竹に紅虎
「竹に紅虎」下川博 講談社
脚本家から小説に転じて2作目です。
「竹に紅虎」この題名を解題すると、有田焼の意匠、竹に紅色の虎、そういう焼き物のことです。
昇蔵は有田焼の下絵職人のところへ婿入りした。
皿山奉行は景徳鎮を越える焼物を目指している。
鄭成功の反乱があって、景徳鎮を援助するので、昇蔵は中国に渡った。
鄭成功は負けたが、徳川幕府の知られて、長崎への帰国はできなくなった。
ここからは物語が二つの流れとなる。
有田では柿右衛門の絵皿を完成させること。
もうひとつは、昇蔵がジャカルタ・バタビアからイスタンブールへと流れていくこと。
長崎から送り出された有田(伊万里)の焼物を側面援助することなのだ。
昇蔵の妻から子供、さらに孫に至るまで、焼物の企画の中心に居続けた。
ずっとテレビドラマの脚本を書いていたようです。
小説に転じて、年齢が65歳、新人だが経験豊富ですよね。
第一作の「弩」でもスケールが大きいので驚いたが、第二作も波乱万丈のストーリーです。
三作目が出たら、すぐにでも飛びつきたいものです。
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