6月に読んだ本
2015年6月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1544ページ
ナイス数:38ナイスちゃんちゃら (講談社文庫)の感想
ちゃらは浮浪児、七才で辰蔵親方に拾われてもう十年になる。植辰、植木職の商売なんですよ。山本周五郎や山本一力の職人世界と似てると思うが、朝井まかてのほうが品がある。上等の落語を聞いているような温もりが伝わってくる。必ず悪い対立軸があろものなんですよ。それが、嵯峨流正流の白楊、辰蔵一家を目の敵にしている。最後の章になると、あれよあれよ、市井の職人小説だったはずが、すごいロマンに変わってくる。あれれ、バッドエンドなのかなと訝しむが、いいえ、ちゃんとハッピーエンドです。暖かいお話しで、そういうのがいちばんええよね
読了日:6月27日 著者:朝井まかて神坐す山の物語の感想
かみいますやまのものがたり、時代は戦争が終わった頃、東京郊外の御嶽神社の神主一家のお話しです。祖父祖母の話も出てくるから、明治大正の時代にまで遡るお話しもあります。みんな霊にまつわるお話しです。神社には幽霊は出てこないが、御霊は普通にある場所です。ちょっと読みにくい、2ページめくっては本を閉じ、また2ページめくっては本を閉じる。現代のお話しなら成り立たないようなお話しが、終戦後、明治大正の頃なら、あっただろうな、と思わせる時代です。七編の短編集です。ひとつひとつが極めて読みにくい。流し読みしにくい語り口で
読了日:6月26日 著者:浅田次郎先生のお庭番の感想
熊吉は15歳でシーボルトの庭園の園丁に雇われた。長崎出島にそれはある。ふぃりっぷ、ふらんつ、ぱるたざある、ふぉん、ずぃーぼると、お滝はシーボルトの奥方なのだ。熊吉はコマキと呼ばれている。懸命に庭園の庭木の手入れを続けた。シーボルトからりっぱなお庭番と認めてもらった。読み前には、お庭番とは、はて、隠密の意味だがな、と首をかしげて読み始めた。本当にお庭番の意味が込めてあったのだ。シーボルトは密かに日本の地図を集めていた。幕府は不審に思い、関係者を取調べ、熊吉も一味かと牢に入れた。物語紹介はここまで、この先は
読了日:6月21日 著者:朝井まかて御松茸騒動の感想
尾張藩の江戸藩邸で用人手代見習として事務方下僚を務めている。上役はそろばん間違いはするし、字の書き間違いも多い。出来ぬやつ、わしが早く出世して、取り締まらねばなるまいて。父の同僚がしくじって、巻き添えを食ってしまった。御松茸同心を命じられた。松茸の差配など足軽の仕事ではないか。ここでも、生来の生真面目、堅物を押し通した。次第に山に精通し、松茸が生えるようになってきた。出世をごりごり考え抜くのから変わって来た。領民の為になるよう、配慮するように変わって来た。最後は、今は謹慎押し込め中の徳川宗治公が顔を出しま
読了日:6月19日 著者:朝井まかて埋れた牙の感想
父が脳梗塞で倒れたので、警視庁捜査一課から地元の警察署に戻った。リハビリのバックアップをするつもりなのだ。大学時代の友人から相談があった。姪が行方不明だ。抱えている案件もないし、専従で担当することになる。鍛えるために新人の女子警官が付けられた。この子、場を読むことができない、真っ直ぐすぎる傾向にある。調べているうと、10年毎に若い女性が姿を消すことが判って来た。これで3人目だ。解決に当たって、その女子警官が大活躍、真っ直ぐすぎるのもええもんだ。署長や課長を突き上げる場面もあるし、シリーズ化されるとええな。
読了日:6月3日 著者:堂場瞬一
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