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「地に巣くう」あさのあつこ 光文社
バッテリーなどの少年小説・スポーツ小説とは大違いです。
読んでいて、体温が下がって行くんですよ。
八丁堀の同心小暮信次郎、手下の伊佐治、岡っ引きの尾上町の親分さんで通っている。
その同心新次郎が襲撃されるところからお話しが始まる。
折しも、島帰りの前科者が大川で殺されて浮いていた。
ここで、小間物問屋遠野屋の旦那、清之介が登場する。
シリーズものなんですね。弥勒シリーズ第六巻。
前の巻を読んでなきゃ、二人の関係があまりに出し抜けすぎる
事件は20年前、新次郎の右衛門が関係している、と判る。
事件は血の気混じりなんですがね、登場人物が冷めているので、興奮することなく読み終える。
あさのあつこの別の側面なんですね。
「ランナー」あさのあつこ 幻冬舎
碧季(あおい)は陸上1万メートルで惨敗した。最下位だった。
みじめで陸上部をやめた。
両親が離婚した。
夫の弟夫婦が交通事故で亡くなって、女の子、杏樹(あんじゅ)を引き取った。
離婚した今は、母は女の子に当たるようになった。
碧季が1万メートルで負けたのも、そこに原因があるのかもしれない。
負けたのは高校1年の秋、走りたくなって2年の春に陸上部に再入部した。
家庭が煮詰まって、別れた夫に杏樹を引き取ってもらうことにした。
その土壇場で、母と杏樹は求めあって一緒に家族を続けることになった。
高校陸上競技の世界だと思って読み始めたのですよ。
家庭内暴力、児童虐待、こんな修羅場のお話しだとは思いもしなかった。
自転車で、出発地点に必ず帰らなきゃならない、駐車場所に戻らなきゃならないのは、行動に制限があり過ぎるな。
輪行袋を買おう。折り畳み自転車で輪行袋は装備してはいるが、車輪が小径なのでなかなか進まないのが難点だね。クロスバイクでも輪行袋を使うことにしよう。
ということで、三次市内某所に駐車して、背中のザックには輪行袋を収納して、帰りは列車で帰るとしよう。
ここが三次駅、駅舎も建て替えられて、これが駅前の風景、残るは駅前の道路整備、ここは県道だから広島県が施工してくれるのを待っている状態なんだね。
道路を進もう。旧街道を進んで、ここが西三次駅、殷賑に取り残されて、えらく寂れた風景になっております。
踏切で列車がやってくる。これから先のコースはなるべく鉄道に沿って進むことにしよう。新しい県道を避けて旧街道を中心に進んで行くことにしよう。
青河洞門を過ぎて行く。可愛川が山裾にぶつかって、山裾を洞門に繰り抜いて道を作ったところなんだよ。
小さな峠を越えて行く。鉄道の芸備線は掘り下げて峠を突き抜ける。道路は掘り下げるわけにはいかない。峠を乗り越えて進んで行く。
錦橋は渡らずに国道54号線から旧街道に入って行く。
安芸高田市との境界、ここまでが三次市、ここから先が安芸高田市なんだね。
編集が終わりました。
新しいページをアップしています。
これは出だしの部分、全体の姿は下のリンクを踏んでみてください。
http://sherpaland.net/bike/2016/bike-160320-geibisen/bike-160320-geibisen.html
「春雷」葉室麟 祥伝社
君主抗命譚です。
我が子が殺された。殿の馬が暴れて蹄で蹴殺されたものです。
家中に召し抱えてやる故辛抱せぇ。
殿は名君であられる。名君であられるから事を荒立てるな。
多聞隼人は召し抱えられ、順次出世して、家老にまで登り詰めた。
隼人の心のうちは、殿は名君にあらず、暗君であられる、それを暴くのが目的です。
一揆を鎮めたが、殿の意に沿わず、上意討ち、切腹を申し渡される。
屋敷に立てこもって、抗命です。
鉄砲で討ち果たされるが、幕府の裁定は隠居、暗君が明らかになる。
鬼隼人、おろち=千々岩臥雲=測量家、人喰い七右衛門=大名主
このトリオで黒菱沼の干拓を図るサブテーマもあります。
豊後羽根藩、「蜩ノ記」「潮鳴り」「春雷」の舞台です。
藤沢修平の海山藩と同様に架空の藩です。
海山藩に詳細な絵地図が出来たのを見たことがありますが、今に羽根藩もイラスト地図が出来るかな。
「ロング・ロング・ホリディ」小路幸也 PHP
作者は1961年生まれ、55歳です。
大概、自分の青春時代を舞台にして書いています。
「一九八一年札幌六月」
「一九八二年札幌九月」
二章に分かれていますが、前章が283ページ、後章が7ページ、後章はおまけです。
札幌の大学に通いながら、アルバイトにいそしんでいる。
喫茶店が職場です。
店長と事務員だけが正社員、あとはバイトだけで回しています。
そのバイトたちの青春群像です。
モノは当時の物ですが、心根は今も昔も同じです。
今の若者が読んでも通用するでしょう。
別に、ダイシリーズがあって、喫茶店の経営者で探偵、というのがあります。
これも1980年代、この作品と同じ時代を扱っています。
「みつばち高校生 富士見高校養蜂部物語」森山あみ リンデン舎
長野県富士見町に富士見高校があります。普通科2クラス、園芸科1クラス。
山梨県境で八ヶ岳南麓にあります。
女子高生が2年の時、養蜂部を立ち上げた。
農業甲子園があります。農林系の高校生の農業クラブ大会です。
2年目で長野県最優秀賞を受け、3年目で全国大会で優秀賞、4年目で全国大会の最優秀賞を受賞します。
やはり一番面白いのは、1年目のなんにも知らない頃です。
ミツバチの巣箱を用意して、ミツバチが入ってくるのをただただ待っています。
なんぼ待っても入ってこないので、分蜂した蜂を段ボールの箱に落として持ち込むとか。
めったに刺されるものじゃないが、ハチに刺されて顔が腫れあがるとか。
軌道に乗った部活動より、草創期のほうが面白いです。
伊坂幸太郎の小説を読んで、作家の周辺を知りたくなります。
何度も直木賞の候補になって、結局は受賞しない。
選評で心が傷ついてしまいます。
あそこが悪い、ここが悪い、そもそも設定に無理がある、ほとんど営業妨害です(これはわたしの感想)。
今後は候補に挙げないでいただきたい。ノミネートを辞退しました。
もっと過激な人がいます。横山秀夫です。
[半落ち]で候補作に挙げられ、落ちに欠陥がある、ミステリーとしてミスがある、と受賞しませんでした。
選評で罵られ、反論します、選評には間違いがある、と今後のノミネートを拒絶します。
片や辞退、片や拒絶、やんわり言うか、切り口上か、同じことです。
選考委員は、選評を発表して自己の判断基準を示さなければなりません。
スポーツの審判は、ビデオ判定で、誤審か妥当か、即座に明らかになります。
直木賞の場合、世界観、価値観が違う人々が集まって協議するのですから、難しいことですよね。
で、冒頭の伊坂幸太郎に戻ります。
読み始めが嵌れば面白い。
[ゴールデンスランバー][グラスホッパー][ガソリン生活][マリアビートル]など
読み始めで苦しんだら、なかなか軌道に乗れません、読むのを放棄しても構いません。
選考委員も苦しんだのですから。
「ある日突然40億円の借金を背負うーそれでも人生はなんとかなる。」湯澤剛 PHP
実録です。ドキュメントです。
父親が突然亡くなった。息子の湯澤剛はキリンビールで出世街道を進んでいた。
父の会社はどうなっているか。
居酒屋、牛どんの吉野家のチェーン店、水商売でいくつもの店舗を経営しています。
調べてみると、年商が20億円なのに、銀行からの借入金が40億円あった。
仕入れのつけ、回転資金など銀行以外にもたくさんあります。
会社をやめて社長になるしか他に方法はありません。
従業員の態度は悪く、すぐにやめる、と脅すのを、頭を下げて続けてもらう。
板前の代わりを雇うまで店を数日間休まなければならない。
借金返済には店を開店し続けることが第一条件なのです。
赤字の店を改装することにする。
[女性客が喜んでくれる店ではないが、女性客が来ても大丈夫な店を作る]
ターゲットを中高年のサラリーマンに絞る。
順次、借入金も返済が進んで、ついに完済に漕ぎつけた。
えらく読み易い本です。
活字が大きく、1ページの行数も少ないです。
2時間もあれば読み切ってしまいます。
借金返済に苦しむ本ではありますが、成功譚です。
めでたしめでたし、で終わらなきゃ、その通りになるところがよろしい。
@niftyのサービスを受けていましたが、現状の形は終了しますと案内が来ました。
現状から@niftyホームページサービス(LaCoocan)に移行するのだそうです。
2016年 9月 29日(木)15時で現状のサービスは終わると告げられてしまいました。
新しいサービスに移行しようと試みましたが、段取りが面倒。
手順を読み解こうとしますが、理解しづらい、内容が頭に入ってきません。
やめた、@niftyのホームページサービスは諦めることにします。
@homepageは初期には利用していましたが、容量が少ないので、今はテキストを載せるのは利用していません。
利用しているのは全部 cgiで、分析解析だけで使っています。
cgi の内容は公開していません。
昔々は公開していましたが、得た個人情報の暴露に繋がるかもと、早めに公開はやめました。
レンタルサーバーで独自ドメインで運営していますので
@niftyに頼らず、cgi も含めて全部自前運営することにします。
実は、既に先行していまして、去年の6月から cgi 関連は自前で運営しています。
これを機に、@niftyの過去の分析データも引っ越すことにします。
引っ越し作業はけっこう面倒な作業です。
niftyのサーバーにあるデータをコピーして、自分のサーバーに移して行くのですが、そこが面倒なところです。
手持ちのホームページ原稿を移し替えるのなら簡単ですが、cgi はサーバーが他人の場所なので手が掛かります。
機械的な連続作業ですので、飽き飽きするのが難点です。
4篇5篇も続けると、いったん作業は中止しないと、コンガラガッテしまって、緊張状態が持ちません。
まぁ、9月まで日時に余裕があるので、ゆっくりやっても大丈夫、そこは安心です。
公開もしないものに手間暇をかけるのはどうして?
うん、まぁ、そこは自己満足 (^^ゞ
完全に移行すると、NIFTYで利用しているのは、ブログのココログだけになってしまいます。
ひな祭りのお菓子で、[ほとぎ]があります。
わたしの子どもの頃のほとぎは、ポン菓子で、米をポップコーンのように爆発させたもの
それに水あめを絡めて塊りにしたものです。
で、その[ほとぎ]
広島県北地方に特有のもののようです。
確かに他県では見ませんし、広島、尾道、福山などでも見ないでしょうね。
[ほとぎ]とは、どこから由来するものでしょうね。
祝いから来たのかしら、祝ぐと書いて、ほとぐ、ことほぐ、と読むのです。ひな祭りですからね。
水を含んで膨らんだ状態を、ほとびる、飯粒がはじけて大きくなった状態を、別の言葉で援用したものかしら。
乾いた状態と濡れている状態、違いが大きいから、これは外れているかもしれない。
深く探ろうとしても、非常に地域限定なので、データはないし、自分の経験見聞の範囲しか見えてきません。
2016年2月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2449ページ
ナイス数:68ナイス牛を飼う球団の感想
小説のようなタイトルですが、ノンフィクションです。独立リーグで、四国アイランドリーグ、高知ファイティングドッグスのことです。球団を始めたが、倒産しそうになって、高知県人ということで、オーナーに就任して球団を救済することになりました。人脈を使って、同級生を社長にしたり、弟を引き込んだり、人材には恵まれました。球団の事業として農業もやります。野球の選手も田畑に出ます。農業高校のバザーで子牛が売りに出ました。それを買います。肉牛として、育てて二年後には売りました。営業努力で毎年の赤字が黒字に変わりました。
読了日:2月24日 著者:喜瀬雅則
鴨川食堂おかわり (小学館文庫)の感想
鴨川食堂ってシリーズになっているんですね。短編集、京都の東本願寺の近くで、看板を出していない、民家と違わない食堂。食堂であり、探偵社でもある。「鴨川食堂、鴨川探偵事務所、食捜しします」思い出の食を捜してほしい、との依頼で、食捜しする。今、NHKBSでテレビドラマ化しているようです。ショーケンが好みじゃないので、テレビドラマは見ていません。[海苔弁][ハンバーグ][クリスマスケーキ][焼飯][中華そば][天丼]それぞれが探しものです。それぞれが昔々の思い入れがあって、なかなか深いのです。
読了日:2月19日 著者:柏井壽
当確師の感想
聖達磨(ひじりたつま)は当確師を名乗っている。99%の確率で候補者を当確に導くのだ。プロローグに中小都市の市長選挙がある。ここで技を奮って期待を盛り上げる。舞台は日本有数の大都市、高天市の市長選挙、現職の市長は圧倒的でつけこむ余地はありそうもない。そこへ対立候補を担ごうというのです。当確師の出番です。で、選挙の結果は、読む前に予想した通りの結末です。そんなので面白いのか。面白いのです。真山仁は「ハゲタカ」に尽きる。その後の作品は好みじゃない。久しぶりにヒット、この「当確師」はわたしの好みのストライクゾーン
読了日:2月17日 著者:真山仁
犬の掟の感想
波多野と松本は警視庁同期だ。波多野が倉庫で犯人を追い詰め、逆襲されて、拳銃で狙われた。そこへ、松本が飛び込んで、犯人を撃って波多野を救い出した。あれから七年後、波多野は蒲田署の刑事、松本は本庁捜査一課、やくざの代貸が殺された事件を追う。それぞれ別の捜査をする。波多野は蒲田署での捜査をする。松本は特命で捜査をする。ふたつが切り替えながらお話しが進んで行く。読んでいて、途中に挟み込まれる細々したことに引き込まれる。やくざと半グレ、へぇぇ、棲み分けと対立はこのように出来ているのか。最後は、思いもよらない終り方に
読了日:2月15日 著者:佐々木譲
鬼忘島: 金融捜査官・伊地知耕介の感想
新設銀行での内紛ですね。最初は中小企業の為にと目的があった。ヤクザの金が入り込んで、目的が違ってしまった。役員会の描写が銀行とは思えないのですよ。どこかの消費者金融の役員会の描写かと思った。役員の一人が失踪した。沖縄の鬼忘島に逃げて行ったのですよ。銀行と闇の勢力は追いかけて行く。おいおい、金融調査官・伊地知耕介はどうしたの。凄い傍流の人物です。いなくてもストーリーが成立するほどの影の薄さです。この次は、金融調査官・伊地知耕介がちゃんと活躍するお話しにしてほしいもんです。江上剛の金融小説とはえらく違います。
読了日:2月14日 著者:江上剛
マリアビートル (角川文庫)の感想
殺し屋がぞろぞろ出てくるお話しです。「グラスホッパー」の続編と言うか、シリーズものです。東京駅発盛岡行の新幹線、「はやて」の社内の中のお話しです。大金を運び、大ボスの息子を連れて行くのだが、金を失い、息子は殺されてしまった。この列車の中には何組もの殺し屋がいます。中でも最悪なのが、中学生、こいつが一番タチが悪い。読者を翻弄しながらお話しは進んで行きます。よく飲み込めないまま、消化できないまま、進んで行きます。読者は数ページ読んで、本を閉じる程度しか抵抗できない。どうやら盛岡駅に到着したら、解決するみたい。
読了日:2月8日 著者:伊坂幸太郎
タヌキ学入門: かちかち山から3.11まで 身近な野生動物の意外な素顔の感想
シカと植物群落との関係を研究するのが得手のようです。当然、シカ、クマ、タヌキなどとも親しい。根が真面目な人なんでしょうね。懸命に面白くしようと筆を掻き立てているが、面白くない。東北大学で学んで研究生活に入ったのだそうです。後に東大で教授してます。東日本大震災が起きました。海岸は津波で破壊され、植物は塩害で枯れました。タヌキの溜め糞があると聞き、調査に赴きました。植生は回復し、タヌキも戻ってきました。巨大堤防を築く工事が進行し、溜め糞は重機で蹴散らされました。タヌキは再び海岸から追い払われました。
読了日:2月1日 著者:高槻成紀
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「ヨイ豊」梶よう子 講談社
幕末の絵師の世界です。
江戸の絵は、肉筆の絵もあるにはあったが、主流は刷物です。
画工がいて、彫り師がいて擦り師がいて、版元から売り出されるわけです。
歌川豊国、三代目のところに清太郎は入門した。
実直を買われ、師匠の娘を嫁に貰い、師匠の前名の国貞を襲名した。
弟弟子に八十八(やそはち)がいる。
腕は達者だが、行状は破戒的で、当時の絵師の悪いところの代表のようなものだ。
江戸が東京に変わる頃、清太郎は歌川豊国を襲名することを決心した。
卒中を患って、右腕が動かなくなった。
版元の間では、ヨイヨイ豊国、ヨイ豊と蔑まれていた。
すごいね。差別語丸出しじゃないか。
差別と糾弾するなら来い、と作家の意地が見えてますね。
ただね、病気になるのは最後のことなんですよ。
お話しの最初から、ヨイ豊とは何だろ、と不思議でしたが、
最後の最後でやっと題名の意味が明かされる、取って付けた感じは免れないです。
江戸から明治に変わる時代の絵師の世界の群像です。
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