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2015年12月 1日 (火)

11月に読んだ本

2015年11月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2913ページ
ナイス数:44ナイス

屋上のウインドノーツ屋上のウインドノーツ感想
給前志音は引っ込み試案のダメな女の子だった。幼稚園の頃から人交じりしない志音を青山瑠璃は引っ張ってくれた。段々重荷になってきた。中学から進学するとき違う高校へ願書を出した。離婚した父はバンドをやっていた。ドラムだった。亡くなって、ドラムが志音のところにやってきた。日向寺大志は吹奏楽部の部長になった。ドラムがあれば吹奏楽の方向を変えられる。給水塔の上でエアドラムをたたいている志音を発見した。ここからは、完全に部活小説です。読んでいて、実に清々しい。ここは茨城県が舞台です。女子高生が自分のことを、おれ、と呼ぶ
読了日:11月29日 著者:額賀澪

砂の街路図砂の街路図感想
父が死に、母が死んだ。父が死んだのはまだ12歳のころ、あれから20年が経過した。母が死に、父が亡くなった状況を尋ねに、郡府の街に来た。郡府とは、札幌でも小樽でもなく、架空の街なのだ。国立の法科大学があって、父も母もそこの卒業生なのだ。父は漕艇部のOBだった。しかし、2年で漕艇部を退部している。漕艇部の関係者の葬儀に出席して、その夜、運河に落ちて水死している。漕艇部は、一時は全日本で優勝したのだが、翌年から活動は下火になり、部員も激減している。そのへんの事情を関係者に聞いても、誰も口を開かない。段々と真相が
読了日:11月27日 著者:佐々木譲

『試し書き」から見えた世界『試し書き」から見えた世界感想
筆者の肩書は試し書きコレクターとなっています。世界106ヶ国、2万枚収集!試し書きをとおした世界の紀行文、はたまた文化人類学。これが表紙の謳い文句です。ボールペン売場の試し書きで書いた紙をコレクションしています。国々の、地域、発展度合いでずいぶんと差がある、と感嘆しています。このひと、生活のこと、職業のこと、いっさい語っていません。アフリカの辺鄙なところから、欧米、はては北極の町にも訪問しています。39個の試し書きサンプルが口絵としてあります。本文と口絵を引き比べながら読んでいきます。行ったり来たり
読了日:11月25日 著者:寺井広樹

ごんたくれごんたくれ感想
老中田沼意次の時代、江戸の画壇で京都でのお話しです。丸山応挙が名声を上げて、池大雅が亡くなるころ、伊藤若冲が光っている時代です。彦太郎が応挙一門に入門して、吉村胡雪と号をもらった。対抗するライバルは、豊蔵、師匠は持たずに、深山筝白と名乗っている。高名な画家や、兄弟子など、実在の人物なので、吉村胡雪、深山筝白、実在かと思いましたが作者の創作の人物でした。彦太郎、豊蔵が画家を離れての動きの方が面白い。画の出来栄えについては、そりゃ、うまいんでしょうね。いまいち、伝わってこない。ごんたくれ、豊蔵ではなく彦太郎か
読了日:11月24日 著者:西條奈加

敗者たちの季節敗者たちの季節感想
「バッテリー」で中学生の野球を書いた。これは高校生の野球。中学生と高校生ではどこが違うか。不祥事です、中学生では普通ないが、高校生ではありうることです。県大会の決勝で、主人公のチームは負けた。勝ったチームは不祥事を起こして甲子園出場を辞退した。繰り上げ出場となった。題名に「敗者たちの季節」とあるように、負けることが約束されているのです。甲子園初戦で負けます。これは勝敗を描いているのではない、部員それぞれの心のうちを描いているのです。
読了日:11月16日 著者:あさのあつこ

豹変豹変感想
主人公は警官だ。たまたま所轄で少年が友人を刺した事件に出会った。署に連行したが、警官3人をなぎたおして逃走した。ここでお祓い師が登場する。鬼龍光一、鬼衆道の一族なのだ。もうひとり、安倍孝景、奥州勢の一族だ。狐憑の仕業で、お祓いで元に戻る。他にも、男子中学生、別に女子中学生の事件も起きる。どちらも狐憑の仕業で、ふたりのお祓いで元に戻る。どうして狐が憑いたのか。そこがこの小説の芯なので、そこは語るわけにはいかない。今野敏、古武道の道場を持っていて、武道小説もあるのだが、狐憑きの小説を書くとはびっくりです。
読了日:11月13日 著者:今野敏

与楽の飯 東大寺造仏所炊屋私記与楽の飯 東大寺造仏所炊屋私記感想
ここは東大寺の大仏を造営する現場です。大勢の仕丁(しちょう)が国々から夫役(ぶやく)として懲されている。造仏所の炊屋(かしきや)の飯はうまいと他の現場に鳴り響いている。最初からの登場人物は、美濃の真盾(またて)近江の鮠人(はやと)石見の小刀良(ことら)炊屋の炊頭(かしきがしら)は宮麻呂(みやまろ)仕丁頭が猪養(いのかい)この面々でお話しを展開します。行基が勧進して人材浄財を大仏に捧げています。行基と宮麻呂とはかって何かの関係があったものらしい。それがお話しの芯になります。大仏造営の現場にはいろいろあるもん
読了日:11月10日 著者:澤田瞳子

山の近くで愉快にくらす 猟師になりたい! 2山の近くで愉快にくらす 猟師になりたい! 2感想
猟師になりたい!2です。前作「猟師になりた!」では猟果ゼロでした。猟師なりたて初年度だからしょうがない。2年目で1羽、着実な進歩です。前作では、猟の仕方や師匠のやり方などの紹介が多かったが2年目ともなるとちょっと違うなぁ。猟師のリクルートについてとか、産業、手内職として職業化していく話題が増えてくる。猟師が高齢化しているのです。あと5年もすると狩猟の文化は途絶えるかもしれない。いえいえ、今年の新人猟師も誕生しています。猟果は著者より多い有望新人もいます。
読了日:11月5日 著者:北尾トロ

おっさん傍聴にいく!―最近の裁判所でのあれやこれやをグダグダ語ってみる。 (おっさん問答)おっさん傍聴にいく!―最近の裁判所でのあれやこれやをグダグダ語ってみる。 (おっさん問答)感想
おっさん問答のシリーズです。これが1、続いて糖尿についての2があるようです。内容を語ってもしょうがないので、周辺情報から。北尾トロ氏には、「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」のベストセラーがあります。文春文庫に収録されているそうです。裁判傍聴記というジャンルを開拓し、一番面白いと定評を得ています。すんません、下関マグロ氏については何も情報がありません。この本では出番が少ない。これで共著と言われてもなぁ。トロ・マグロ、漫才コンビみたいですが、判るのはここまで。どういう関係なんだろ。
読了日:11月4日 著者:北尾トロ,下関マグロ

虚国虚国感想
主人公は廃墟写真家、廃墟を写真に撮ることで始まった。廃墟のホテルを撮影していて、崖下に死体を発見する。親しいライターが廃墟のホテルに同行する。そのライターが突き落とされて負傷した。このホテルは数年前に火事で焼けて廃墟になったのだ。どっちの事件も昔のホテル放火事件が関係している。どの登場人物にも親和感が湧かないのですよ。読みながら、突き放したまま事件を追っている。大勢人物が出てくるが、読み分ける気も起きないのですよ。読後感、あぁ、終わったな。墟は廃墟、国、これが理解できない、国が関係してなどいないのに。
読了日:11月2日 著者:香納諒一

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