千年鬼
「千年鬼」西條奈加 徳間書店
童話と言うべきか、寓話と言うべきか、小説によくある対立がないお話しなんですよ。
ある時、ある者にだけ、鬼の姿が見えてくる。
鬼ではあるが、人鬼ではない、過去世(かこぜ)を過去見(かこみ)させてくれる鬼なのだ。
過去の姿を見て、問題が解決すれば、腹から鬼の芽を吐き出す。これで鬼にはならないのだ。
千年前から鬼になりそうな人を救っている。
千年前に掟を破って過去見をしたがために、千年のお仕置きを受けているのだ。
西條奈加初期のロマネスクからの系統なのか、別種なのか、なぜか、読んでいて歯がゆいぞ。
対立の相手が天上人なので、勝負にならない。千年にわたって努力し続けなきゃしょうがないのだ。
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