5月に読んだ本
5月は、Nifty に侵入者があって、FTP サイトが閉鎖されたりで、煽りを食って cgi のデータベースを引っ越ししたり、いろいろあって読書がはかどりませんでした。
5月に読んだ本でハズレはありません。まいない節の点数が落ちるかな。
2015年5月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2542ページ
ナイス数:38ナイス
まいない節 献残屋佐吉御用帖の感想
寺田屋は公儀お役人に賄賂(まいない)として鰹節を使うのを考え出した。焼津の鰹節を使う。賄賂先からは程々の割引値で引き取る。現代の画商と政治家の商法と同じですね。浦賀奉行所の庶務頭が抜け荷に加担しているのがわかってきた。山本一力、職人や商人の真面目な日常を描いて定評を得ていました。今度は悪いヤツが主人公です。対抗する悪玉も悪いヤツです。感情移入して肩入れしたくなる人物がいない。山本一力、職人・商人ではなく、悪いヤツのお話しを繰り出すのは下手ですね。佐吉御用帳とあるが、佐吉は主人公じゃない、狂言回しでしかない
読了日:5月27日 著者:山本一力
警察回りの夏の感想
日本新報甲府支局の若手記者が主人公、ぼちぼち本社へ転勤があろうか。警察(サツ)回りをやっていて、有力情報を得た。功名に逸って裏付けを取らずに記事にしてした。誤報だった。お詫び記事を書いた。ネットは沸騰した。新聞社への抗議の電話も多数にのぼった。誤報に至るまでの経過を明らかにする検証記事を出した。それでも世間は納得しなかった。社外の人物で構成する調査委員会を立ち上げることにした。このあたりから、甲府支局の問題ではなく、新聞社社長や編集局長が主人公に変わってくる。警察OBの代議士が黒幕であることが明らかになる
読了日:5月17日 著者:堂場瞬一
日系中国工場作業員観察記 (日経ものづくりの本)の感想
中国とも交流記では、老板(ラオパン)など経営者との交流、闘争はよく見ます。これはそれとは違って、製造部長クラスが一般工員とのやりとりの実態のドキュメントです。日本では、労働三法があって、解雇はよほどのことがないとあるものじゃない。中国では、かなり頻繁にあるようです。内陸から来る労働者は中学を出ていない子も多い。偽物の卒業証明、身分証もあります。製造指図書が読めない、機器の目盛りの単位の意味が解らない、そんな子も多いのです。必然的に解雇になります。情において忍びない、これを許すと、どんどんつけこんできます。
読了日:5月14日 著者:遠藤健治
探偵・竹花 帰り来ぬ青春の感想
探偵・立花もフランスに住んでいた青春があった。そのフランス時代の旧友が長野の別荘で亡くなった。警察は自殺と判断したが、娘の依頼で、本当に自殺なのか、調査することを依頼された。ここから話が面倒になってくるんですよ。立花も拳銃で襲撃される。事務所でも襲撃される。どうやら化石が絡むことが判ってくる。東欧マフィアが関係していることが判って来た。途中はお話しの筋が読めないことがある。この登場人物は誰なのか、どんな関係なのか理解できずに読み続けることがある。探偵・立花シリーズもこれで5冊目、どれだけ読んでいるか、4篇
読了日:5月12日 著者:藤田宜永
夢をまことにの感想
幕末ちょっと前の頃のお話し、近江国友村の鉄砲鍛冶、国友一貫斎のお話しです。村の惣年寄から訴えられて、江戸でお裁きを受けることになる。言掛りの訴訟です。勉強しよう、見学しよう、と江戸での取引先、鍛冶仲間を訪問する。オランダ渡りの風砲を見た、空気をポンプで圧縮して撃つのだ。改良して製造した。天体観測用の望遠鏡(テレスコップ)を見た。これと同じものが作れるか。待っていただくことにする。携帯できる筆、自動的に油を注ぎ足せる灯明、こういうものを発明して売り出した。15年後、テレスコップは完成した。一介の鉄砲鍛冶が
読了日:5月9日 著者:山本兼一
三成の不思議なる条々の感想
石田三成の、徳川家康弾劾の文書に「内府ちがいの条々」があります。そのオマージュというか、鎮魂譜ですね。さる男が、石田三成について調べてこい、と命じられた。関ヶ原の戦いで、たかが中大名の三成が大大名の徳川家と五分に組んで戦えたのはなぜか。三成の陣立てはいかに。いや、調べた。調べた。現役大名家の家臣、潰れた大名家の牢人、豊家北政所に仕えた尼、全部で11人。段々、はっきりして来た。関ヶ原の戦い、どっちに理がある、非がある、というものではない。これらの聞き書きを依頼主に文書にまとめて報告した。最後の章は語らない。
読了日:5月5日 著者:岩井三四二
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