ヘーメラーの千里眼
「ヘーメラーの千里眼」松岡圭祐 小学館
542ページ、上下2段にわけた小活字で、こりゃ最後まで読み続けられるかな、と危ぶみましたが
なんの、なんの、一気に読み続けました。
防衛大学校、それに続いて、航空自衛隊幹部候補生学校、赴任地の百里駐屯地から始まります。
年月を行ったり来たり、カットバックで進むのだが、訓練で岐阜基地でのこと、戦闘機から打ち出したミサイルで疑似標的を破砕する。
その標的の中に小学生の男の子がいた模様だ。
うんと時間を進めて、チャイナマフィアが新しい麻薬物質を日本に運んでいる模様だ。
船で運んでいるのだが、船は海上保安庁、海上自衛隊が対処する。
チャイナマフィアはミグ戦闘機を入手して、人民軍を退役した戦闘機乗りを雇っているらしい。
チャイナマフィアと航空自衛隊が空中戦を戦う。
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このままでは駄目だ。
接近してきたミグに対して、美由紀はスパイラルに捻りを混じえ、敵のロールと逆方向へ切り返しロール・シザース戦に入った。
しかし、垂直ロール・シザースはさっきもミグに対して試みた。
この方法が功を奏さないことはすでにわかりきったことだった。
梁暁濱のミグは一瞬のオーバーシュートも起こさず完璧なロールをつづけて執拗に美由紀に追いすがり、徐々にその距離を詰めはじめた。
美由紀は降下しながらスロットルをアイドル状態まで引いた。
突然のスピード・ブレーキにF15DJの下降速度は一気に低下し、ミグは勢いあまって美由紀の機体を追い越し形勢逆転、そのはずだった。
瞬時に美由紀は自分の失敗を悟った。
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空中戦の様子は詳しいことはよくわからないが、なんとなく伝わってくる。
この本は、最初から最後まで、航空自衛隊のお話しなんです。
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