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2012年12月 2日 (日)

禅は急げ!

「禅は急げ!」桂美人 角川書店
副題に[落護寺・雲水相談室事件簿]
研修医の途中でドロップアウトして禅宗の雲水になった真実。
雲水の中で首座である明徳。
呪を受け持つ祈祷寮に所属する流星。
中年でホモ好きの雲水のおっさん和尚。
キャラクターはこれらの面々。
相談室を開くということで、真実が担当に指名されます。
相談の内容で章ごとのお話しが展開していく運びです。
お話しの内容は、ま、どうでもよろしい。ありきたりのお話しです。
作者は実際に禅寺で修行した経験があるんじゃなかろうか。
禅寺修行の空気感は濃いし、雲水ひとりひとりの書き分けも見事なもんです。
首座法戦式(しゅそほっせんしき)のやりとりは下記のごとし。
「乞う!満堂の龍象、試みに法戦一場せんことを開口子闍梨、説破を挙せよ看ん」
「作者は、参禅というは心身脱落なり、乞尊意」
「心身を棄ておいて、何処へかゆく」
「怪しむこと勿れ、只管打坐に入浸り」
「咦や、参禅というは心身脱落なり、と云うは、天童永平も座を参究するが如きも、禅は坐臥にあらざることを知らず」
「尊意尊意」
「乞処は看よ、坐臥を脱落す」
「正に得たり、脱落のところは正伝の坐禅」
「尚いうも、脱落に坐著するは、宗に妙ならず。前句は看よ、心身脱落の惰坐あり、心身脱落の打坐に同じからず」
「珍重」
「萬歳」
振り仮名はあるのですよ、堂のあっちからこっちから、遠く声を張り上げて問答しているのだと思召せ。
尊意尊意(そんいーそんいー)
乞処は看よ(こーじょはみよー)
珍重(ちんちょー)
萬歳(ばんぜーい)
ストーリーの展開がどうたらこうたらではなく、雲水修行の雰囲気にどっぷり浸かればそれでええのです。

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