2月に読んだ本
2月に読んだ本は8冊でした
これはええな、と思う本は「脱限界集落株式会社」「恋するソマリア」
2015年2月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2787ページ
ナイス数:49ナイス
恋するソマリアの感想
ソマリアが反乱で倒れて、今や国家の体裁をなしていない。ソマリランド、プントランド、南部ソマリアと分裂しているが、国際的には承認された国家ではない。前作「謎の独立国家ソマリランド」を読んだ。恐らく日本人でもただひとり、外国のジャーナリストも潜入していない地域だろう。著者はランドに行きたいのではないのだ。一般家庭の部屋の中に入ってみたいのだ。それには成功する。台所に入れてもらい、部屋の中が暑いので、被っている布も脱いでしまった。アラブ世界ではありえないことだ。ここまで融け込んだ外国人は他にいないだろう。
読了日:2月22日 著者:高野秀行
憂いなき街の感想
強盗があって、故買屋が殺された。一方、ジャズのサックスプレイヤーの女が殺された。犯人を追って、北海道警察は動きます。佐伯宏一警部補、新宮昌樹巡査、札幌大通署刑事で上司部下。津久井卓巡査部長、機動捜査隊。小島百合巡査部長、生活安全課。道警シリーズでいつものフルメンバーが出ています。道警シリーズの最新作で、佐伯は小島の家に泊まった。じれったい二人にやっと進展がありました。津久井が切ない恋を振り切って、それを応援する仲間の姿がええ。
読了日:2月18日 著者:佐々木譲
壁と孔雀 (ハヤカワ・ミステリワールド)の感想
主人公の名前が土壁、土壁には出合った人間を動物に見立てる癖がある。異父弟に出会った、その子の印象は孔雀のようだ。だから、題名が壁と孔雀。土壁は警視庁警備部SPに所属する。警護する大臣が襲われて、自分を盾にして大臣を救った。ピストルの弾丸は脚の骨を砕いた。リハビリに専念する。暇を持て余すので、亡くなった母の墓に参ることにする。母の里は北海道の奥地、戊辰戦争で破れた篠太藩は藩主ごと蝦夷地に移った。母はその篠太家の出なのだ。母は離婚して篠太家に戻った。弟を産んで、池で溺れて死んだ。墓参に来て、始めて弟がいるのを
読了日:2月15日 著者:小路幸也
ライアーの感想
ずばり言えば、消費情報研究所と関東損害保険事業者連合会の戦いです。どちらも政府機関、国家に害をなす存在を排除する機関です。先発は研究所、後発が連合会、海外は研究所、国内は連合会で分けています。神村は研究所に所属している。夫が火事に巻き込まれてガス中毒で死亡した。これが始まり、夫が殺害されたのを探り当て、手を下したのは連合会だと知る。ここから研究所と連合会の戦いが始まる。この小説の題名がライアー、嘘つきなんですよ。だれが嘘をついているのかを探るのがこの小説のキモです。筆致はきわめて硬質、遊びなしでグイグイ
読了日:2月13日 著者:大沢在昌
脱・限界集落株式会社の感想
前作・限界集落株式会社は幕悦町のどんづまりの止村が舞台でしたが、今度は違う。駅前に上元商店街がある、いや、あった。実際はシャッター通りで商店街の体裁をなしていない。止村の社長副社長の間に波風が立って、副社長=奥さんは出てしまった。上元の友達のコトカフェを手伝うことになった。止村にはTODOMEモール21が出来て、ばりばりと集客している。上元商店街に、TODOMEマライアモール再開発の構想がある。町役場もろともの推進で、地権者の三分の二を越える賛成を得て、どんどん進行している。これには裏があります。はたして
読了日:2月12日 著者:黒野伸一
国防女子が行く-なでしこが国を思うて何が悪いの感想
サブタイトルが、なでしこが国を思うて何が悪い。著者は川添恵子としていますが、川添恵子、葛城奈海、赤尾由美、兼次映利加の四人の座談対談、二人、三人、四人の編成で行っています。彼女らは、根っからの「右翼」ではなかったのです。高校生時代は、朝日新聞と同じ思考様式でした。疑問が湧いて、突き詰めると「右翼」に成長して行ったのです。10年前なら、この本は大ヒンシュクものでしょう。今や、朝日・岩波思考はゆらいでいます。今の時代なら世間の納得を得られるものと思います。ストレートな右翼本ですが、市民権を得て抵抗感は消えまし
読了日:2月10日 著者:河添恵子,葛城奈海,赤尾由美,兼次映利加
売国の感想
お話しに二つの流れがあります。一方は、検察庁、特捜検事に抜擢されて、捜査を指揮します。もう一方は、日本の宇宙開発、種子島じゃないほうの大隅半島の内之浦基地、そこからお話しが始まります。アメリカの陰謀があって、アメリカに絡み取られてた政治家、財界人がなんぼでもいます。学者の世界でも同じこと、アメリカに気脈を通じている科学者がなんぼでもいます。表面に見えているのは、検察の動き、宇宙開発がアメリカに統合されつつある動きばかりです。カウンターパートのアメリカの動きなどは書いてもありません。八割がたで、一挙に収束に
読了日:2月5日 著者:真山仁
ターンオーバーの感想
連投:高校野球予選。インターセプト:大学アメフト。失投:槍投げ社会人。ペースダウン:マラソン社会人。クラッシャー:ラグビー社会人。右と左:プロ野球最終戦。まぁ、あらゆるスポーツが並んでいること。堂場瞬一、それぞれのスポーツに詳しいのです。色恋がどうしたとか、謀略がどうのこうのとか、そんなものは全然ありません。すべてが戦術、勝つためにどうするかを書いています。読後感、清々しい。
読了日:2月3日 著者:堂場瞬一
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