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2013年2月 1日 (金)

1月に読んだ本

2013年1月の読書メーター
読んだ本の数:20冊
読んだページ数:6261ページ
ナイス数:57ナイス

特殊警備隊 ブラックホーク特殊警備隊 ブラックホーク感想
武器を携帯できる特殊警備業が認可されて、ブラックホークという警備会社のお話しだ。要人を警護するのが仕事、第一章では、ロボットメーカーの天才研究者、第二章では、PC会社の中興の祖、第三章では、兵器重工の社長、第四章では、政党の幹事長、警備するのが仕事だ。テロリスト集団がいて、名前がクーガ、襲撃する一方で取引して金銭を得ていく集団だ。最後の章では、クーガのトップ二人を殲滅して完結する。 あまりに未来小説で、仮面ライダーやゴレンジャーの世界のようで、よぅ付いて行けない。警護すべき対象がほとんど悪人、二章は違って
読了日:1月29日 著者:福田 和代

 

スクウェア Ⅱスクウェア Ⅱ感想
スクウェアIの続きなんですよ。[スクウェア]とはバーの名前、たまたま刑事が客になり、バーのマスターがリュウ、他の客に元プロボクサーがいた。刑事は府警本部の薬物対策課所属なのだが、バーのマスターと客はシャブ薬物撲滅のネットワークを組んでいるらしい。ヤクザだって、対抗手段を取る。三者が入り乱れて、複雑な状態になってくる。大阪府警の刑事ものというと、黒川博之を思い浮かべるでしょう。味わい、手触りは全然違うなぁ。大阪弁を使っているが、とても無機質、ここは大阪ではなく東京なんじゃなかろうか、と思えるほどです。
読了日:1月27日 著者:福田 和代

 

スクウェア Ⅰスクウェア Ⅰ感想
スクウェアとは梅田お初天神の路地奥のバーの名前、連載小説の第一話がここから始まるから、タイトルがスクウェアなんですよ。大阪府警本部刑事部薬物対策課にいる巨漢の刑事、三田、第一話の出だしは新宿鮫の鮫島刑事と雰囲気が似ているんですよ。第二話からは新宿鮫とは離れて行く。ちゃんと指導するべき新米の相棒がいて、班長は怖いし、同僚の刑事は中がええのか悪いのか、新米には測り兼ねるところがある。スクウェアのマスターはリュウ、名無しのリュウ。お話しにちょいちょい絡んでくる謎の男。バーの客に宇多島、元ボクサーで、今は実業家。
読了日:1月26日 著者:福田 和代

 

僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。――東大発バイオベンチャー「ユーグレナ」のとてつもない挑戦僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。――東大発バイオベンチャー「ユーグレナ」のとてつもない挑戦感想
著者は東大在学中にベンチャービジネスのタネを見つけた。企業化するのをためらって、一旦は三菱東京UFJ銀行に就職したが、一年で退職してミドリムシの起業化に専念した。ミドリムシを水槽で大量に培養増殖させることー沖縄の水槽で成功。起業の資金ーライブドア・堀江貴文を株主にー逮捕で一転バッシング。ライブドアから株式を買い取って自立。ミドリムシは葉緑素を持ち、植物性、運動能力があり、動物性、植物性動物性ふたつの要素がある。地球の生命体の最初のもので、炭酸ガスが充満した地球に酸素を満たしたのはミドリムシなのだ。
読了日:1月25日 著者:出雲 充

 

語りつづけろ、届くまで語りつづけろ、届くまで感想
坂田勇吉シリーズというんだそうです。ポテトチップの会社のサラリーマン、それでいて、ほんとはスーパーマン。老人会に販路を広げるため、つるかめ会に坂田勇吉は出入りしております。同じように出入りしているボランティアが詐欺犯だったことがわかる。現金3億円を隠していることがわかる。偽刑事とは知らずに、その偽刑事から詐欺犯を追うよう協力依頼を受ける。詐欺犯から呼び出された場所には死体があった。六本木の新興ヤクザと下町のヤクザに挟まれて、この先、どんなことになるんでしょう。ほとんど会話でストーリーが運ばれるんですよ。
読了日:1月24日 著者:大沢 在昌

 

ZONE 豊洲署刑事・岩倉梓ZONE 豊洲署刑事・岩倉梓感想
[迎撃せよ][オーディンの鴉]を読んで福田和代のファンになりました。深川署の生活安全課、新設された豊洲署へ、第3話からそこへ転勤になります。第1話、子供を放棄して出て行った母親を探すこと。第2話、身元不明の高齢者が突然死して、身元を探すこと。第3話、幼稚園で卒業パーティーを中止するよう脅迫状が来たこと。第4話、ストーカー事件、解決すると、女性刑事がストーカーされること。第5話、東北津波の被災者を騙る寸借詐欺。どれもこれも、いかにも生活安全課、という事件内容です。ヒロインは女の刑事ですが、班長も魅力的です。
読了日:1月23日 著者:福田 和代

 

和僑    農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人和僑    農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人感想
和僑とは、今世紀になってから日本人の間で作られた造語なんだそうです。日本人で海外移住した人、出稼ぎや留学など短期滞在も含めて使われる言葉のようです。高級な日本社会を除いて、他は自分の意志で中国で動いている。[はじめに]と[おわりに]があって、[おわりに]でリライト・ダイジェストしてあって、和僑の意味合いを確認している。味わい、肌触りを求めるなら、それぞれの章を読むべきです。大急ぎの人は[おわりに]を読んで本を閉じてもよろしい。足で稼いで発掘したルポルタージュで、めちゃ面白い。雲南の奥に婿入、やくざ、風俗嬢
読了日:1月21日 著者:安田 峰俊

 

国税局直轄 トクチョウの事件簿国税局直轄 トクチョウの事件簿感想
この本の正しい名前は[国税局直轄 トクチョウ特別調査部門の事件簿-脱税をどう見抜き、暴くのか]トクチョウとは何か、マルサは国税局所属ですが、税務署の[特別調査部門]のことです。一般人には、自営業者の申告、普通の会社の法人税・消費税、個人の確定申告、このあたりしか税務署と接点がありません。ここにあるのは、美術商、弁護士、司法書士、デリヘル、獣医師。業界が特殊で、一般人とは接点が違う世界の脱税です。 したがって、脱税の教科書にしようとしても、それは無理です。著書に、[マルサの視界国税局査察部の内偵調査]がある
読了日:1月17日 著者:上田 二郎

 

日本人て、なんですか?日本人て、なんですか?感想
竹田恒泰は旧皇族の子、呉善花は韓国から日本に帰化、二人の対談です。第1章[自然の猛威と日本人][東日本大震災で発揮された底時からの秘密]第2章[日本人が発明した融合思想][イデオロギー対立を超える未来性] 第3章[天皇の権威と皇室の「適応性」][二〇〇〇年の存続を可能にしたもの]第4章[海外からの視線、海外への視線][学ぶべきもの、とんでもないもの]第5章[海外が注目する日本のカッコよさ][クール・ジャパンの先にあるもの]とても読み易いです。どっちかというと、呉善花のほうが発言の量が多い。竹田恒泰は相槌を
読了日:1月16日 著者:竹田恒泰,呉善花

 

ニッポンのここがスゴイ!  外国人が見たクールジャパンニッポンのここがスゴイ!  外国人が見たクールジャパン感想
サブタイトルに[外国人が見たクールジャパン]著者の堤和彦は、「COOL JAPAN」のプロデューサーです。NHKBS1で、日曜夜11時から放送している「クールジャパン」の採録です。いや、採録ではないな、プロデューサーから見た整理・解釈が加えられています。ページの大概は、放送で見たことばかりです。その意味で、うんうん、見た見た、発言者の名前で即座に顔が目に浮かびます。放送になかったもの、巻末の番外篇[クールジャパンを世界にひろめるために]、今後、技術力だけで世界に肩を並べるのは難しいでしょう。文化力がある。
読了日:1月15日 著者:堤 和彦

 

中華人民 今日は酷 会話・会食・会計の掟30中華人民 今日は酷 会話・会食・会計の掟30感想
題名にフリガナ[ちゅうかじんみんきょうわこく]ははぁ、中華人民共和国。会話の掟、会食の掟、会計の掟、若者の掟、北京の掟、短文を30篇載せてあります。[人民の判断基準は「数値」に尽きます。だから、何でも「数値化」しておく訓練を][慣れよう、「朝ズバッ!」どころか四六時中のストレート質問攻撃][空腹?満腹?そんなの知ったこっちゃない。「吃板了没有(ゴハン食べた)?」は単なる「やぁ」][日本人相手に笑顔で「ミシミシ!」それって何の意味?][複雑、ギクシャク、面倒臭い。それでも、避けるべからず「歴史問題」]
読了日:1月13日 著者:田中 淳

 

新参者新参者感想
殺人事件が発生、日本橋署と本庁が犯人を捜すわけです。いろいろ伏線があるのだろうが、あまり感じるところはなかったなぁ。だしぬけに犯人が逮捕された、という感じ。いや、ええんですよ。横道に逸れながらひとつひとつ材料を潰していく。横道の逸れ具合が心地よいじゃありませんか。9章に別れて、つまり、9回の連載で、お話しは紡がれていくわけです。章ごとに○○屋の××、○○屋のところが、煎餅屋、料亭、瀬戸物屋、時計屋、洋菓子屋、翻訳家、清掃屋、民芸品屋などなどです。そりゃもぅ、ディテールは細かいよぉ。饒舌に語って、本筋から
読了日:1月10日 著者:東野 圭吾

 

千年鬼千年鬼感想
童話と言うべきか、寓話と言うべきか、小説によくある対立がないお話しなんですよ。ある時、ある者にだけ、鬼の姿が見えてくる。鬼ではあるが、人鬼ではない、過去世(かこぜ)を過去見(かこみ)させてくれる鬼なのだ。過去の姿を見て、問題が解決すれば、腹から鬼の芽を吐き出す。これで鬼にはならないのだ。千年前から鬼になりそうな人を救っている。千年前に掟を破って過去見をしたがために、千年のお仕置きを受けているのだ。西條奈加初期のロマネスクからの系統なのか、別種なのか、なぜか、読んでいて歯がゆいぞ。対立の相手が天上人なので
読了日:1月9日 著者:西條 奈加

 

幸せの条件幸せの条件感想
血まみれ誉田哲也とさわやか誉田哲也があります。これはどっちかとひやひやしながら読み始めたが、すぐに血まみれのほうではないとわかりました。だめな女の子が長野に長期出張を命じられます。バイオの原料を確保するため農家と契約してこい。農家に泊まり込みます。で、農作業に携わる、描写のほとんどは農作業のあれがどうとか、これがどうとか。血まみれ誉田哲也とさわやか誉田哲也に二分しましたが、あたらしくほのぼの誉田哲也が誕生した。血まみれを捨てて、ほのぼのに軸足を移すのもええよ。読みながら吹き出すところもいっぱいあります。
読了日:1月8日 著者:誉田 哲也

 

ロスジェネの逆襲ロスジェネの逆襲感想
東京中央銀行証券部、子会社に東京セントラル証券、親会社が策を弄して子会社の案件を取り上げてしまいます。その案件は、IT業界のライバル社の株式を公開買い付けすること。結末は、ホワイトナイトとしてPC販売業界の大手が乗り出して譲り受けること。東京セントラル証券は逆襲をかけます。買い付けされる側に立って、PC販売業界の大手を公開買い付けをかける。公開買い付け合戦です。で、どっちが勝つか。正義は勝つ。池井戸潤なら安心して読み始めてええです。常に明るい結末が待っている。
読了日:1月7日 著者:池井戸 潤

 

編集ガール!編集ガール!感想
五十嵐貴久の出発は「交渉人」「安政五年の大脱走」などの大人向けのものと高校生青春ものから始まりました。受けたのは後者で、ライトノベルを中心に売文稼業をしています。出版社で、経理が畑なんですが、社長から企画を全員出せ、出した企画が社長の目に留まって新雑誌の編集長になりました。さぁ、そこからは疾風怒濤の新雑誌の立ち上げ、このあたりが一番のキモですね。五十嵐貴久に悲劇の結末はない。ハッピーエンドなのが彼のええところです。安心して取り掛かればええ。ずぶの素人が編集者の一番大切なところを射抜く。ぶれそうになるところ
読了日:1月5日 著者:五十嵐貴久

 

朱龍哭く 弁天観音よろず始末記朱龍哭く 弁天観音よろず始末記感想
弁天とは長唄の師匠、お蝶、観音とは八丁堀同心の妻、沙十。お蝶は後妻の子、沙十は兄嫁にあたります。八丁堀同心だから御用の筋の他に頼まれごとがある、その頼まれごとの始末を二人でやっているわけです。父が隠居したあと、卒中で死んだけど、どうやら誰かに襲われて殺されたらしい。だんだんと手繰って行くと、王龍党にたどりついた。世直しのため、幕府転覆を図っているらしい。さて、これからは、捕物帳が展開するわけです。西條奈加というと「金春屋ゴメス」が初作、ひっくり返るほどの虚構ロマンをいつもいつも組み立てられるわけもない。
読了日:1月4日 著者:西條 奈加

 

戦国時代の余談のよだん。戦国時代の余談のよだん。感想
エッセイです。和田竜とは、「のぼうの城」「忍びの国」「小太郎の左腕」と小説を世に出しています。[創作秘話の章。]と[戦国武将咄の章。]の二本柱になっています。のぼうの城での取材、現地取材は開発が進み過ぎて、往時が想像しにくかった。忍びの国、小太郎の左腕、伊賀には砦が無数にあること、忍術書がばかばかしいこと。ごく当たり前のことを書いてあるのじゃないか。--------紛れ込むならば下人の中に紛れ込め、間違っても侍の中に紛れ込むな。侍は恐ろしきものなり。--------戦国武将の章では、誰に親近感を抱いてるか
読了日:1月3日 著者:和田 竜

 

竹に紅虎竹に紅虎感想
脚本家から小説に転じて2作目です。「竹に紅虎」この題名を解題すると、有田焼の意匠、竹に紅色の虎、そういう焼き物のことです。昇蔵は有田焼の下絵職人のところへ婿入りした。皿山奉行は景徳鎮を越える焼物を目指している。鄭成功の反乱があって、景徳鎮を援助するので、昇蔵は中国に渡った。鄭成功は負けたが、徳川幕府の知られて、長崎への帰国はできなくなった。ここからは物語が二つの流れとなる。有田では柿右衛門の絵皿を完成させること。もうひとつは、昇蔵がジャカルタ・バタビアからイスタンブールへと流れていくこと。側面援助するため
読了日:1月2日 著者:下川 博

 

弩感想
弩とはど、いしゆみのことです。因幡の国の智土師郷、横浜市金沢区の称名寺の荘園になって荘園支配の雑掌が派遣されることになる。師のお伴をしていて、師は病に倒れ、随者の光信は雑掌代理として荘園に赴任した。吾輔は作人から自前百姓に引き上げられ、商人になることを志していた。因島に行き、柿渋が売れることを知り、塩と引き換えとする商いに成功した。智土師郷は富み栄えてきたが、この荘園を横領する武士が現れた。妻の兄は楠正成の郎党だった。百姓が自前で村を守るのなら、弩を使うべきだと教えた。武士が襲来し、村を守る戦が始まる。
読了日:1月1日 著者:下川 博

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