4月によんだ本
4月に読んだ本は8冊でした。
2015年4月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:3245ページ
ナイス数:43ナイス尾道坂道書店事件簿の感想
尾道が発祥の書店、啓文社の書店員の本です。坂道篇、闘病篇、尾道篇、書店事件簿篇に分かれています。闘病篇では、癌で脊髄が侵され、車いす生活を余儀なくされる次第を書いています。ここは読んでいてツライが、他の篇では、地元でもあり、好感が持てます。とりわけ、書店事件簿篇が面白い。一部をピックアップすると、『日本の危機』から『半島を出よ』を探す、『電車男』の隣に置く本、破り取られた文庫カバー、コミック売場では売れないコミック、妻は教養新書が大好き、読んでみたいけど買うのは惜しい本、どうです、読んでみたくなるでしょ。
読了日:4月25日 著者:児玉憲宗
精鋭の感想
警察での立身出世物語です。いやいや、警部補・警部・警視の出世の物語ではないよ。警察学校から、配属されたのは所轄の地域課、交番のお巡りさん勤務です。ラグビー部なら足が速いだろう、と警視庁の各署対抗の駅伝に抜擢された。倒れるまで頑張って、あいつ、見込みあると評判を得た。けしかけられて機動隊を志願した。機動隊に入って、一流はSATを志すと言われて、志願した。選抜された。ここからSATのツライ訓練が始まる。ねぇ、これも立身出世物語でしょ。もともとは朝日新聞連載なんだそうです。あの朝日新聞がねぇ。社是に背くじゃん。
読了日:4月24日 著者:今野敏
楽園 下の感想
中学生で姉は不純交友に耽っていた。ろくでなしの度を越していた。遂に、両親は娘の首を絞める。これは15年前のこと、そして今に至る。サイコメトラー、他人の記憶が読み取れる能力のこと、千里眼として知られていること。これが物語のキーになるのだ。 主人公には山荘事件を暴いたことがあるのだそうな。折に触れ、語られるのだが、それは何なのかわからない。巻末でわかる、「模倣犯」という前作があるのだそうな。
読了日:4月21日 著者:宮部みゆき
楽園〈上〉の感想
宮部みゆきの時代物は架空のことと気楽に読めるのだが、現代物は人間の毒が深いので相当覚悟を固めて読まないといけない。交通事故で亡くなった息子の絵について相談を受ける。絵には見るはずのないことが描かれている。絵の場所を訪ねる。姉が両親に殺されて床下に埋めてあったところなのだ。妹から依頼を受けて真相を探ることになる。
読了日:4月21日 著者:宮部みゆき
失踪都市: 所轄魂 (文芸書)の感想
父親は城東警察署の刑事、警部補、息子はキャリアで本部の管理官、息子は父親の魂を継いでいます。白骨死体が発見された。本部の所見は犯罪の嫌疑なし、骨にヒ素が蓄積しているので、所轄単独で捜査を開始した。息子は特命捜査対策室の責任者、その指揮下で捜査を続けることになった。捜査すると、白骨死体がさらに発見され、行方不明者が何人もいることが判って来た。サーラの会という宗教団体が疑わしいと判って来た。代表者は警察OB、本部の捜査一課が邪魔にする、隠匿するのもその繋がりがあるのかもしれない。あとは一挙の展開で警察の暗闇
読了日:4月16日 著者:笹本稜平
おもかげ橋の感想
九州肥前の某藩、毎度おなじみお家騒動です。勧善懲悪のおはなしです。詰め腹切らされて、二人は致仕する。現実は追放です。片や江戸で商家に婿入りし、片や江戸で道場を開く。お家騒動はまだまだ納まってはいません。藩は、二人にお家騒動の首魁を打ち取ってくれるよう手を回します。メインのお話しはこっちですが、昔好きだった女がお話しに絡んできます。これがお話しに邪魔、女心の変転ぶりにページを置きたくなります。ま、こういう彩りがあるので、殺風景なお話しが豊かなお話しになるのでしょうがね。ただし、おかしな色恋話にはなりません。
読了日:4月8日 著者:葉室麟
紅けむりの感想
江戸の焼物問屋伊万里屋に商品の横流しを企む者がいて、一方、伊万里は積み出し港、焼き物産地は有田で、窯は皿山にある。越中五箇山から煙硝造りの技が皿山に流出した。その皿山で作った煙硝を江戸まで運び込む。それを阻止し、一味を退治するのが隠密の仕事。江戸と皿山を織り交ぜながら話しが進むので、今どっちのお話し、こんがらかることもあります。隠密の吟味拷問、悪党のいたぶり、描写が生々しくて、そこは読むのが辛い。山本一力、こんなにえげつない書き方はしない作家だったのに。清々しい山本一力から荒々しい山本一力に変わったようだ
読了日:4月7日 著者:山本一力
七帝柔道記の感想
これ、私小説なんでしょうか。北海道大学柔道部の青春です。七帝とは、北大、東北大、東大、名大、京大、阪大、九大の旧帝国大学を指します。読みながら、時代は戦前のままだなぁ。とても現代とは思えないよなぁ。テレビドラマで「北の国から」の当時のことだとあります。主人公を含めて柔道部員全員、教室に出ることもなく、終日柔道場で暮らして、夜はどこかの酒場にいる。彼らの懐事情はどうなんだろう。恋だの、衝突だの、柔道以外にはなんにも出てきません。明治の頃、大正の頃の柔道部を書いても、同じ書き方になったでしょうね。
読了日:4月3日 著者:増田俊也
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