7月に読んだ本
7月の読書メーター
読んだ本の数:33冊
読んだページ数:10049ページ
ナイス数:26ナイスうなドン 南の楽園にょろり旅
以前に「アフリカにょろり旅」を読んだことがあります。これは第二作なんですが、時系列ではこっちのほうが昔になります。インドネシアのバリ島からスマトラ島へ、うなぎを求めて、現地のひとへ頼めばカーバッテリーを使って電気ショックで魚を総取りにする。うなぎはいなかったね。青酸化合物を撒こうとする。タヒチに転戦する。うなぎにも種類があって、タヒチにいるうなぎで、オブスキュラやマルモラータは既に標本を得ている。タヒチで探しているのは、メガストマと言う種類なのだ。マルはなんぼでも捕れるが、メガは全然捕れない。
読了日:07月23日 著者:青山 潤
高校生レストランの奇跡
三重県多気町で相可高校というと、高校生レストランで有名です。その高校生レストランの立ち上げに役場の職員が関わっていたのです。店の名前が「まごの店」五桂池ふるさと村に間借りして立ち上げたものです。五桂池ふるさと村とは老人福祉施設、若者が出入りして、お客もいっぱい来るので、年寄にも喜ばれています。実は、この本、高校生レストランのことばっかり書いてあるのではないのです。五章の構成になっていますが、高校生レストランのことが書いてあるのは第一章にあります。残りは、役場の職員岸川政之が役場の中で、役場の勤めちゅうのは
読了日:07月22日 著者:岸川 政之
川あかり
折からの豪雨で川止めになっている。何かの拍子で牢人と二言三言言葉を交わした。誘われて木賃宿へ泊った。もともと、この川に来たのは暗殺するため。藩内は派閥に別れていて、心ならずも片方に所属している。派閥の頭領から反他派閥の家老を暗殺するよう命じられた。藩内随一の臆病者だから、敵方もと油断するだろう、との思惑なのだ。木賃宿に同宿する泊り客と心が通うようになる。牢人、猿回し、坊主、三味線芸人、遊び人、などなど。暗殺?もちろん成功します。それはどうやって?そこのところがお話しの面白いところなのです。
読了日:07月20日 著者:葉室 麟
機長からアナウンス (新潮文庫)
「スチュワーデスとパイロットの気になる関係」「パイロットが誕生するまで」「飛行場のクセと離着陸の難しさ」これらでは、チョッとした話や内輪話などを聞かせてくれる。そんな柔らか話ばっかりではなくて 「パイロットは本当に破格の待遇か?」「パイロットを取り巻く環境」けっこうパイロットの苦境を訴えている。機種機材がちと古いな、ハードカバーの出版が2001年で、理由はそこにあったのか。小説の作品数が少ないな、と見ていたが、略歴によると、2006年に没している。残念なことでした。もっともっと書き続けてほしかったのに。
読了日:07月20日 著者:内田 幹樹
血戦 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京 2 (100周年書き下ろし)
大病院を経営している一族の長男に政党の領袖の娘を嫁取りして閨閥を結んでいる。娘婿に比例代表での衆議院議員出馬を勧める。熟慮して、野党から出ることを選択する。出る選挙区は妻の父親の選挙区、血で血を洗う選挙戦が始まる。ワンス・アポン・ア・タイム・イン東京2なんですよ。前のワンス・アポン・ア・タイム・イン東京ではさぞかし葛藤があったのだろうなと想像できる。巻末での終わり方はワンス・アポン・ア・タイム・イン東京3が出ることを予想させる終わり方だね。
読了日:07月20日 著者:楡 周平
サムライ千年やりました
短編集です。現代、幕末、徳川中期、関ヶ原後、鎌倉元寇の役、源平時代初期、平安後期、もひとつ平安後期、時代背景は様々です。どれも無名のサムライで、高名なのは源義朝、源為義、ほんの先ほど、NHK大河ドラマで院とミカドが争ったあの事件のことです。どれも短編なので、印象的な場面を語るのみ、これはしょうがないことだね。角川学芸WEBマガジンに連載、ネット配信なら、むやみな長文は嫌がられるかもしれない。メディアによって物語の語り方も違うのだろうね。
読了日:07月20日 著者:岩井 三四二
アメリカなう。
アメリカのことなんかほとんど知り尽くしている、改めて探るなんぞ必要ない。ところが、読んでみると、実は知らないことだらけ、びっくりすることばっかりだなぁ。もちろん、小国綾子さんの切り口が新鮮なんです。ピックアップする対象がユニークなんです。第1章[おかしなアメリカ人]"フシギの国"の見えないルール/第2章[文化徹底比較]日米"B級カルチャー"バトル/第3章[学校教育の現場から]子どもだってつらいよ/第4章[少年野球の世界]憧れのベースボールの国で/第5章[にっぽんあ・ちゃ・ちゃ]やっぱりおかしな日本人
読了日:07月20日 著者:小国 綾子
中国 この腹立たしい隣人
これはどういうことなの?と辛坊治郎が問いかけ、孔健がそれはこういうことなんだよ、と答え、さらに、辛坊治郎が突っ込みを入れるか、納得するか、コメントを述べる。そういう段取りになっております。序章世界中にケンカを売りまくる暴走大国の本音/第1章中国の「人」★金と色恋、かくもたくましき民族性!?/第2章中国の社会★格差・無秩序が理解のキーワード/第3章中国の政治★国内外どこもかしこももめ事だらけ/第4章中国の経済★どこまでもKY国家の自分ルール!?/どの章が一番面白かったか、目からウロコが落ちたか、それは第1章
読了日:07月20日 著者:辛坊 治郎,孔健
操縦不能
北朝鮮からの亡命者をアメリカに輸送している。亡命者を暗殺しようと、敵は機体に仕掛けを施した。静圧孔を塞ぐと、外圧を感知できないのでコンピューターが誤作動して計器が狂ってしまう。ボーイング747-400は機長二人が倒れてしまって、今はコーパイ一人で運行している。メーデーの呼びかけに応じて、訓練センターのシミュレーターで機体とシンクロさせて飛ばすことを試みる。機体のジャイロは有効なので、上下の角度、左右の舵だけを指示して、機体とシミュレーターとをシンクロさせることにする。那覇までは誘導できた。着陸させるには
読了日:07月20日 著者:内田 幹樹
拒絶空港
パリのドゴール空港に着陸する時、タイヤがパンクした。回収された破片から、二つのタイヤがバーストしたと推定される。タイヤは全部で18個あるから、そのまま折り返し便で成田へ飛ぶことにした。離陸後、ドゴール空港のカウンターで放射能の反応があるとわかった。成田便に放射能物質が積まれていることが危惧される。タイヤも怪しいし、核物質も怪しいし、対策本部は途方に暮れる。乗客に退職した理科の教員がいて、手作りでガイガーカウンターを組み立てた。ワインに反応があった。核物質を積んでいるということで、どこの空港でも着陸を拒否
読了日:07月20日 著者:内田 幹樹
査察機長
成田NYライン、そこで機長の定期審査が行われる。名だたる厳しいチェッカーと、教官もやったことのある老ベテラン三人で操縦する。NYJFK空港は猛吹雪、そこへ着陸を敢行する。審査するチェッカーがコーパイの席に座って、コーパイの職務を担当する。チェッカーにコーパイとしての段取りを命令してやらせなければならない。試験官は指図を受けながら、機長を観察しているのだ。指図のひとつひとつを吟味されているのだ。ラインのパイロットになり機長として飛ぶには、定期運送用操縦士免許を必要とする。身体検査も年二回受けねばならない。
読了日:07月20日 著者:内田 幹樹
パイロット・イン・コマンド (新潮文庫)
ロンドンからシベリア上空経由で成田行きの旅客機です。機フライト中は常に操縦士がふたり着席していて、交代で仮眠をとることになる。面倒な乗客がいる。イギリスから日本へ、逮捕されて手錠に繋がれている特殊乗客と刑事がいる。フライト中にトイレにライフジャケットが隠されていた。探すと、みっつも出てきた。第二エンジンが爆発炎上し、燃料が漏れている。その衝撃で、機長ふたりは負傷し、残るのは副操縦士だけになった。操縦席にはふたりいないと操縦できない。CAのなかでセスナを習っている女性がいる。むりやり操縦席に座らせた。
読了日:07月16日 著者:内田 幹樹
シャカリキ! (小学館文庫)
コミック「シャカリキ!」と映画「シャカリキ!」を下敷きに新しくノベライズしたものです。小学校二年生、一番坂を自転車で登り切った。その年齢で登ったものは他にはいない。日の大亀ヶ岡高校に入学する。自転車部に入部する。途中省略。ここのところが面白いのだが、残念ながら省略。石渡山市民ロード-レース大会に参加する。べらぼうな登り坂が連続しているのだ。自転車レースはチームレース、エースのためにアシストはがんばって、エースが勝てばアシストも勝つ、ということなのだ。主人公テルの姉の目でお話しは語られています。
読了日:07月14日 著者:丹沢 まなぶ,曽田 正人
再会
第56回江戸川乱歩賞受賞作。なるほどなぁ、本格派とは言えないにしても、謎を解くことに関しては乱歩賞に値するね。小学生が万引きしたということでスーパー店長が主婦を恐喝する。金目当て、肉体目当てなのだ。そのスーパー店長は拳銃で撃ち殺されていた。23年前、銀行強盗が森の中で撃ち殺され、巡査も殺されて、拳銃だけが行方不明になったのだ。たまたま、森の探検に出かけた小学生四人は拳銃を小学校の校庭にタイムカプセルとして埋めたのだ。スーパー店長を撃つのに使われた拳銃はその拳銃だった。四人の中のだれが拳銃を掘り出したのか。
読了日:07月14日 著者:横関 大
チェインギャングは忘れない
拘置所から刑務所へ懲役受刑者を護送するのだが、途中で襲撃されて、何人かが脱走した。おなじころ、大型トラックの女のドライバーはヒッチハイクを頼まれて同乗させた。一方、警察の動き、池袋警察署の平刑事二人の動きで警察を代表して描いている。ま、これ以上お話しの筋書きをたどってもしょうがないのでやめにします。結末は、あれれという類の終わり方だが、まぁ、ええじゃないか。学術論文じゃないのだし。悪いやつが善いことをする、ピカレスクなのに、読後感はさわやか。気持ちの負担になる、引きずるものがないところがよろしい。
読了日:07月14日 著者:横関 大
猫背の虎 動乱始末
大男の大田虎之助、安政の大地震で、当番方から市中見廻役に昇進した。異例である。父親の手下だった咬みつき犬の松五郎と若い新八とが手下についた。家に帰れば、母と出戻りの姉二人が根ほり歯ほり今日の一日をこまごまと聞きただす。奉行所での報告を家庭でも繰り返しているようなものだ。地震がらみの騒動で打ちこわしが発生しそうだ。武家屋敷の門を次々と叩いて町方に加勢してくれるよう依頼する。こんなことで、武州忍藩松平上野守の家老の知己を得る。将軍継嗣の件で、幕閣は対立していると聞く。
読了日:07月14日 著者:真保 裕一
素人がいっぱい (ラブホリックの事件簿)
主人公は素人専門デリバリーヘルス「ラブホリック」の店長、家では、大学時代の同級生が居候している。彼はインド帰りのヨガ行者。デリヘルに応募してきた女の子が殺されたというテレビ報道があってその殺されたはずの女の子に街頭で出会ったり、家出した娘がそこで働いているはずだと無理な訪問があったり、事件は、デリヘル嬢に関わることが多い。店長と居候、どっちがホームズでどっちがワトソンか、安楽椅子探偵のカテゴリーですね。言っときますが、なんぼデリヘルが舞台でも、お色気とか、業界の内幕とか、そういうものはありません。
読了日:07月14日 著者:新野 剛志
大江戸釣客伝 下
吉良邸へ赤穂浪士が討ち込む。吉良の首は取られた。津軽采女を含めて吉良の縁者は世間から軽んじられる。上巻で、巻頭で釣り上げた土左衛門の正体がわかった。投竿翁と名乗って、「釣秘伝百箇条」という本を書いた釣師だった。触発されて、津軽采女も本を書くことを志す。完成した本が「河羨録(かせんろく)」日本で最初の釣についての指南書なのだ。将軍綱吉が死んだ。即日、生類憐みの令は廃止になった。采女は、将軍家小姓の職を去って16年、長い間、釣を禁じてきた。これでやっと釣ができる。
読了日:07月14日 著者:夢枕 獏
大江戸釣客伝 上
津軽采女は四千石の旗本の当主、父がしくじったので小普請組という閑職にいる。家令に教わって釣を始めた。これにはまった。吉良上野介義央の娘を嫁にとった。義父の運動で将軍家小姓に出世した。時の将軍徳川綱吉、生類憐みの令の将軍なのだ。綱吉が悪夢を見て小姓の采女を刀で斬った。采女は小姓の座を去った。上巻でのメインストーリーはこっちだが、上下巻通してのメインストーリーは、巻頭で土左衛門を釣り上げた、これが最大の話しの流れ。宝井其角(芭蕉の門人)多賀潮湖(後の英一蝶)紀伊国屋門左衛門、水戸光圀、これらの人物が釣が好きと
読了日:07月14日 著者:夢枕 獏
世界を創った男 チンギス・ハン 4
この小説は日経新聞で連載された。書き手も読み手も上質だった。堺屋太一は、モンゴル帝国をパックス・アメリカーナに比肩している。大量報復主義、不換紙幣、手法は同一なのだ。絨緞爆撃は米軍の手法だし、ドルは世界中に通用している。これはモンゴルと同様のこと。チンギス・カン以前は、氏部族の並立で、カンの命令は族長を経たうえで再伝達されていった。チンギス・カンは、氏部族を解体し、奴隷、隷属民、流亡者でも、功績があれば登用した。中世氏部族社会から絶対王政に組み替えた。帝国一律に法を適用し、税制、通貨、も帝国一律にした。
読了日:07月08日 著者:堺屋 太一
世界を創った男 チンギス・ハン 3
ブルカン山麓のキャト族の一氏族にしか過ぎないチンギス・カンが何度も対戦する難敵がある。子供のころは盟友だったジャムカ。カラトン(ウランバートル)のケレイト族のトオリル・ハン。西の果て、アルタイ山脈まで逃げた。トオリル・ハンと同盟して勝った。東の果て、興安嶺山脈の大壕を越えて金国の境界内で越冬したこともある。ジャムカ、トオリル・ハン連合に戦って勝った。逃走した敵がアルタイ山脈のナイマン族に逃げたので、追いかけて殲滅した。これで、興安嶺山脈からアルタイ山脈まで対抗する敵はいなくなった。
読了日:07月07日 著者:堺屋 太一
世界を創った男 チンギス・ハン 2
一巻では、父が死んで会社は倒産、やっと家族で家業を始めたようなものだった。2巻では、やっと中小企業クラスにまで持ち直したのだ。テムジンからジンギス・カンと、世間からカンと呼ばれるほどになる。山の民や各氏族のアウトサイダーを傘下に集めて成長している。旧秩序を尊重していては成長できない。全員を直接統治できる絶対王政を目指すようになる。ジンギス・カンの考えること、「人間(じんかん)に差別なし、地上に境界なし」
読了日:07月07日 著者:堺屋 太一
世界を創った男 チンギス・ハン 1
名前の区分け、一族内の関係、敵味方、など、区別が付くかな、と危ぶみながら読み始めました。なんの、なんの、それぞれの人間関係がよくわかります。期待せずに読み始めたのに面白く読めました。次巻の展開が楽しみです。テムジンは族長の長男に生まれたが、早く父が亡くなったので、一族はばらばらになった。家族だけの集団から一族を糾合するまでの、勃興期、準備段階です。青い狼などの先祖の伝説がそれぞれ違う氏族が興安嶺山脈から西域の間で遊牧している。テムジンはモンゴルのキャト氏族に属している。
読了日:07月07日 著者:堺屋 太一
グッバイ・ヒーロー
江戸川乱歩賞作家だから本格ものかと思って読み始めたが、ハードボイルドだった。アマチュアバンドギターボーカルの伊庭亮太は宅配ピザ屋でアルバイトしている。ピザの配達で行ったところは人質立てこもりの現場だった。人質のひとりを助けた。ところがその人質、ただものではなく、運び屋ジローと呼ばれる裏稼業の人間だった。人質立てこもり犯も逃げた。宅配ピザがむちゃくちゃ活躍するのですよ。わたし、今まで宅配ピザを頼んで食べたことがない。そこは残念だなぁ。
読了日:07月07日 著者:横関 大
無意識過剰 (文春文庫)
「である」「なのだ」の硬い文体で」きわめて柔らかい内容を書き連ねていく。 文章が上品なのだ。 自己周辺の話題なのだが、行動範囲が広いので、へぇ、へぇ、へぇぇぇ、驚くお話しに満ちております。
読了日:07月07日 著者:阿川 佐和子
元祖 スバラ式世界 (集英社文庫)
北杜夫のどくとるまんぼう、遠藤周作の狐狸庵先生、のように、別人格で書くのではなく 表看板の戯曲、小説と同じ名前で書いているので、看板のほうを損ねるかもしれない。 ただし、看板の作品は読んだことがない。
読了日:07月07日 著者:原田 宗典
スバラ式世界 (集英社文庫)
雑文というか、戯文というか、漫談を書き連ねたような文章ですね。 文体としては、椎名誠?と似たような文体で、ていねいとぞんざいが入り混じった文体です。
読了日:07月07日 著者:原田 宗典
セカンドウィンド〈2〉 (ピュアフル文庫)
金剛ヶ峯レースで成績が良かった。スポーツ推薦で南雲学院高等部に入った。悪いイメージに悩まされるようになった。肝心なスプリント箇所で路面にオイルがこぼれているような気がする。最初は金剛ヶ峯レースのとき、校内のタイムレースでもそれは起きた。溝口洋には、山岳に強いとか、スプリントに強いとか、突出した特徴があるわけではない。中心メンバーから補欠メンバーに回された。サポートメンテの仕事が中心になってくる。カナダから留学生が来た。アテンドの役目は洋となった。彼らはMTB、岩に登ったり降りたり、そっちが好みなのだ。
読了日:07月07日 著者:川西 蘭
セカンドウィンド〈1〉 (ピュアフル文庫)
溝口洋は中学二年生、もうすぐ三年生になる。南雲杯ジュニア自転車レース、大部分の参加者がロードバイクに乗っているのに、洋は郵便配達の自転車、ハンディがあるのに三位だった。それで、南雲デンキジュニアチームに誘われた。テスト期間が三ヶ月、三ヶ月の成績でチームに加入できるかどうか判定される。チーム内の、人を押しのけてでもという粗暴な空気に馴染めないのと、祖父の許可を得ていないのと、ふたつの理由でチームに入るのは辞退する。田村岳に出会い、清雲峠に挑む。清雲峠は激坂で、メヂューサの一瞥、天狗の蹴落としの難所がある。
読了日:07月07日 著者:川西 蘭
ゴールデンスランバー
仙台の大学で学んだ四人の仲間、今はそれぞれ社会に出ている。青柳雅春は宅配便の運転手をしている。配達先で襲われそうになっているアイドルを助けた。それで有名になった。首相が仙台でパレード中に爆弾で暗殺された。ラジコンヘリに爆弾を積んで爆発させたのだ。青柳の知らない、自分ではない画像がテレビに出てくる。顔はそっくりだが、自分ではない。青柳は逃げる。警察から逃げる。逃げる最中に、いろいろな手助けが出てくる。大学時代のサークルの仲間だったり、見も知らぬ人だったり。ゴールデンスランバーとは?ビートルズの最後のナンバー
読了日:07月07日 著者:伊坂 幸太郎
オーディンの鴉
東京地検、特捜部特捜直告一班。家宅捜索の直前に被疑者の国会議員は自殺した。ネットに中傷の動画があふれていた。ネットの内容を分析してみると、携帯の通話記録、クレジットカードの使用歴、スイカ・パスポの使用歴、メール、インターネットの閲覧履歴、ネットショッピングの登録・使用、防犯カメラ画像、などなど。仲介者に右翼の大物・瓶子剛三が浮かび上がってきた。瓶子の関係している会社にデータセンター、バックアップセンターがあることがわかった。湯浅と安見にそれぞれの写真が送られてきた。防犯カメラの画像だ。
読了日:07月07日 著者:福田 和代
防波堤 横浜みなとみらい署暴対係
暴力犯係の係長が諸橋、身分は警部で本来なら課長級だが、降格されて係長。通常なら係長に座るべき城島警部補は係長補佐の立場にいる。他に部下が四名。いずれも優れ玉だ。警官側がマル暴。ヤクザ側がマルB。呼び名はそう決まっている。昔気質のヤクザがいて、神野神風会を名乗る老人。子分はたったひとり。ふたりで組みを張っている。マル暴とマルB、お互いに知恵を借りたい、情報を交換したり、の仲なのだ。この短編集で、どれが一番面白いか。最後の「鉄砲玉」短編集それぞれで主人公だったメンバーが全員顔をそろえるのは面白いなぁ。
読了日:07月07日 著者:今野 敏
続天僕先生診療控
第四話、八丁堀七不思議/第五話、女掏摸(めんびき)お蘭/第六話、罠/天僕先生、すっかり八丁堀に居ついてしまいます。好んで八丁堀に居ついたんじゃないのです、与力同心の手当てが少ない、屋敷地が広いので、どこの家も建て増して貸家で生計を立てているのです。診療と捕物帳が混ぜこぜのはずだが、だんだんと患者側にお話しの中心がずれていく。それも当たり前のことか。著者の先祖が天僕先生で、先祖の業績を書き留めておきたい、この小説のスタートはそこです。
読了日:07月07日 著者:美原 研
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