふたり、副操縦士がひとり、フライト中は常に操縦士がふたり着席していて、交代で仮眠をとることになる。
面倒な乗客がいる。イギリスから日本へ、逮捕されて手錠に繋がれている特殊乗客と刑事がいる。
フライト中にトイレにライフジャケットが隠されていた。探すと、みっつも出てきた。
第二エンジンが爆発炎上し、燃料が漏れている。
その衝撃で、機長ふたりは負傷し、残るのは副操縦士だけになった。
操縦席にはふたりいないと操縦できない。CAのなかでセスナを習っている女性がいる。
むりやり操縦席に座らせた。通信を担当し、計器の読み上げをしてもらうのだ。
新潟上空から成田へ燃料はカツカツの状態、成田空港で滑走路トラブルで羽田へ向かうよう指示された。
燃料は足りるか、足りないか。
著者は前歴がANAの機長、着陸までの50ページは手に汗握ります。
未解決なことは残っています。
手錠に繋がれた特殊乗客はだれかに殺されたらしい。
ライフジャケットは密輸に使った小道具だったらしい。
本社のだれかさんの保身、保身に成功して昇進したこと。
「再会」横関大 講談社
第56回江戸川乱歩賞受賞作。
なるほどなぁ、本格派とは言えないにしても、謎を解くことに関しては乱歩賞に値するね。
小学生が万引きしたということでスーパー店長が主婦を恐喝する。金目当て、肉体目当てなのだ。
そのスーパー店長は拳銃で撃ち殺されていた。
23年前、銀行強盗が森の中で撃ち殺され、巡査も殺されて、拳銃だけが行方不明になったのだ。
たまたま、森の探検に出かけた小学生四人は拳銃を小学校の校庭にタイムカプセルとして埋めたのだ。
スーパー店長を撃つのに使われた拳銃はその拳銃だった。
いったい、四人の中のだれがタイムカプセルから拳銃を掘り出したのか。
出だしがいやらしいのですよ。
スーパー店長が恐喝するあたりで、この小説はハズレだな、やめにしよう、と思ったが、そこを乗り越えれば、あとは爽やかに読める。
横関大、なかなかのストーリーテラーです。
「チェインギャングは忘れない」横関大 講談社
拘置所から刑務所へ懲役受刑者を護送するのだが、途中で襲撃されて、何人かが脱走した。
おなじころ、大型トラックの女のドライバーはヒッチハイクを頼まれて同乗させた。
このヒッチハイカー、なかなかの傑物で女ドライバーの息子の心を奪った。
一方、警察の動き
池袋警察署の平刑事二人の動きで警察を代表して描いている。
ま、これ以上お話しの筋書きをたどってもしょうがないのでやめにします。
結末は、あれれという類の終わり方だが、まぁ、ええじゃないか。学術論文じゃないのだし。
悪いやつが善いことをする、ピカレスクなのに、読後感はさわやか。
気持ちの負担になる、引きずるものがないところがよろしい。
「猫背の虎 動乱始末」真保裕一 集英社
大男の大田虎之助、安政の大地震で、当番方から市中見廻役に昇進した。異例である。
父親の手下だった咬みつき犬の松五郎と若い新八とが手下についた。
家に帰れば、母と出戻りの姉二人が根ほり歯ほり今日の一日をこまごまと聞きただす。
奉行所での報告を家庭でも繰り返しているようなものだ。
地震がらみの騒動で打ちこわしが発生しそうだ。
武家屋敷の門を次々と叩いて町方に加勢してくれるよう依頼する。
こんなことで、武州忍藩松平上野守の家老の知己を得る。
将軍継嗣の件で、幕閣は対立していると聞く。
あかんぼさらい
幕閣批判の読売
吉原から逃げてきた女郎
お救い米が帳面より多い
死体が盗まれた
ひとつひとつの事件は小さいが、大田虎之助、ちゃんと目を光らせて解決した。
毎晩聞き出していく母の推理もどんぴしゃり、安楽椅子探偵もそこのけ、母の指摘が大きいのです。
「素人がいっぱい」新野剛志 東京創元社
サブタイトルに「ラブホリックの事件簿」
主人公は素人専門デリバリーヘルス「ラブホリック」の店長、家では、大学時代の同級生が居候している。
彼はインド帰りのヨガ行者。
デリヘルに応募してきた女の子が殺されたというテレビ報道があってその殺されたはずの女の子に街頭で出会ったり、家出した娘がそこで働いているはずだと無理な訪問があったり、事件は、デリヘル嬢に関わることが多い。
店長と居候、どっちがホームズでどっちがワトソンか、安楽椅子探偵のカテゴリーですね。ゆるいお話しを連ねております。
言っときますが、なんぼデリヘルが舞台でも、お色気とか、業界の内幕とか、そういうものはありません。
五編の短編集です。
「大江戸釣客伝<上>」夢枕獏 講談社
津軽采女は四千石の旗本の当主、父がしくじったので小普請組という閑職にいる。
家令に教わって釣を始めた。これにはまった。
吉良上野介義央の娘を嫁にとった。
義父の運動で将軍家小姓に出世した。
時の将軍徳川綱吉、生類憐みの令の将軍なのだ。
綱吉が悪夢を見て小姓の采女を刀で斬った。
采女は小姓の職を去った。
上巻でのメインストーリーはこっちだが、上下巻通してのメインストーリーは、巻頭で土左衛門を釣り上げた、これが最大の話しの流れ。
宝井其角(芭蕉の門人)
多賀潮湖(後の英一蝶)
紀伊国屋門左衛門
水戸光圀
これらの人物が釣の好きものとして顔出しをする。
こんな文字は読めますか?
鱠残魚=キス
王余魚=カレイ
紗魚=ハゼ
「世界を創った男 チンギス・ハン 4」堺屋太一 日本経済新聞出版社
チンギス・カンは日本海からカスピ海の向こう、ロシアの版図までを領域に置いた。
南はインドも蹂躙した。
金朝、南宋も支配下に置き、現在のイラン・アフガンの地のホラズム帝国も粉砕した。
チンギス・カン最後の攻め場所は西夏、西域の入り口の国だった。
この小説は日経新聞で連載されたのだ。
書き手も事象を平易に伝えなければならないし、読み手も上質だったので、連載が成立したのだ。
堺屋太一は、モンゴル帝国をパックス・アメリカーナに比肩している。
大量報復主義、不換紙幣、手法は同一なのだ。
絨緞爆撃は米軍の手法だし、ドルは世界中に通用している。これはモンゴルと同様のこと。
チンギス・カン以前は、氏部族の並立で、カンの命令は族長を経たうえで再伝達されていった。
チンギス・カンは、氏部族を解体し、奴隷、隷属民、流亡者でも、功績があれば登用した。
中世氏部族社会から絶対王政に組み替えた。
帝国一律に法を適用し、税制、通貨、も帝国一律にした。
堺屋太一は、折々のありようを、日本の戦国時代の武将と比肩して示してくれる。
チンギス・カンのこの状態は、織田軍団の羽柴秀吉のこのレベルと似たようなもの。
武田軍団の信州での武将と比べて、このレベルのもの。
チンギス・カンと言ったり、チンギス・ハンと言ったり、どっちなんだい。
現地ではKhan、どっちも正解なんですね。
一気に読んだが、とても面白かったです。
「世界を創った男 チンギス・ハン 3」堺屋太一 日本経済新聞出版社
ブルカン山麓のキャト族の一氏族にしか過ぎないチンギス・カンが何度も対戦する難敵がある。
子供のころは盟友だったジャムカが対抗勢力を糾合している。カラトン(ウランバートル)のケレイト族のトオリル・ハンとは同盟したり、敵対したりしている。
西の果て、アルタイ山脈まで逃げた。トオリル・ハンと同盟して勝った。東の果て、興安嶺山脈の大壕を越えて金国の境界内で越冬したこともある。
ジャムカ、トオリル・ハン連合に対抗して勝った。
逃走した敵がアルタイ山脈のナイマン族に逃げたので、追いかけて殲滅した。
これで、興安嶺山脈からアルタイ山脈まで対抗する敵はいなくなった。
大急ぎで読み込んできました。
理解しやすいように整理して書き分けるのは大変なテクニックです。
残りあともう一巻。
「セカンドウィンドII」川西蘭 ピュアフル文庫
金剛ヶ峯レースで成績が良かった。
スポーツ推薦で南雲学院高等部に入った。
悪いイメージに悩まされるようになった。
肝心なスプリント箇所で路面にオイルがこぼれているような気がする。
最初は金剛ヶ峯レースのとき、校内のタイムレースでもそれは起きた。
溝口洋には、山岳に強いとか、スプリントに強いとか、突出した特徴があるわけではない。
中心メンバーから補欠メンバーに回された。
サポートメンテの仕事が中心になってくる。
カナダから留学生が来た。
アテンドの役目は洋となった。
彼らはMTB、岩に登ったり降りたり、そっちが好みなのだ。
気分転換になったのか、メンバー選考レースではトップになった。
全国大会のゴール、道がオイルで汚れているというイメージは消えた。
「セカンドウィンド」川西蘭 ピュアフル文庫
溝口洋は中学二年生、もうすぐ三年生になる。
「南雲サイクルフェスティバル」星雲杯ジュニア自転車レース、参加資格は小学校高学年、中学生。商品はロードバイク。
大部分の参加者がロードバイクに乗っているのに、洋は郵便配達の自転車、ハンディがあるのに三位だった。
それで、南雲デンキジュニアチームに誘われた。
テスト期間が三ヶ月、三ヶ月の成績でチームに加入できるかどうか判定される。
チーム内の、人を押しのけてでもという粗暴な空気に馴染めないのと、祖父の許可を得ていないのと、ふたつの理由でチームに入るのは辞退する。
田村岳に出会い、清雲峠に挑む。
清雲峠は激坂で、メヂューサの一瞥、天狗の蹴落としの難所がある。
きついヒルクライミングも登り切った。
金剛ヶ峯自転車ロードレース大会、参加するのに決死の覚悟で祖父の承認を得た。
どうやら父もサイクルレーサーだったらしい。父が死んだのも自転車と関係があるのか。
いよいよ金剛ヶ峯レースが始まるというところで、そこまで。
お話しは次巻に続きます。
「ゴールデンスランバー」井坂幸太郎 新潮社
仙台の大学で学んだ四人の仲間、今はそれぞれ社会に出ている。
青柳雅春は宅配便の運転手をしている。
配達先で襲われそうになっているアイドルを助けた。
それで有名になった。
首相が仙台でパレード中に爆弾で暗殺された。
ラジコンヘリに爆弾を積んで爆発させたのだ。
青柳の知らない、自分ではない画像がテレビに出てくる。
顔はそっくりだが、自分ではない。
青柳は逃げる。警察から逃げる。
逃げる最中に、いろいろな手助けが出てくる。
大学時代のサークルの仲間だったり、見も知らぬ人だったり。
ゴールデンスランバーとは?ビートルズの最後のナンバー。はぁて、どんな曲だったかなぁ。
読み終わってすぐもう一回も見返してみた。
最初に読んだときは湯気で曇ったガラス越しのお話しだったが、二度目は、ピタリ、ピタリと、ピントが合って話しがわかる。
この本は二度読みがおすすめ。
「オーディンの鴉」福田和代 朝日新聞出版
東京地検、特捜部に所属している主任検事柏木は特捜直告一班を指揮している。班員は湯浅(主人公)仙道、安見。
家宅捜索の直前に被疑者の国会議員は自殺した。
ネットに中傷の動画があふれていた。
ネットの内容を分析してみると、携帯の通話記録、クレジットカードの使用歴、スイカ・パスポの使用歴、メール、インターネットの閲覧履歴、ネットショッピングの登録・使用、防犯カメラ画像、などなど。
仲介者に右翼の大物・瓶子剛三が浮かび上がってきた。
瓶子の関係している会社にデータセンター、バックアップセンターがあることがわかった。
湯浅と安見にそれぞれの写真が送られてきた。防犯カメラの画像だ。
さらに、湯浅の自宅に娘の写真が送られてきた。
心当たりがあると出て行った安見は殺されてしまった。
さて、このあとは?
ネタバラシになるので言っちゃいけないけど、胸躍るクライマックスが繰り広げられます。
ネット社会、情報社会とは何か、ちょっと考えさせられますね。
手紙の差出人がオーディンの鴉、オーディンの鴉とは、北欧の神話で、オーディンという神が両肩に止まらせた二羽の鴉を使って世界中の情報を拾ってくる、その神話が由来です。
「防波堤」今野敏 徳間書店
サブタイトルに、横浜みなとみらい署暴対係
暴力犯係の係長が諸橋、身分は警部で本来なら課長級だが、降格されて係長。
通常なら係長に座るべき城島警部補は係長補佐の立場にいる。
他に部下が四名。いずれも優れ玉だ。
警官側がマル暴。
ヤクザ側がマルB。
呼び名はそう決まっている。
昔気質のヤクザがいて、神野神風会を名乗る老人。子分はたったひとり。ふたりで組みを張っている。
マル暴とマルB、お互いに知恵を借りたい、情報を交換したり、の仲なのだ。
この短編集で、どれが一番面白いか。
最後の「鉄砲玉」誰かが酒場で暴れて諸橋の名前を出す。そんな事件が二件続く。
神風会の神野が襲われる。
襲ったやつは雇われで、元警視庁のマル暴。指図したのは、今刑務所で服役中のヤクザ組長。
この「鉄砲玉」では、短編集それぞれで主人公だったメンバーが全員顔をそろえるのは面白いなぁ。
「続天僕先生診療控」美原研 新樹社
第四話、八丁堀七不思議
第五話、女掏摸(めんびき)お蘭
第六話、罠
天僕先生、すっかり八丁堀に居ついてしまいます。
好んで八丁堀に居ついたんじゃないのです、与力同心の手当てが少ない、屋敷地が広いので、どこの家も建て増して貸家で生計を立てているのです。
診療と捕物帳が混ぜこぜのはずだが、だんだんと患者側にお話しの中心がずれていく。それも当たり前のことか。
著者の先祖が天僕先生で、先祖の業績を書き留めておきたい、この小説のスタートはそこです。
第四話では、幽霊を装った泥棒のお話しです。
泥棒したんだが、横からかっぱらった者がいる、という不意打ちのお話しです。
セオリー破りの手法だなぁ。
第五話、すりの世界のお話しで、子供が患者、母親が子供と一緒に佐倉順天堂という病院で、ナースとして働くよう、紹介状を書く、というお話し。
第六話、丁半博打のお話し。
設楽天僕先生も八丁堀の役人も出番がわずかで、天僕先生診療控もお話しが尽きたかしらね。
6月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2799ページ
ナイス数:20ナイス天僕先生診療控
設楽徳治、伊勢崎藩の藩医です。長崎に留学してポンぺに学んだ。長崎から帰って、天僕と名前を改めた。江戸の師から手紙が来た。江戸で師匠の手伝いをせねばならない。「江戸除痘館」で働いたが、役人医者は性に合わない。町方で町医者を開くことにした。日精堂と名付ける。開業したところは八丁堀で、与力同心と親しくなり、死体改めなどに呼び出されることもある。医者の診療控なのやら、捕物帳なのやら、そんなお話しなんです。捕物帳とは、ほんまにあるんだそうです。与力同心は、奉行所に帰ると、一日の捜査記録を書いて提出するのだそうです。
読了日:06月27日 著者:美原 研
サウンド・オブ・サイレンス
女子高校一年生、夏子、同じクラスに春香がいる。春香の聾学校時代の先輩、美紗がろう者のダンスコンテストがあるのを探してきた。同じろう者の澪を仲間に加えた。澪は大学生で、コーチに尾崎を無理に加えた。夏子はマネージャーの役目を志願した。ろう者ダンスコンテストで優勝した。燃え尽き症候群で数ヶ月何もする気もなくなったが、やはり復活した。第六回学生ダンスバトルに応募することになった。ろう者のコンテストではなく、健常者ばかりが戦いの相手となる。で、結果は。そこは言わない。語らない。耳の聞こえない女の子がダンスを踊るのだ
読了日:06月25日 著者:五十嵐 貴久
ぼくたちのアリウープ
ジュンペイ、名門高校、私立国分学園高校に入学しました。学力より運を使って入学したわけです。さっそく、バスケット部に入部。ところが、3年が不祥事を起こして、3年は退部、一年間対外試合禁止、残った2年は1年が入部するのを阻止します。必死の努力で、8月31日に2年と1年が試合することを申し込みます。1年が勝てば入部する、2年が勝てば1年は入部を認めない。最初7人いた入部希望者がとうとう2人しかいなくなってしまった。バスケットボールは5人いなければ試合にならない。必死に掻き集めて6人まで人を集めた。
読了日:06月22日 著者:五十嵐 貴久
オケ老人!
たまたま市の文化センターでコンサートをやっている。入って聞いて感激した。再びバイオリンを弾きたくなった。電話して、オーケストラを訪問した。えらく老人ばっかりの楽団だな。間違えたのだ。聞いたのは梅が岡フィルハーモニー、ここは梅が岡交響楽団、間違えて入門を願い出たのだ。見込まれて、コンサートマスター、指揮者として面倒を見ることになってしまった。老人ばっかりで、へたくそばっかり。手の付けようがない。梅が岡フィルハーモニーにも入門を願い出て、楽団をふたつ掛け持ちすることになった。腕が悪いと除名されてしまった。
読了日:06月19日 著者:荒木 源
人生教習所 (2011-09-30T00:00:00.000)
人間再生セミナー、第三回小笠原塾開校、この広告に惹かれて集まったのは、ひきこもりの東大生、元やくざ、デブ女で人見知りの激しいフリーライター、社交的な定年退職者、これらの人物が主人公だ。小笠原島父島で講義があり、中間試験に合格したものだけが母島での講義に進める。成績の良かったものには、就職の斡旋が行われる。それを目的に受講生はがんばる。普通なら隣り合うこともない人と無理にでも隣り合うのが泊まり込みセミナーというものだ。だんだんと心が通い合い、自分に欠けているものを補うことを始めるようになる。
読了日:06月18日 著者:垣根 涼介
おれは清麿
幕末のころの刀匠のお話しです。名主と刀匠を兼ねた家柄で、兄を師匠として刀匠を志す。短い刃鋼と心鉄をもらって刀を打ち始めた。短い短刀、切り出しナイフほどの短い短刀を作った。この種の短刀を小烏丸という。これが最初に作ったもの、だれの助けもなく自分一人でつくった。兄も目を見張るほどの出来栄えだった。山浦正行、刀鍛冶の道には懸命だが、女癖が悪い。隣村の名主の娘に夜這いに行って、婿入りをはたした。信州の片田舎から信州松代の鍛冶屋に入った。そこでも出戻りの娘とねんごろになった。江戸に出た。刀鍛冶の腕はどんどん上がる。
読了日:06月15日 著者:山本兼一
赤絵そうめん―とびきり屋見立て帖
「千両花嫁」「ええもんひとつ」に続くとびきり屋見立て帖のシリーズです。表紙絵が中年夫婦のように見えるが、嫁にむかえてまだ半年のほやほやなんです。半年そこそことは思えない商才で、得意先に吉左衛門が登場します。銅(あかがね)屋、銅山から始まって為替店、大名貸しまでやっているというと、あの井桁のマークを彷彿とさせるお方やないですか。坂本竜馬、桂小五郎、近藤勇、芹沢鴨までがとびきり屋の店先に登場します。銅(あかがね)屋吉左衛門、さすがに大商人です。けっこう意地悪で、意地悪をかいくぐって商いに結び付けていきます。
読了日:06月14日 著者:山本 兼一
限界集落株式会社
町村合併で幕悦町という名前だが、合併前は止村(とどめむら)、今では数軒しか残っていない集落なのだ。主人公優は静養のためこの集落に来た。祖父の家が残っているのだ。父は早くに家を出て、優はほとんどこの家に記憶がない。若い娘と父親がいて、農業研修の男女3人の若者がいる。他は、じいさんばあさんと嫁のこない40男がいるだけの村だ。はずみで、営農集団を立ち上げることになった。優は代表に就任する。共同代表に若い娘が就任する。その営農集団が販路を開拓して軌道に乗せること、それがこのお話しのテーマです。農業研修の若者3人も
読了日:06月12日 著者:黒野 伸一
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