1月に読んだ本
2016年1月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3873ページ
ナイス数:172ナイスガソリン生活の感想
語り手は自動車なんですよ。望月家の自家用車で、緑のデミオ、隣家の自動車はカローラ、自動車は自動車同士で話しが出来るし、人間の言葉も理解できる。ただし、人間には自動車の言葉は伝わらない。主人公は望月家の次男の亨、まだ小学校で10歳。お話しの芯は、名家の奥さんが浮気をしていると噂で、週刊誌の記者たちが追いかける。追いかけられて、トンネルの中で事故を起こして、二人とも焼死してしまう。ダイアナ妃とパパラッチの事件と似通っている。語り手が自動車なので、人間が自動車を離れると、次の展開がどうなるのか伝わってこない。
読了日:1月30日 著者:伊坂幸太郎
残り全部バケーションの感想
最初は、離婚した夫婦と娘が見知らぬ男と出かける、離婚記念の食事をする、そういう出だしなんですよ。お話しは時間を行ったり来たり、今は誰かの小学校時代の物語にいる。半分以上ページが進んでいるのに、この小説の主人公が誰なのかもわからない。場面場面はとても面白いんですよ。そりゃもうクスリと笑える。読みながら、先のお話しが読めないよ。このお話し、どこへ誘導されるんだろう。マクラが印象的だったので全体像を見誤った。主人公はこっちが本命だったのだ。終末は思いも寄らない大団円で、出だしとの整合性もピッタリで、ははぁ、こう
読了日:1月24日 著者:伊坂幸太郎
和僑の感想
頼まれて町長に就任し、新事業としてプラチナタウンという有料老人ホームを誘致して町を活性化させる、ここまでが前作のお話しです。この先、老人人口は先細りし、若者の結婚は遠のき、将来は真っ暗じゃないか、その時、緑原町はどうする。和牛の肉を輸出し、B級グルメを海外に出すと絶対ウケル、そこに気が付いた。町の出身者でアメリカでレストランで成功している人とタイアップする糸口が出来た。人口減少する日本国内で争っても先細りするだけ、マーケットは海外にある。ここで「和僑」という題名が効いてくるわけです。町長選挙があったり、
読了日:1月19日 著者:楡周平
変見自在 習近平よ、「反日」は朝日を見倣えの感想
週刊新潮連載の「変見自在」のコラムの採録だそうです。わたしも、たいがい嫌韓・嫌中ものは読むほうだが、連続して読み続けるとゲップが出る。やっぱり週刊誌で週に一回読むなら後遺症は出ないが、立て続けに読むと、読み続けられるもんじゃないです。本の題名のコラムがどこかにあるかと目次を見たが、ありません。全体の総把握としてタイトル付けしたもののようです。
読了日:1月16日 著者:高山正之
インデックスの感想
ご存知、警視庁は姫川玲子警部補の短編集です。警視庁捜査一課姫川班は解散しました。全員所轄に散らされたのが前作まです。今、姫川は池袋署にいます。推されて、再び本庁捜査一課に転属を命じられる。前の姫川班のようにはいかない。もう一回、関係を構築しなくちゃならない。「新宿鮫短編集鮫島の貌」を思い出します。似たようなシチュエイションだけど、姫川主任のほうが体温が高いぞ。場合によっては、長篇での再登場もあるかもしれない。姫川の大学時代、警視庁に入る前まで出てきます。「本屋さんのアンソロジー」で読んだな。
読了日:1月15日 著者:誉田哲也
女神めし 佳代のキッチン2の感想
前作「佳代のキッチン」の続きです。軽トラバンをキッチン仕様に改装して、各地を巡って調理屋を広げるお話しです。富山県氷見、伊豆半島下田、千葉県船橋、広島県尾道、大分県佐賀関、長崎県五島、常に港町に店を出します。それは魚市場が近いから。一部を紹介すると、尾道篇では、造船会社をリストラされた。なかなか職がない。無人島で塩田を開く。これは売れるかもしれない。塩田一枚二枚を一艘二艘と数えるのだそうな。巻末で、佳代の心の支えの松江のばあちゃんが亡くなった。肉親じゃないよ。縁あって知り合ったひと。続編はもうないのじゃな
読了日:1月10日 著者:原宏一
おい!山田の感想
大翔製菓で、ゆるキャラを設定しよう。社員をゆるキャラに設定してしまおう。ゆるキャラ山田が誕生しました。ここから始まる疾風怒濤のビジネス小説、えぇ、キワモノのお話しです。ガリチョコバーという新商品で、ゆるキャラ山田とタイアップして売り出したが、売れ行きはいまいちでした。ゆるキャラ山田の評判は地に落ちたが、ここからが巻き返しです。どう巻き返すか、そこは読んでくれなきゃ、ここで紹介するわけにはいかない。ハッピーエンド、みんなニコニコの終わりになります。
読了日:1月9日 著者:安藤祐介
藪医 ふらここ堂の感想
三哲は小児科医、長屋の広場にふらここ(ぶらんこ)があるので、藪医ふらここ堂で世間には通っている。おゆんは三哲の娘、三哲が主人公のお話しと思うでしょ。ほんとはおゆんがお話しの芯になるのだ。患者や親にぽんぽん叱りつけてはいるが、それは患者のためだから。お城から御典医の話しが降りてくる。公方様の御典医だ。さて、この御典医のお話し、どうなるんでしょうね。おゆんの恋が生まれるお話しがじれったいの、じれったくないの。各章それぞれ、にやりと頬が緩むくすぐりが続きます。そのへんの味付けがええなぁ。
読了日:1月8日 著者:朝井まかて
秋葉原先留交番ゆうれい付きの感想
ここは秋葉原にある交番です。いや、駐在所です。24時間勤務形態です。そこに権田巡査がいる。向谷巡査が転勤を命じられて赴任した。いっしょに幽霊を連れてきています。この幽霊、足しか見えない。万人に見えるのではなく、向谷巡査にしか見えない。幽霊になっているということは殺されたということ。二人は捜査を開始します。まずは犯行現場を確定すること、犯人を探すこと。ところどころ、くすぐりが入るのだが、これは効果的、手もなく著者の意のままです。
読了日:1月4日 著者:西條奈加
村上海賊の娘 下巻の感想
毛利家の要請を受け、本願寺へ糧食を搬入に向かうが、引き返す判断をする。そこへ、景が雑賀孫市を引き連れて、泉州海賊に戦いを挑む。それを覚って、村上海賊は戦いに向かう。木津川の海戦です。泉州海賊は泉州弁を使うのに、村上海賊は広島弁なり伊予弁なり、使わせればええのに、普通の言葉です。そこは残念。下巻全体が海戦の描写です。この後の第二次海戦では、村上海賊の完敗になるのですが、その前で筆をおいた。ええところで物語を切っています。
読了日:1月2日 著者:和田竜
村上海賊の娘 上巻の感想
ヒロインは能島村上の姫、景(きょう)。三島村上と言い、因島村上、能島村上、来島村上がある。因島村上は毛利に従い、来島村上は河野に従っているが、河野は衰微して毛利に従っている。能島村上は独立して、どこにも臣従していない。景姫は、ことの成り行きで、安芸の門徒を大阪の本願寺に連れて行くことになった。本願寺に従軍しているのは雑賀の孫市、鉄砲軍団の頭目です。対する信長陣営の船団の長は、淡輪の泉州海賊真鍋七五三兵衛(しめのひょうえ)、景姫に立ちはだかるアンチヒーローです。上巻は、木津川海戦が始まるその前夜まで、下巻へ
読了日:1月2日 著者:和田竜
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