この世にひとつの本
「この世にひとつの本」門井慶喜 東京創元社
「おさがしの本は」「小説あります」と同列の作品です。
いや、本は本でも、印刷会社が舞台です。
パトロンとして住居生計を支えていた書家が行方不明になった。
社長は息子に書家の捜索を命じる。
ちょっとこの息子はぬるいけれど、指図は間違ってないし、従いたくなる。
社長は活版印刷を廃止したんですよ。無版印刷、コンピュータープリンティングに切り替えた。
書家は、会社に本を寄贈している。
本といっても一冊だけ、源氏物語の手書きの本が全巻、金泥で書かれているのだ。
その無版印刷の工場で従業員が白血病で3人も死んでいく。
これは本筋じゃありません。そんなことも同時に起こっているということです。
本筋は書家を探せ。
書家が現れました。ここまでにします。
いやぁ、面白かった。印刷工場がこんな具合になっているのですねぇ。
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