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2012年12月18日 (火)

けさくしゃ

「けさくしゃ」畠中恵 新潮社
長崎屋の若旦那とやなりなどのシリーズばっかりじゃないよ。これも新しいシリーズになるかもしれない。
高屋彦四郎知久、旗本のトノサマなんだが、小普請組二百俵、ほとんど仕事がないシガナイ旗本です。
山青堂のあるじが目を付け、戯作を書かせようと企てる。
後の柳亭種彦となるわけです。
先に売れている戯作があるんですよ。書いたのは二千石の殿様らしい。実は、その奥方が書いたものだった。
知り合って、トノサマ同士、奥方同士、版元同士、仲よく戯作について語り合うことになる。サロンですね。
使っている中間が極めて役に立つ、実は、徒目付で、戯作者の内偵に潜入していたのだ。
御政道批判、次に風紀紊乱、これが取締りの対象なのだ。
けっこう江戸時代も、出版業社会は大変なんですよ。
お話しの筋道も重要だが、どう大変なのか、その横道のほうがもっと面白い。

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