忍者月輪
「忍者月輪」津本陽 中央公論新社
にんじゃがちりんとルビがあります。
がちりんという忍者がいるのではなく、ウェイ・オブ・ニンジャ・ライフを指しているようです。
伊賀忍者、萱生伝兵衛、京都所司代の村井貞勝に仕え、本能寺の変、秀吉中国大返しの時代を生きる。
忍者小説としては突き抜けております。
伝兵衛は神通力を得ています。天眼通、天耳通、他心通。
遠く離れたところが見え、遠くの話し声が聞こえ、他人の心の内が見え、心を操れる。
武田忍者の蕨手、これも神通力を得たスーパーマン、武田を見放し、伝兵衛の傘下に下る。
毛利忍者にスーパーマンがいる。彼との戦いに苦労する。
津本弁とでも言うべきか
「上さまは攻め滅ぼしかねぬお方でのん」
「一切他に漏らしはせぬだがや」
尾張弁のような上方弁のような古語のような、津本弁が心地よろしい。
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