2015年7月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3188ページ
ナイス数:40ナイス
ハゲタカ外伝 スパイラルの感想
ハゲタカのシリーズの主人公は鷲津政彦です。外伝の主人公は柴野健夫、いままでのシリーズではどんな役回りだったかな、覚えがない。柴野健夫は東大阪の町工場、マジテックに関わることになる。再建させるため、専務に就任する。ハゲタカファンドが目を付ける。攻防が始まります。結果、勝負に負けて試合に勝った、このような結末かなぁ。肉を切らせて骨を切る、あれですよ。悪いやつらのやり方が汚くて、本を読み続ける気がしなくなるもんですが、幸い、ここではそんなことはない。ハゲタカ本伝より、こっちの外伝のほうが面白いかもしれない。
読了日:7月28日 著者:真山仁
都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイの感想
衆議院議員から都知事に立候補して、ぶっちぎりで当選してしまいます。書き方の装いはオフザケなんですよ。取り上げている内容は極めてマトモなんですよ。虚実皮膜というか、読み手としてはどっちを拾い上げるべきか、迷います。そんなに大それたお話しではありません。読んでみて、面白ければそれでよし。荒唐無稽で付いて行けなければそれでもよし。
読了日:7月26日 著者:天祢涼
セシューズ・ハイ 議員探偵・漆原翔太郎の感想
衆議院議員の父が亡くなって、息子が世襲で衆議院議員に当選した。雲井進は先生の秘書から息子の秘書へと横滑りした。どうもこの息子、出来が悪い。失言はするし、人間観察が甘い。秘書から見ればそうでも、実は、このおぼっちゃん、かなり賢い。目の付け所が鋭くて、巧みに落とし穴を避けて行くのです。第二話、勲章、後援会の大幹部が勲章を欲しがる。とても勲記に値する人物ではないのです。見事に諦めさせる、その手際のええこと。一話から五話まで、独立したお話しですが、連続したお話しです。最後に、東京都知事の次回作まで予告しております
読了日:7月21日 著者:天祢涼
うたうとは小さないのちひろいあげの感想
高校に入学してもののはずみで、うた部に入った。まだ同好会で先輩が三人。サブストーリーとして、中学からの友人で引きこもりがいる。短歌甲子園に出場するのが夢、まずは県予選から。[髪の毛に隠していても感じてるほら耳朶も細いうなじも][黒髪に隠れていても日曜日あなたのためにゆれてるピアス][迷惑とわかっていてもしたくなるウニウニウニと猫の顔もむ][ごめんやで一度も見ずにごめんやで副教材の日本史資料][しらんがなほぼ無意識で生きてんねんなんでどうして母の追及][せっかくの八十五点よろこべよなぜそれを聞く平均点とか]
読了日:7月18日 著者:村上しいこ
東京帝大叡古教授の感想
時代は明治、日露戦争が終わって戦争処理を談判している頃ですね。熊本五校から東京帝大宇野辺叡古教授を頼って上京した。名前を阿蘇藤太と決め付けられてしまった。目の前で人が死ぬ。連続して三人の教授が殺される。七教授殺人事件が始まるのだ。国民新聞の徳富蘇峰が関係して話しは絡まってくる。ロシアとの講和交渉で膨れ上がる戦勝気分と、現実の国際情勢の冷徹な読み合いが求められるのだ。このお話し、探偵小説、推理小説として読んではいけない。明治後期の雰囲気を味わうお話しとして読むべきなのだ。巻末で阿蘇藤太の名前が明かされる。
読了日:7月15日 著者:門井慶喜
極悪専用の感想
祖父の機嫌を損ねてしまった。祖父は裏業界の大立者です。住居者は裏稼業ばかりのマンションの管理人助手をしなきゃならない。マンションは賃貸物件だが、途方もなく家賃が高い。その代り、プライバシーとセキュリティは確保万全なのだ。浅田次郎に「プリズンホテル」があるが、これは世界的なテロリストが住居者だったり、もっと国際的だ。管理人の過去が壮絶だったり、分かれた妻が入居者として同じマンションに現れたり、波乱万丈というより、ハチャメチャと言うほうが似合っている。一年間と期限を切ってはあるが、死にそうな目を切り抜けて
読了日:7月9日 著者:大沢在昌
リヴィジョンAの感想
前作「推定脅威」のシリーズです。場所登場人物は前作と同じです。四星工業は航空機メーカー、自衛隊にTF-1を納入している。略号Tは練習機、略号Fはファイター・戦闘機、教官と練習生の複座機から戦闘機のみの単座機を企画する。職制機構とは別の中核としてファイターマフィアが誕生した。ヒロインは女性の技術者です。戦闘機の設計・製造などチンプンカンプンで解らないが、手に取るように描写してくれる。設計思想や勘どころが細かく描写してある。どこから邪魔が入るとか、社内の敵とか、いろいろあるもんです。見事にテスト飛行は成功しま
読了日:7月8日 著者:未須本有生
インバウンドの感想
インバウンドというと、最近では、外国から来る観光旅行者のことを指します。ちょっと前までは、テレフォンコールセンターの受信のことを指していました。通販業者の、電話でのコールを受けるのは、過疎地にあるのが通常です。ここは沖縄、沖縄には各社のコールセンターが乱立しています。ヒロインはおきなわん、東京で夢破れて沖縄に帰ってきます。コールセンターしか働き場所がない。嫌々勤め始めて、客の電話を受ける。長々と客の相手をするのは禁物なんです。短時間で売り上げを確保するのがベストとされる。テレフォンコンクールがあって、そこ
読了日:7月6日 著者:阿川大樹
捜査組曲 東京湾臨海署安積班の感想
毎回、安積はあづみと読むのかな、あさかと読むのかな、と迷うのです。第1ページに安積(あずみ)とフリガナ付きで出ている。雑誌連載の短編を10本まとめてある。捜査組曲とあるように、各章のタイトルが、カデンツァ、ラプソディー、オブリガード、あとは省略。安積本人が主人公の章もあるし、班員それぞれの章もある。同じ署内で、ライバルとみなして猛烈に競争心を燃やして来る別班長もいる。鑑識班で、あまりに仕事量が多くて、ストライキに訴える。職を賭して増員を図る、この章が面白かった。それぞれ60分のテレビドラマにピッタリです。
読了日:7月5日 著者:今野敏
すかたんの感想
美濃岩村藩の大阪屋敷のお側用人宅へ嫁入りした。夫が亡くなって追い出された。知里は、ものはずみで、青物問屋河内屋の上女中にあがることになった。天満卸売市場を仕切っている青物問屋です。若旦那が難波村の百姓に肩入れしています。百姓が野菜の町売りをするのを奉行所にかけあって許可が下りるよう願い出ます。もちろん、問屋組合では大反対です。知里も口添えして応援します。最後は、こうなるだろう、その筋書きで大団円です。いやぁ、よかった、よかった。ちゃうちゃう、まったり、途中省略、すかたん。全部で十章のタイトルの名前です。
読了日:7月1日 著者:朝井まかて
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